51:「1ベスト・1ベター・3アベレージ」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

とりあえず全国自粛解除おめでとうございます。やっと深呼吸できそうな感じです。過去の災害事例から

推測すると足元の需要はそれほど酷くないかもと推測してますが、(各社ECは伸ばしてますから)ただ秋

物が始まらないと消費意欲減退の疑惑は晴れないでしょう。

 

 

月額3000円程度で開設できるネット通販サービス「カラーミーショップ」の4月流通量が1.7倍、口座

開設数が前年比2倍だそうです。自営業も副業を目指す人も一斉にEC販売に参加している模様です。「と

りあえず水のあるところに釣り糸たらせば何か反応あるだろう」というところでしょうか?

 

しかし”釣る”という表現(発想)が良くないですねww 。顧客が店頭で見て、ネットでさらに自分の欲

しいものを絞り込んでいるのだとしたら、(両方見る方の購買意欲が高いことはわかっている)ECで”売

る”という事にこだわるより、選択の助けになる情報を盛り込んであげた方が役に立つのかも知れません。

 

例えば、モデル着用写真を掲載する場合は、モデルのサイズをより詳しく伝えるのは大事です。着た感じ

であるとかをより詳しく伝える。。参考になるのはベイクルーズのサイト、サイズ表現が細やかです。

 

自分が買う側に回れば分かることですが「確実に自分にも似合うであろう」という確信が欲しいものです。

 

 

「釣る」という発想の方は、釣竿が多い方が良いということで、商品を何百型もネットサイトに掲載するのが

効率が良いとお考えではないでしょうか?ドンキホーテのような商材量を露出させると確かに瞬間的に盛り上

がります。単価が安く物であれば衝動買いし易い商材はそういう演出でも良いのですが、情報過多がすぎると

多すぎて選べない問題も出て来ます。

 

どのくらい載せると情報過多になるのか。。という判断は難しいです。このブログも私が熱を込めてww書い

てますが、多分読んでいただくには現状の2割は文字数をカットして4000文字程度に要点をまとめるべきなの

です。皆さん忙しいのですから。じっくり調べ物をするのならば情報量は必要ですが、読み流してもらうには

情報過多は逆効果だと分かっていてもついついオーバーしてしまいます。

 

そのように情報のバランスは難しいのですが、地方小売店様の場合、情報の広がり(型数、文字数)は絞っ

た上で深み(知りたいポイント、要点)を与えと方が良いと思います。通常の問い合わせで多い内容は「

サイズ」に関する事だと思うので、例えば体型の違う2名で撮影するなど情報地峡できれば、情報に”深み”

が出ると思います。

 

手間は増えますが、そういうことをしているサイトは少ないので差別化にはなります。メニューの数は少ない

定食屋でも食べ易い工夫で提供してくれる方がお店の愛情を感じます。

 

今日は商業界の古い本「販売心理学93の法則」を参考にして何が自社の強みなのかを直感的に捉える、とい

うテーマでまとめています。アフターコロナに向けて自社のどこを磨いていくのが最も効果があるのでしょ

うか?読み流してください。

Contents

強みを磨く→ハロー効果

あなたのお店の1ベストは何?

ハロー効果とは光背効果とも呼ばれます。あの人はオーラーがあるとか、後光が差しているなんかの感じで

す。強烈な得意があると、人はその様に敬ってくれます。鉄人・名人・有名店と呼んでくれます。

 

まず第一の質問は「皆様の店で最もオーラを発しているポイント」は下の5つのうちどれでしょうか?

 

①商品価値(鮮度・感度・希少性・機能・ブランドバリュー)

②利便性(店舗数・アクセス・営業時間・坪数・スタッフ数・品数・駐車場・EC)

③サービス・ホスピタリティ

④雰囲気

⑤価格

 

ライバルに勝るものはあるのか?

一言でライバル店に勝るものはありますか?そもそもライバルを気にしたことがないかも知れません。他

店と直接争っているわけではないので、比較する事にこだる必要はありません。

 

しかし、全体のパイが決まっている(アパレル総売上約9兆円)中で自社の売り上げが上がるということ

は、結果的にどこかの他店の売り上げを取らないといけないわけです。顧客化するというのはそういう事

です。少なくともお客様の中での比較は存在します。

 

この時点で、得意がはっきりしているならば、この後は読んでいただなくても大丈夫です。進む方向が決ま

っているならそちらへ突き進んでダントツの強みにしてください。

 

組み合わせてみるとタイプがわかる

上記5項目を3つの区分に分けてみる

1 ベスト

1 ベター

3 アベレージ

 

もし、1ベストと言い切れないのならば、逆算的にあまり自信のない項目を3つ選べば、残りの2つがベ

ターとベストの候補になります。今現在、オーラーを放つというレベルにはないとしても、その2つが自

店の潜在的競争力と言えます。

 

「ベストが価格」の店

これは量販店などがすぐ連想されます。無印の前身は西友の「訳あってこの値段」キャンペーンから始まっ

たプロジェクトでしたから、値段を主張することが品がないわけではありません。現西友の「プライス・ロ

ック」は定番品は価格を守りますという安売りとは違う利便性を顧客に提供しています。

 

単純に安ければいいと言うわけではありませんね、その伝え方、感じていただける方法も含めて強みにして

いるかです。

 

「ベスト1が商品」の店

とにかく品がいい、信頼できる。またはそこに行かないと買えない。信頼という意味ではドラッグストアも

医薬品ですから”信頼”がキーワードですが、商品の差別化ができないので、より利便性の高い立地に出る事

が競争力になっています。マツモトキヨシは利便性のある立地は家賃が高いので、2階に回る通路を売り場

にしたりしています(2階への回遊を誘導して家賃の高さをカバーする)。

 

 

 

限定品を確保するのが良いのでしょうが、ネットがある以上限界はあります。ストリートやコレクションな

どニッチに得意を絞り込めば競争力は上がりますが、一定の顧客確保が必要です。商品とかけて何と解くか

の発想で、薬局のように信頼と解くか、機能性・耐久性など用途を絞り込むなど発想を広げていくのも一つ

の方法です。

 

価格と同じように「商品」から発想を転換させていって、そこにお客様の需要があるのが大事になります。

ネット限定品というような表示を見ることもありますが、ネットに限定して何かお客様にとっては得するの

でしょうか?他店との差別化や、自社の思惑のためだけの目的では顧客との信頼を減少させる事に注意すべ

きです。

 

「ベストが雰囲気」の店

雰囲気が良い店は高級店のイメージがあります。皆様が高級アパレル、高級飲食、高級カフェではどこをイ

メージしますでしょうか?。フレンチレストランなども客単価が高く総じて高級、雰囲気もあります。その

ようなお店は固定費が高く損益分岐点も同じく高めです。ラーメン店のように頻繁に入店もないでしょう。

 

 

ですので、こういう店は”ワイン”のように単価と利幅が取れる商材が必要だったりします。メンズセレクト

にシルバーアクセサリーの相性が良いのと同じです。かつてはメンズスーツも利幅があるので重宝しました

、こういう脇役の発見が名バイヤーの腕の見せ所です。

 

 

雰囲気を売りにしてるカフェといえば、スターバックスがありますが、世界から選りすぐった高級豆を使っ

ていると考えれば「商品をベスト」カテゴリーに入りそうですが、こちらのコンセプトは「第3の居場所」で

すので、サービスよりの雰囲気となります。高級豆を使っている喫茶店は多いわけですから、商品にプラスし

て雰囲気がある(くつろげる)のは良い競争戦略と言えます。ルノワールやコメダ珈琲も同類でしょうか。

 

 

このように見ていくとベストとベターを組み合わせたり、ベストからアイデアを派生させるのも十分に競争戦

略になることがわかります。そのようにアイデアをつなげていくとお店独自のストーリーになっていく可能性

がある事に気付きます。

 

しかし、その話をする前に自店にベストが見出せない方にヒントになる話をさせて下さい。

 

1ベストがあれば勝ち抜ける

勝てるところを探す、何かで1番になる

何かのカテゴリーで一番になる魅力は、「名前を覚えてもらえる」事です。アベレージは3つ選べてもベター

やベストが出てこないお店は地域の人から見ても”存在が薄い”はずです。クラスに居たけど、名前が出てこない

というのは商売においては致命的です。お客様が「店名」で読んでくれてこちらは「お名前」で呼びかける関係

が目指すところなのですから。

 

地下アイドルが成立するのも、少数のファンだとしても彼らのNo1になっているからです。その為には個別対応

のファンサービス(個人名で話しかける等)をしてるはずです。大きな客層でなく特定の客層の1番になること

が生き残りの必須条件です。(規模の拡大と生き残りの優先順は間違いなく生き残り優先です)

 

以前聞いた地方専門店の話では「割と裕福な農家が多い地域で、子供を都会に出さずに親元に置いておきたがる。

子供は都会に行きたかったからそういう暮らしぶりに憧れている。彼女たちの望みは雑誌のグラビアに出ている

商材全て試したがる。都会なら自分で直営店を回れるが、田舎では全部店に入れてくれとお願いされる。」という

話でした。

 

 

このお店ではそのリクエストに答えていると仕入れ先が広がって仕入れの効率は悪いのですが、客層を絞っている

ので商品が残ることなく繁盛していました。お客様との会話で「何を望んでいるか?」がわかれば、そしてその期

待に答えられれば記憶に残る店になれるでしょう。

 

 

大きなところには嫉妬をしない

先にも書きましたが、身近なところと比べない事です。つまらない競争に走るうちにお客様の要望とは別の方向に行

ってしまうからです。

 

例えば目先の売り上げに嫉妬する。同じフロアーに出店していれば売り上げもわかります、フロアーマネージャーに

「今月は負けてると」と揶揄されればイライラするものです。次第に「相手は汚い手を使ってる」「うちの真似をし

ている」「販売員を抜かれた」とエスカレートして来ます。これは不毛なので避けましょう。

 

また大きなところと自店は比べません。大きなところの戦略は横綱相撲、規模を活かして正攻法で押してきます。し

かし比べるべきは全体ではなく大手を比べて勝ててるポイントを探した方がよほど”健康的に”闘争心を上げることが

出来ます。小兵力士には違う戦術があればいいのですから。大手には(体格・規模の威力に)憧れつつ部分(技・ス

ピード、小回り)で挑戦していく。

 

一方、ローカル同士のいがみ合いは不健康になること間違いなしです。

 

挑戦の幅を見出す

例えば、こんなストーリーを想像してみてはどうでしょう。

中学の頃、学校で1番の足が速い子が進学するにつれて、短距離で記録を出していくには自分の才能はそれほどでも

無いことが分かりますが、しかしその後その走力を生かして幅跳びや棒高跳びで才能を見出す。

 

自分の良い素質にもう一つ違う努力を組み合わせてみる。レバレッジ(掛け算)プランです。

 

弱者はベストとベターの組み合わせでストーリーを作る

掛け算で強みを出す

自店のベストとベターに自信が持てずに、消去法で選んだ場合。創業期などはお客様も少なく自信もないし、自分の

魅力を声高に名乗るほどにも感じません。それは我々のようなコンサルタントを目指すも者も同じです。「どこが他社

と違うのですか?」

 

以下参考までに、組み合わせは20通りできるので、自店のストロングも組み合わせると別のアイデアが何か閃くかもしれ

ません。もちろん顧客満足が前提です。スタッフとのMTGで使うと面白いです。

 

ベスト✖️ベター :アイデア

商品✖️価格   :予算コーディネート

利便性✖️サービス :御用聞き、フィティング予約

サービス✖️商品  :修理、メンテナンス、サイズ補正

雰囲気✖️サービス :特製お届けBOX、カフェサービス(マイカップ)

価格✖️利便性   :レンタル、リユース

最後に字数を確認すると「4878文字」でした。やはり2割多いです、精進します。
ではまた次回
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