27:「会社にある対立」〜転

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

対立はどこにでも存在する

さて、本日のテーマは「対立」です。

対立と聞くと反射的に思い浮かぶのは「意見の対立」「人間関係の対立」あたりで

「派閥争い」まで妄想が広がる方もいるかもしれません。

 

 

今回の「対立」は人間関係を抜きにした「意見の対立」です。いわゆる二律背反に代表

されるあちらを立てれば此方が立たず、こちらを立てれば彼方が立たずという関係です。

「ジレンマ」とも呼ばれます。特徴はお互い正しいように見えることです。

 

例えば「納期を優先すべき」という指示と「コストを減らすべき」というのは両方とも正

しい指示です。しかし、時としてこれが現場で重なってしまうと「対立」になってしまい

ます。ぱっと頭の中に納期問題とコスト低減の施策が互いに干渉し合わない解決策を描ける

人もいます。

 

ただ、そういう方は少数ですし、解決策はその人の頭に中にだけ留まっていたりします。会

社全体を考えれば正しい考えと思えても、自分の担当部署の目先の目標には悪く見える場合

もあります。ジレンマ普通に存在してるのに、表立って語られたりしません。

 

しかし、じわりじわりとその影響は随所に現れてきます。ですのでこういう問題は誰もが(会

社のリーダーは)取り扱い方を知っておいた方が良いと思います。

 

感情が入ってくるともつれやすい

「対立」と言えども、納期やコストは会社であればよく出てくる課題の代表例であり、その

一つの組み合わせです。これがもつれるのは、つまり感情的な対立や争いになるのは「人間と

しての感情」が入るからです。

 

感情が入るのも仕方ありませんね〜人間ですから、自分が正しいと思えば誰しも発言に力が入

ってしまいます。

 

 

このように対立が解決困難に見えるのは2つの場合です

1、立場に基づく強い感情が入る、コミュニケーションのルール(台東などの4つの柱)が無

  視される場合。

2、課題が同時多方面に広がっている場合。会社規模が大きいと販売、物流、生産、宣伝、EC

  と多方面で同時に発生しており、複雑に見えます。

 

イヤホンのコードも絡まると簡単そうでなかなかほどけないものです。コード自体は一つの線

なのですが、多少の突起があるだけでもたつきませんか?また会社の中でそういう現象を見るこ

とはないでしょうか?簡単そうで解決しない。。

 

対立(ジレンマ)は健全でもある

以前、ある会社で「うちには対立は存在し無い!」と「協力し合う関係だから」という

理由でした。対立するのは”雰囲気が悪い会社”という意味では無いのです。堂々と自分の

考えを述べられるのは素晴らしい環境だと思います。対立の存在は健全の証拠だと私は

考えます。

 

波風立たないように表立って意見を言わない関係も「対立」なのです。腹の中は違うので

すから同じです。それを表に出せ無い事が問題だと思います。それぞれポジションがありま

すから、対立を表沙汰にするのは勇気がいるものです。

 

自分の解決策とぶつかる意見には、相手の考えを理解できない場合が多いです。

「なぜあの人はそんな事を言うのか?」そのように考えても相手の考えには思い当たら

ないのでしまいに「そう言う人なんだよ、あの人は」と妙な納得や相手へのレッテル貼

りをしてしまいがちです。

 

家庭でもそうです「あなたは頑固」「妻は神経質」と決めてかかりがちです。

会社でこれがしこると派閥争いのような対立になってしまいます。社長と専務、先代会長と

息子社長がいがみ合ってる、非常にもったいない事態です。今日はこの構造と発生について

解説したいと思います。

 

私が用いる思考の流派としてはトヨタ式の問題解決の系譜にTOC(直訳:制約条件の理論)とい

うのがあります。私はそこのジョナコース卒業生ですので、その考え方に属しています。

5つの対立

 

結論から言いますと、組織の中に起きる対立には5つの種類があります。

  1. 短期と中期
  2. 集中と分散
  3. 全体と個別
  4. 結果とプロセス
  5. 市場とマネジメント(ルール)

 

この対立で奪い合うものは総じて3つです

  1. お金
  2. 時間

 

解決法も大きく5つに収まります

  1. 強制
  2. 服従
  3. 回避
  4. 妥協→交換・分配
  5. 協調→創造

 

解決策は、上記をパターンで当てはめるわけではありません。少し複雑ですので次回の

テーマにしたいと思います。

本日は対立の構造、5つを説明します

対立の例

 

⑴短期と中期

これが最も大きな害をもたらす対立だと思います。会社組織ですから利益の最大化を

目指しているのですが、短期的利益と中長期の利益は対立することがあります。

ケース1)

短期の利益:拡大販売をする

中長期の損失:あらゆるところで販売され希少性が失われる

 

ケース2)

短期の損失:人を採用する、教育費用を掛ける、インフラに投資をする

中長期の利益:人が仕組みを支え競争力に繋がる

 

それぞれのケースを自分の立場に当てはめていただき、こういう議論が社内に起きたらど

のように会議をリードされますでしょうか?正解はないので想像だけしてください。

 

⑵集中と分散

海外の投資家が好きな言葉ですね。「ダメな事業は見切って成長の柱に集中しなさい」

 

ケース1)

集中の利益:利益が出ている事業に集中する

分散の利益:未来の成長の種を見つけないと時代の変化に生き残れない

 

広告をSNSに集中させるとか価格帯を絞るとか言う議論にも「集中と分散」の議論は

現れます。

 

⑶全体と個別

サプライチェーンのように横連携であるか、上下の縦連携で組織の中ではお互いが

仕事を分担して行いますが、各自の目標設定は「個別」になりがちです。会社全体の

利益が大事なのか、個別の事業や仕事単位で評価されれば良いのか?「全体か個別か

」の議論は他部署にまたがる複雑な業務フローや社内の連携を行う局面で出てくる対

立です。

 

例えば、EC部門と店頭部門、評価は売り上げである場合にそれぞれが売れ筋だけを

追いかけ、多くの死に筋在庫が放置されていると言うような場合です。

 

⑷結果とプロセス

例えば、優良顧客を多く得るにはその手前の見込み客が必要です、顧客獲得が結果とす

れば潜在顧客を集めて見込み客のフィルターを掛ける段階はプロセスになります。あな

たはどのように部下に指示しますか?

結果が出ればプロセスは問わない?

正しいプロセスがないと正しい結果は出てこないと解く?

 

潜在顧客 → 見込み客 → 顧客

 

結果を求める部長と、プロセスの大事さを部下に伝える課長というふうに意見が分か

れたりしませんか?鶏と卵のどちらが大事だ!という古典的な議論でもあります。

 

何事も、このようなプロセス、手間、いわゆる準備という段階があります。この問題が

会社の中で大きくなりがちなのは人事評価が絡んでくるからです。日本の人事評価は(

大手企業の例えになりますが)戦後は一貫して人間能力主義の考え方でした。新卒でま

とめて採用し、いろんな仕事をさせながらスキルと道徳を積ませオールマイティな管理

者に育てるやり方です。

 

時間をかけて育て上げ、大量の同期入社からエースを選んでいくやり方で、教育費用を

かける分長く働かせるよう給与の一部を退職金として積み足たせ最後までいないと損と

いく仕組みでした。

 

しかし、ご存知の通り90年代以降のグローバル化で時間をかける教育は不利になり、富

士通が先駆けて成果主義を取り入れましたが目先の数字を評価を優先する弊害は思った

より大きく出ました。古き良き同期を中心に助け合う美徳やチームワークが軽んじられた

からです。

 

現在の日本の会社には、2000年以前のウェットな人情人事と、以降のドライな成果主義が

混ざってます。だから会長と社長で違ったりします。チーム評価を優先するのか、個人の売

り上げなのか。。などなど現場の悲話は尽きないのが現実です。(中期と短期の議論もこれ

に絡みやすいです)

 

 

⑸市場とマネジメント(ルール)

例えば、アパレル会社に強いコンプライアンスが存在するとします。アルバイトの暴走を防

ぐためにSNSの発信を厳しく取り締まるうちに、SNSの市場での成長が進み発信力の弱いブ

ランドが市場から取り残されてしまった。臨機応変に市場に合わせるのか?いやいやルール

は不変だ!市場が変わろうとも当社は変わらない!と考えるのか。。

 

いろんなケースがありますが、そもそも起業直後の不安定な時期に市場を無視することは

無いと思います。市場は絶対ですよね。しかし、ルールが強くなるのはある程度成長して

からです。成長して勝ち組だと意識するようになると「勝ちの方程式」などが語られ始め

ます。

 

「こうやれば上手くいくんだ!」という金言が定められるとそれがルールに昇格するの

です。多くの場合、今まで勝ち組であった自社の強みが市場の変化で”弱み”に変わった

時に、この対立は発生します。

 

「バブルの時に先代の教えを守り不動産には手を出さなかった」というような話もあります

が、こういう事例は100年に一度。もっと身近に起きる市場とルールの対立は「何かを捨てな

ければ変われない」という時に出てくる、捨てきれない議論が代表的だと思います。

 

 

対立は解決しないと気持ちが悪い

ジレンマ解消の結論は「見える化」です、それが1番の近道です。

頭が良い人は、頭の中で「可視化」を行うので、ロジックとして考え流事ができます。

しかし、頭の良い人のジレンマは自分のとっては当たり前の解決策を他人が同じように

考えてくれない、理解してくれないことです。

 

多くの会社のトップやナンバー2が悩むのはそこです、共有したい事が共有できず現場を

巻き込めないことです。次回紹介する解決手法はエリヤフ・ゴールドラット博士が開発し

た「クラウド」という手法で、誰でも取り扱える技法で会社や教育現場でも使われていま

す。(一般にITデータを扱うクラウドは別物です)

 

教育現場で使われるということは、皆様の私生活の課題にも応用できるということです。

いろんなジレンマは距離が近い人との摩擦ほど心に堪えることは無いですよね?

次回をお楽しみに

 

今回のテーマは全4回の構成です

 

・キュレーションで今後は乗り切っていく

 

・それには対等な人間関係はできているか

 

・対立の構造は理解されコントロールされているか

(今回)

・対立はこのように解消させる(次回テーマ)

 

よろしくお願いします

ではまた次回

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