33:「年明け雑感」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

本日は年明けの雑感を書かせていただきます。

Contents

ツヤとマットのバランス

マリソルの2月号ご覧になりましたか?「ツヤ」の力が必要だと言うテーマで、マットな

質感とツヤありのMIXコーデ特集になってます。経験上約15年周期くらいでウールタッチ

と合繊やレザーの艶感が交替してます。もしその端境期であるとすると、今年の秋冬の仕

入れには意識したいところです。

 

地方専門店様に聞いた話では秋冬は特にシーズン末の動向がそのまま翌シーズンにも来や

すいと言う事で、私の経験上もシーズン末の観測、特にAWは継続する事が多いと感じていま

す。参考情報ですがこのMIX感は注目です。スタイリングを考えると小物の仕入れが特に重

要になって来るのではないでしょうか?

ニューボーイズスタイル

マリソルに合わせて「ララビギン」2月号もおすすめです600円。すっかり定着した感のある

ボーイズスタイルですが、メンズ売り場の物色を読者に推薦してます。定番アイテムの小さめ

を狙いなさいと。

 

パンツに限ってはレディスをチョイス、後はほぼメンズで行けるとの内容、ユニセックス展開

のある売り場では興味のある顧客に、手に取りやすくしてあげるだけで効果があると思います。

 

後は、ボーイズコーデにはメタルアクセで光を取り入れると引き立つこと、断然革靴を合わせる

べき!など役立つ内容満載だと思いました。メーカーの展示会でも使えるアピールアイデアだと

思います。

新年の大御所挨拶

業界新聞見てますが業界経営者のインタビュー記事少ないですね!語るべきことが見つから

ないからではないのかといぶかってしまいます。そんな中で1月8日付の設楽ビームス社長の言

葉は明快でわかりやすく理解できました。

 

・売り切りたい小売(収益率が死活問題の上、サスティナブルまで求められるプレッシャー)

・売り上げ拡大(しか頭にない)デベロッパー

・(値引きでブランド劣化しようがお構いなし)個人データが欲しいECモール

( )内は私個人の注釈です。

 

ブランド、デベ、ECモールが三人4脚なら良いのだが、それぞれ違うゴールを考えている。

人口減少がはっきりしてきたのに商業施設はまだまだできる。(そのせいか、商業フロアが

お飾りの様な上層階フロアになってきてる気がするしますが。上層階の住人需要?)

 

同じ商業施設の改装でもパルコの様にトンガっていないと吸収やM&Aなどで生き残ってい

くこともできなくなるので、パルコの改装は中小の生き残りのモデルと個人的には感じま

した。設楽社長はAIを業界が導入して、平均点的な商品を作れば作るほど違いが無くなり、

(違いがなくなる事を日用品化、コモディティ化と言いますが)そうなった商品は必ず値段

競争になると見ておられます。確かに値段競争の果ては参加者がすべて儲からない構図にな

ると事は歴史が証明しています。

 

その価格競争の残り在庫をエネルギーにするので世界中でディスカウンターが盛況な上に(

ドンキホーテが強気な理由)、社会的に不要なものを適切な価格で再流通させるというサイ

スティナブルの錦の御旗も頂いた訳ですからボリュームゾーンはある意味活況です。

 

2020年はこの構図が進みトップブランドとディスカウンターの中間は消耗戦で存在が薄れて

という御見立てには賛同させていただく次第です。

 

(とあるコンサルの方が述べる2020年はレギュラー品を扱っていた会社が、リサイクル・中

古販売に参入が始まるという予想は確度が高いと思います。トップブランドになれなければ

下に下がるしか無くなる)

 

では、ビームスはどうするのか?という問いには「人」だと、かなり前から明確に発言され

てます。人ということでは地方専門店様にも共通した強みではないでしょうか?すでにビー

ムスジャパンという実績も出されてますし、お土産とトップブランドの編集でハロッズの様

なネクスト百貨店も作れるのではないかと、個人的には楽しみにしています。

 

中間層には江戸後期の賑わいが

大手はつらいよ

年末恒例の大間のマグロのTV特番が個人的なツボで毎年拝見してますが、環境の変化で皆が

食べていけるだけの魚影は無くなってきてる様です。大きな船を持っている人は大変です、設

備投資に雇用もあります、そういう船が一本釣りからはえ縄に転身してるというのが今年の映

像でした。

 

我々も多数の店や事業が中間層の市場で生活していると思いますが、苦しくなるのはまず大手

だと思います。大手でもバランスの取れてない大手。対処法は、弱点に合わせて全体を削り落

とすか、弱点を補強してくれる会社をM&Aするか。。苦しい戦いになりそうです。

 

商品消化の難しさに、商品の出し入れ作業だけ増えてキャリアが見えないという不満による労

務問題、売り上げのプレッシャーだけかけて来るデベ様、甘い声でクーポン発行を勧めるEC

モールと仲良くしていかなければなりません。2020年は「大手はつらいよ」というところで

しょう。

 

元禄文化の花開く

すべての悲観論の下は「人口減少」です。何をやってもダメだと思わせます、できるだけこじ

んまりとしたところですが、それでは借金返せないし年金も貯めてないから困りますよね?

 

人口減少の環境下でカルチャーが盛り上がった例は、江戸の元禄時代(歌舞伎、浄瑠璃)とサ

ッチャー政権時代のパンクロックぐらいです。同じ島国ということで、情熱の出方が多少違う

のかもしれませんが。。

2000年ごろに今の人口減少は予見されてましたので、その頃から江戸時代の例があるから日

本は大丈夫と言われてましたが、皆様足元の実感はいかがですかね?文化の花は咲いています

か?元禄時代も地震、噴火の災害が多く、政治も安定せず大規模な飢饉などもあり世情は暗か

ったのですが(パンクロックには向かわず)質素なりに江戸文化を楽しむ庶民がいたのです。

日本人は楽観的!

 

これからの中間層文化

1月10日の業界新聞に「マチャット」という読者モデル発のブランドが急成長していると出

ていました。百貨店でポップアップをしていると書いてありますので、実店舗のないD2C型な

のでしょう。

 

このブランドの売り規模はわかりませんが、他の同様なSNS経由で販売しているブランドは

大体1〜2億ではないでしょうか。組織だってないと在庫をもたない中で企画も限られると

そのくらいでメーカー機能(型数と奥行き)が付くと3〜5億を超えて来ると思います。

 

卸とOEM中心で(間接的な需要)販売しているメーカーの方には信じ難いでしょうが、聞い

てみると本当に驚く様な数字(直接的な需要)を出してらっしゃいます。

 

昔はこういうブランドが集まる館(109やラフォーレ)がありましたが、現在はポップア

ップという形態を出店側が望むので百貨店の方が平場活用で相性が良い様です。

 

「タイムアウト」が選ぶ世界で最もクールな街ベスト50に下北沢が選ばれた様に、海外旅行

者を合わせてですが町は賑わってます。また金をかけずに起業する若者(問わず)増えてい

るのですから、やりたい事、表現したことがある人にはチャンスは広がるのではないかと個

人的には期待しています。

 

業界新聞の新名店100選の様に(土地が思いっきり安い所で)面白い事をされている方は、沢

山いらっしゃいます。それに加えてSNSで昨日までの素人さんが事業を次々打ち立ててます。

(SNSは言ってみれば土地代がサーバー代で済むというリスクが低い構図)共通しているのは

フォロワーの多さでしょうか。言ってみれば「安い土地代にフォロワーの花が咲くところに文

化あり」!

 

一度身近な人のフォロワーを調べていくと思わぬ発見もあるのではないかと思います。

 

守る側になればとても窮屈な時代ですが、やりたい事をやる、前に進む人にとっては味方の多い

勇気づけられる時代だと思います。という事を考えている今日この頃の話でした。

ではまた次回

 

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