29:「対立解消へ4つの問題解決のアプローチ」〜結

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

今日は、前回の続きになります。事例の内容は前回の記事に載せてますので、そちらを

ぜひ参照ください。

「クラウド」4つのアプローチ

 

事例をもとに、ここまでで状況の可視化をすることができました。同じ目的のために選択

する行動が違うのは、それぞれの前提が違うことが分かりました。この情報をもとに4つ

の方向から考えていきます。

 

 

矢印の4つのアプローチ

①夫のアイデアを主体に考えてみる:同時に妻が懸念している副作用(ゆっくりしたい

やマイナス(子供の気持ちのケア)をどう打ち消せるかと考えます。

 

②妻のアイデアを主体に考える:同時に夫のアイデアメリットを取り込めないか考えます。

家の近所で、子供の気持ちに寄り添いながら楽しめる方法(場所)はないか?夫の前向き

な気持ちにも配慮してあげたい。

 

③時と場合によって:(今回の事例には当てはまりませんが、使い分けで両立する場合)

次回の連休の時には今回夫婦で考えたアウトドアとインドアのアイデアが活かせるかもし

れません。

 

④クロスする真ん中で考えてみる:妻と夫のアイデアを組み合わせを変えたり、トンチ

(ひらめき)で考える。妻と夫の意見どちらを選んでもさほど心が動かされないとすれば

斬新なアイデアを改めて考えてみる。例えば、子供の意見を聞いてみるとか。。今まで

考えなかった着眼を大事にする解決方法です。

 

このように、4つの方向から解決策を模索していきます。一つ注意点があります、いわゆ

る「ひらめき」です。

ひらめきによるところも大きい

アイデアというのはひらめきの場合が多い。脳の奥から出てくるピンと来たとか直感と

いうのは脳の構造上すぐに言語化できなかったりします。論理的な説明を過度に重視す

ると潰されがちな「ひらめき」は大事にした方が良いです。

ひらめきの問題は副作用の発生です。副作用はまた別に対応を考えます。副作用を見抜

く力のある方もいるのですが、この人の声が大きくなると全てのひらめきが破壊されて

しまいます。ひらめく人と副作用に気づく人はチームと考え、あくまでひらめきファー

ストのルールで運用するのが得策です。

ひらめきタイプと、すぐに副作用が見えてしまう人がいるのですが、それぞれ能力として

は優れていますが、どちらの能力やそこから出る意見が優れているかを競う使い方をする

よりもチームとして(どちらかというとひらめきファーストの方が)上手く行くという話

です。

 

このようにゴールドラット博士の「クラウド」を使えば、手付かずの状態から課題を考える

必要はないというのが最大の長所だと思います。すでに気にすべき前提が書き出され、それ

にチームとして共通の目的もある事が確認されれば、後は4つの方向からアイデアを組み立

ててみましょう。

 

その組み合わせのバランスが、どちらか対立している行動よりの方が合理的なのか、全く中間

で考えた方が良いのか?を吟味しましょう。

事例にあげた夫婦の解決策をこのようにまとめてみました。

夫婦が考えた最終案

・まず、夫が家族の前で仕事とは言え思いやりがなかったことを詫びる
・小学生の思い出づくりという夫のアイデアは残す
・現地でやりたい事は夫主体でなく家族で意見を出し合う
・アクテブ一辺倒にはしない、妻の負担が少ない行事にする
・子供とそれぞれがペアになってじっくり話を聞く時間をメインにする
(ボートやサイクリング)
・家族写真を撮り、働くパパに感謝する(妻と子供からのサプライズ)

いかがでしょうか?

 

本来は会社の具体的な課題で解説するのが良いかもしれませんが、生活者として一番

解決したいのは身近な関係ですし、そもそも良いコミュニケーションの習慣は職場で

も家庭でも活躍すると思います。

 

解説した内容は正統派のクラウドの使い方からはアレンジしている部分があります。

私が実用していてこうした方が良いと思っている部分が入っています。例えば「質問

の力」がキーになると思うので強調してます。また、アプローチの真ん中のトンチで

考えるよりも、どちらか側の言い分でデメリットを抑える事が現実的である事などで

す。

 

以上がクラウドを用いた対立解決手法です。

 

クラウドの図は頭の良い人はいつも自然に頭の中にこの図が描けているものです。そこま

で使いこなせてない人はこのフォーマットに得られる情報を落としこんいけば、話を進め

るべき方向は見えて来ます。

 

頭の良い人、直感に頼る人、慎重な人いろんな人がいて議論に巻き込んでいくには「可視化

」した方が良いに決まっています。見える化した上で共通の目的を確信し、双方の行動と前

提から副作用を炙り出せば建設的な討論の場が成立します。そうなれば議論について来れな

い人、感情に走る人も抑制しながら議論を進める事ができます。これは効果がありますので

お勧めします。

 

 

自分がもし若手の頃にこの手法を得ていれば、上司の意見がなぜ違うかを前提の違いと

解釈する事がもっとできていたはずだとよく思います。「だから課長はこういう前提が

あるから違う方法を選ぶんですね」と聞くこともできるし、「社長との意見の違いを考え

直してみて、第三の方法を見つけました。聞いてください」とも言えたかもしれない。

 

経営者からしてみれば、唯々諾々と指示に従われたり、全ての判断を委ねられるよりは

あえて反対意見を出してもらい「クラウド」でメリット・デメリットをしっかり比較

検討できた方が良いに違いないと思います。

 

ただ最後になって告白するが、これだけでは会社の課題解決には不完全です。会社の

問題を可視化するときに”なぜ”の5段回などで行うが。体験上なぜを3回から5回ぐら

いするとこの対立が見えて来ます。

 

 

ただこの下の階層にまだ大物が潜んでいるのです。それが「根本問題」と言われる真因

です。(経験上7〜8段目です)会社の課題の「根っこ」、これを根治しないと片付か

ないのは虫歯の治療と同じです。

 

このような取り組みにはなるべく当事者が全員が参加した方が良いです。なぜなら大事

なのは問題を取り除いたその後になるからです。関係者の意見を一致させていくのが、

その後の立て直しの際協力を得られやすいからになります。参考までに根本問題の取り

扱い方でした。

 

5回シリーズでキュレーションの勧め、コミュニケーションの勧め、もし課題があった

なら、その解消方法とご紹介させていただきました。

 

 

 

 

ではまた次回

 

 

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