56:「新・24時間働けますか?」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

洋服関係の専門店様及び中小メーカー様向けの視点でアドバイスを送らせていただいております。カ

シカヤです。余計なお世話も多々ありますが、私の経験上年商3000万の個店様も年商1000億超の小

売りも問題や課題は大して変わりません。本質は同じだと思います。

 

戦略や戦術は会社の大きさで変わりますが、悩みは変わらないと思います。そう言う点で私の経験も

お役に立てるのではないかと思いこの様なブログを書いています。私も地方営業を長くしてますので

決して上から目線ではありません。間に触る表現がありましたらご容赦下さい。

 

今日のテーマは「24時間働きましょう」と言う今ではブラックものですww。もちろん24時間働いて

良いわけではありませんが、この非常時にはそうでもして「早く活路を見出したい」と気持ちが焦る方

もいらっしゃるでしょうから、そのための時間の活用法について少しまとめてみました。

 

 

Contents

少数精鋭チーム化

兼務ありき

在庫を絞り、経費を絞り、人も絞る中で現在の販売チャネルから別の販売チャネルを拡大しようとい

うのが、皆様の目下の目標だと思います。専門店様は店頭販売とEC販売、メーカー様も卸販売以外に

顧客への直接販売を狙います。

 

両方がタイアップした動きが(私が知る限り)あまり見られないのは残念ですが。。

 

販売チャネルの拡大は、慣れてない業務の拡大です。人はいないので、自ずと兼務になります。経営者

からすれば「この非常事態なんだから」という思いから従業員に「気働きと兼務」を期待するでしょう

が、従業員がそれをわかっているとは限らない、と言う話は以前の記事でしました。

 

 

個別最適と全体最適

販売チャネルの拡大で、あと問題として出てくるのは「個別チャネルで良い事が、果たして全体にとっ

ても良い事か」です。店舗販売とEC販売、2つで会社の両輪と考えていた事が、右の車輪と左の車輪

の動きが別々になって来るのが普通です。

 

担当者は指示された通り個別に適した内容優先で動きますから。全体にとってベターなのかの判断は

難しいのです。

 

両輪を操るドライバー(経営者)に”意思と意識”が不足していますと、運転がギクシャクして来ます。

在庫の持ち方もそうですし、経費の配分、労働時間の配分も出てきます。両輪のバランスは注意が必要

な点です。

 

以上の2つが兼務をしていくときに注意する事です。

 

1日の中に集中できる時間は2回ある

長時間労働はほどほどのペースで行う

本日の趣旨は、「長時間労働は戦略として正しい」です。ただしオーナーに限定。自由に使える社内の

リソースは限られますので、経営者の24時間の効率化をしましょうと言う事です。

 

この話を書くきっかけは1人経営のインスタライブを見ていて感じた事です。1人でインスタライブをす

るのは、それはそれは大変です。店内の空き時間に、商品を準備し、カメラの位置決め、喋りながら挨拶

しながら、そして着替えながら商品説明します。

 

1人なので「すべて上手くできるわけでない」と言う程よい力みの無さが逆に親しみを生んでいる気がし

ました。つまり、ほどほどでやっていきましょう。EC販売やSNSの発信は毎日続けていく事です、力んだ

ところで一気に成し遂げられるわけでもありません。マラソンの様なペースを上げないけど落とさないで

続けていきましょう。

 

緊急性と重要性は普段から分けておく

1人社長は24時間で全てをこなす訳ですから、自ずと緊急な事と重要な事に”本能的に”時間を振り分け

ていると思います。また1人で運営と経営をされてると、「体が資本」と言うことも同時に理解されて

ますので、過度な労働には自動停止が働きます。

 

1人社長は、その様な適度な脱力感があるのですが、複数で運営されている場合にはその歯止めが効か

ない状況を散見します。過度な労働は危険です。お店は仕入れと販売、店頭とECとバランスで成立し

てますので、どれか一部分に力を入れ過ぎても効果は出にくいものです。

 

「24時間働け」と言いつつ「過重労働」はやめろとは矛盾して聞こえますが、お伝えしたい事は使い方

を考えましょうと言う提案になります。コアタイムに大事な事を優先して行っていく事をお勧めします。

 

私の日常のスケジュール
日常生活(仕事がない日)

   起床:4時50分

A)6時〜9時:朝活、ブログ

B)9時〜12時:資料

C)12時〜15時:ジム

D)15時〜18時:リサーチ、MTG

E)18時〜21時:ネット

就寝:22時半

 

スケジュールの組み方は、3時間単位のA~Eの5ブロックに分けてそこにやる予定を入れていきます。

コツとしては1日の両端に「頭を使う・集中したい」事を入れています。私は朝型なので一番重要な時

間帯はAの6時〜9時になります。ここに集中したい事を優先して時間確保します。

 

夜のEの時間帯も集中力は増しますが、私はこの時間は疲れ果てているのでリラックスして就寝に切り

替えます。この様な時間の使い方に切り替えたきっかけはダニエルピンク著「完璧なタイミングを科学

する」を読んだ事です。ダニエルピンクはずっとモチベーションを研究している人です。

 

 

この本によると、下図の様に朝の7時と深夜23時が集中力が高まる時間です。ここに重要な仕事を当てる

事が大事です。本によると、このグラフは人生の様な長い時間にも当てはまります。そうすると人生で一

番しんどい時は夕方の4時半ぐらい、つまり45歳前後だそうです。会社に家庭に諸事情が積み重なる頃で

すね。

 

時間と両端を使う

経営者ともなれば日中の時間は予定があるでしょうから、それはそれで行い、早朝か深夜に戦略系の集中

したい事に当てるのが良いです。せっかくの早朝と深夜を寝坊と飲み会で使うのはもったいないと言う事

です。

 

日中は顧客対応や、雑事、緊急性のある事に時間は消費しますから、重要性の高い事を考えるのは、早朝

か深夜の時間帯がベターです。通常の勤務と同時に、この2つのピーク時間帯を上手に使う様になると「新

・24時間男」の誕生ですw

 

 

 

昔話ですが、ギャル系がバリバリ売れている頃に六本木あたりのオフィスで、社長が夜型だからと深夜11時

から朝まで会議をしていた会社がありましたが。。ピークの使い方を間違ってますww

 

もちろん続かなくて止めたそうです。

 

もともと過剰に労働される方

働くのが好きと言う方もいらっしゃいますが、1人経営者でないのに1人4役以上をされる方(バイヤー

、店頭販売、SNS、オリジナル、ディレクター、VP、経理、教育そして社長)は過剰労働が問題を招き

ます。

 

こういうスタイルの働き方をされる方は、もともとの考え方として「自分がしたほうが”品質が高い”」と言

う自負があると思います。つまり品質を重要視しているのです。一方、品質の条件となるコストはこの合自

分の健康です。

 

コストと品質はバランスの問題です。どちらかが完全に勝る事はありません。自分でするか任せられる相手

を見つけるか、果たして最終的にどちらが生産性が高いのか、経営者としては考えるべき問題です。こちらも

「ほどほど」がキーワードになってきます。

 

弱者の戦略

ここからの話は5名以下の弱者の組織の方向けです。中堅の方は集中できる時間帯だけご活用ください。

 

長時間労働は弱者の戦略

ランチェスター戦略(ほぼ福岡発ローカルの中小企業戦略)は今の立場を弱者と割り切って、「これか

らどうすれば良いか」の指針を明快に出してくれる頼れる戦略です。

 

1人経営や5人以下の会社であれば間違いなく”弱者”です。金も人もリソースはないのですから、残るは

時間しか無いのです。人間である以上の生活時間を確保した上で、その様に残りの時間を使うかが”戦い

方”そのものになってきます。

 

 

私の事例を出したのも、皆様と同じく1人経営の弱者だからです。私の様なフリーランスのコンサルタン

トが売り上げを伸ばす場合には、日中は通常の営業を行い、現在空き時間の早朝と深夜にオンラインで

のコーチングを行えばその分が収入増になります。

 

 

コンサルタントの視点で言えば、「顧客である経営者は早朝や深夜に重要事項の検討を行う事が多い」事

がマーケティング上前提であると、その時間にオンラインで相談に乗るのが有益になります。顧客が問題を

片付けたい時間にサービスを提供するのです。

 

これがリソースがない弱者が売上を増やしていくときに使うべき戦略「長時間労働」になります。ただ、営業

時間を長くするのではなく、顧客のニーズ(カスタマージャーニー)に合わせて労働時間を延長するのです。

 

 

私が専門店の立場であれば、昼間の時間にアップしたインスタや動画の問い合わせ対応に深夜の時間を使いま

す。早朝の時間は、今週の入荷に合わせてライブの計画をしたり、今後の段取りを行います。皆様にとって有

益な事に集中できるピーク時間帯を活用すれば良いのです。

 

この様にして1日の時間を広げて活用すると、収益力が上がると思います。くれぐれも、緊急性と重要性は分け

る、仕事は抱えすぎない、過度な品質は要求しないなどのバランスにはご注意ください。継続に意味がある

のですから。「ほどほど」に長時間労働で収益を積み重ねましょう。

 

選択は戦略、繰り返しは戦術

最後に戦略とは何か、混乱しない様にまとめておきます。

 

戦略は「どう戦うか」と言う方向性ややり方の「選択」です。捨てて残ったものを選ぶか、真っ先に選ぶか

は好きなやり方で選べば良いです。

 

アイデア優先で(デメリットがあったとしても)割り切る事です。会社が小さな内はチャレンジャーですから。

デメリットは副作用と考えれば対処法も出てきます。

 

戦術は「繰り返し」です。インスタグラムを繰り返す、店頭接客を繰り返すなど日常のオペレーションを繰り返す

上で”改善した方が良い”ことが見えてきたらそれを工夫や修正、調整をしていく事です。

 

組織の人数が多かろうが工夫しないチームは進化しません。戦術は磨き上げるものですから工夫ありきです。です

からそう言う事は経営者が1人で抱え込まなくても良いのです。戦略的な判断が十分できていれば、日常の繰り返し

行われる事はチームに任せましょう。

 

戦略と戦術をトータルで考えて疑問や非効率な事に気付いたり体感したら、早朝か深夜のコアの時間帯にじっくり検

討してみて下さい。きっと良いひらめきやアイデアが得られるのでは無いかと思います。

ではまた次回

 

 

 

 

 

 

 

 

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