こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?😀

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1、OEM営業の地獄

今日は、とあるOEM営業マンの告白を聞いてきたのでまとめてみました

OEM営業、特に商社でもない中小メーカーさんの場合、工場とクライアントの間で薄利販売

になりがちです。

 

ご自身のブランドを持つわけではないですから、工場と発注者との間に入って、聞こえは悪い

ですが何でも屋になりがちです。

自ずと手数料収入になるので、量を求める営業を行います、量を出すところに営業に向かいます。

 

だいたい量を出してくれる先は限られてます、チェーン店で郊外SCが主力になります。

量を出してくれる先は、まとめることでコストを下げる意図が強いので、そういう先のオーダー

をとればとるほど厳しくなります、今ままでは何とかなってきた。

 

営業としては、オーダーは欲しいけど、気を許すとあっという間に赤字です。

受注しても、品質問題、納期リスクも背負いますから毎回命がけです。

営業マンもレップ的な契約であったりすると、多少無茶でもリスクはとるようになるわけです。

昭和のTV番組で、芸人がワニの檻に入れられるバラエティーがありましたが、覚悟を決めて

商談に向かうそうです。

地獄と表現したのは、その証言者の表現なのですが、「最近一気に苦しくなったんです」と、

「どこに営業に行けば良いんでしょうか?」と嘆いてました

2、店頭価格切り下げの圧力

「最近急に苦しくなっている」理由というのは、どうやら店頭価格の切り下げのようです。

特に平均5000円以下のベターゾーン

3〜5年前まで布帛で4000円〜5000円で展開していたチェーン店が、今では3,000円〜4000円

台に切り下がっており、そういう場合下値の3000円台は当初はスペシャル的目玉の扱いだった

のが、もはやスペシャルの連発となってしまっているそうです。

 

数年前から2000円は上代が落ちてるのですから、そんなことをしていれば3000円台も危ういの

です。5000円以下はしまむらさんが得意なゾーンでしたが、上のゾーンが落ちてきているので、

諸費者は比較検討先が増え、玉突き的な影響が出てきてるんだろうなと個人的には見ています。

 

3900円と2900円の物作りにはずいぶん差があるそうで、2900円を作るのは、既存のOEMメー

カーだけでは無理があるそうで、新規OEM先探してももたいがいのメーカーは作れないと言う

ので、そうすると残る手段としては「極端に素材を落とすか」「現物買い」だけになりますよ

ね?(経験論ですけど)。

 

現物買いは中国か、韓国の在庫を市場で買うか、またはバッタ品を買ってネームを付け替えるか

です。新聞ではバッタ屋さんがサスティナブルの救世主的扱いですが、背景にはベターゾーンの

値崩れがあると思います。

 

ブランドという価値を提案しているのに、店頭価格が下がっているということは、顧客との対話

がもはや成立してないんだと思います。

 

と、前述の営業マンとここまで話したのですが

既存の”チェーン店という店ありきのビジネスモデル”はもはや終焉かなと、、

外資系ファストファッションが撤退して一息つけるというわけでもなさそうな感じかな、、

と決め付けがちなんですが、この惑星の(業界の)しぶとくて素晴らしい所は、新手のビジ

ネスモデルが出てくる所ですね。

3、直営店を持たない新勢力

先日の新聞に出ていたメーカーさんでセレクトモカというブランドがあることを知りました。

これぞ新戦力と感激しました。

福岡のミスアイディ、EC専業でファン伸ばす」

記事によると

Instagramで顧客をつかんでいるそうです。

直営店はなし、自社ECとZOZO展開

 

フォロワーがもうすぐ大台の約10万人!

特徴はIGTV(ライブ配信)35件もUPされてますね!

記事によると、新作は月に60型上げるが、それをライブ配信で定期的に発表している。

「定期的」これミソですね、顧客からは時間帯が決まってることでアクセスしやすく、しかも

新作発表なのでワクワクして待ってくれてますね。

 

しかも、”作ったデザイナー”自ら新作を紹介してもらえれば臨場感も増します。

レストランで料理長自らメニューの説明してもらえるとテンション上がりますよね、飛行機

で機長のアナウンスを聞くと安心感が出るのも似た効果だと思います。

 

まして、この配信時間帯を顧客のカスタマージャーニーから割り出しているならさらに素敵です。

ダイレクト・トゥー・カスタマー(D2C)が成立するのは、このようなライブメッセージが出せる

ことがキモになると思います。

 

D2Cとpop-up storeがあれば直営店なくてもここまで行けるというのが目に鱗でした。

(在庫の持ち方が問題になると思いますが、それはインタビューする機会があれば確かめてから

コメントしたいと思います)

今の時点では、生産面で問題にしているのは、在庫よりも納期だと考えます。

 

ここのホームページ見てもう一つ感心させられたのは、「プレオーダー」です。

プレオーダーなら5%引きのようです。これで成立すれば、バルク生産の余裕はありますし、何

よりシーズン前に手応えがわかるので過去データの反響度と比べればリピート体制も組めます。

 

ライブ配信でプレオーダーが取れれば、いわゆる展示会と同じことができてしまうのです。

でも、卸先と同じタイミングで顧客が見れれば仲卸する意味はないですけど。

複数店舗以上ある地方店はライブ機能使えば、バイヤーの説明に対して店舗店長が数入れリクエ

ストが即時できるでしょう。

(下記ライブ配信の様子:Instagramより)

見せていただきましたが、1回で8〜10分程度(長いと脱落が増えるでしょうから)

2〜3コーディネート、ちょうど予約や買いの決心がつくぐらいの時間(TV通販と同じ)

たまたま私のウッチリストに入れさせていたいている3軒のライブ配信。

左上、大阪の個店さんで再生数400

右上、セレクトモカさん再生数約2000

左下、神戸のお店再生数約7000

皆さん努力されてます、生き生きしてます、楽しそう。

インスタ等は顔出しが嫌だと躊躇してされる方もいますが、やらないのはあまりに勿体無

いです!

4、女性オーナーが調子が良い?

女性オーナーだから調子が良いというよりも、女性オーナーとSNSは相性が良いのでしょう。

また女性オーナーは良いと思えばすかさず実行する(タイプの人が多いと思いませんか?)

行動して結果がついてくるSNSとこれまた相性が良い。

 

色々紹介させていただいてるSNS系の好事例ですが、だいたいデビューから3〜5年という共通

点がありまして、

アイフォン発売が2007年

twitter日本法人設立:2011年

Instagram日本語アカウント開始:2014年

だいたい2010年前後のサービスが5年後くらいに花開いています。

ビットコインもそのぐらいの時期ですね。

 

大手企業でも新規事業は上手くいかないケースが多いのですが、新規事業の問題点は

撤退費用がかさむことです。社内プレゼンであれこれひねくっても、市場に出して見

なければわからないのです、という事は新規事業を当てるには手数が必要なのですが

撤退費用が大きすぎるので、手数が減ってくるのが一般的だと思います。

 

それが出来ているのがInstagramからD2Cに育て上げる手法ですから、素晴らしい!

(撤退費用はかからないが、育てる時間が掛かる)

・5年前、そのぐらい前に始めていた(当時は参考例は少なかった)

・ものになるまでこれぐらいの時間はかかる(フォロワーを育てる、投稿する)

・ストック型の経済は母数ができると伸びる(ファンクラブ運営と同じく)

5、ファロワーの育成が最大のミソ

インスタグラムの教科書を紐解きますと

SIPSモデルというのがあります

  1. SYMPATHIZE :共感する
  2. IDENTITY:確認する
  3. PARTICIPATE:参加する
  4. SHARE&SPREAD:共有・拡散する

の5ステップです

1のシンパシーと2のアイデンティの段階は、Instagramで顧客と出会って、情報の

確認を行います。

3の参加するはライブビューなどが相当するでしょう

今回のケースで発見したのは、4の共有・拡散のプロセスでZOZOのサービス「WEAR」上で

行われているということですね。

 

「WEAR」で調べてみますと

セレクトモカさんで15259コーデ:3856名のユーザー登録

(知り合い某メーカーで643コーデ:12ユーザー登録)

4000人のファンが自撮りをUPしてくれているのがブランドエネルギーの原点だと思います。

ファンクラブがいかに大事かは芸能界が証明していると思います。ファンを裏切らなない

定期的なコミュニケーションのキャッチボールの成立が「最大の肝」ですね。

 

冒頭に自虐的営業マンの話をしましたが、こういうエネルギーがない、すでに枯渇してるの

がわかってる先に営業に行く方がセンスが無いわけです。

インフルエンサーと商売した方がよほど賢い、わざわざワニの中に行くなんて営業じゃなく

リアクション芸人として生きたいのだろうと、今後はほっておきたいと思います(ww)

 

余談ですが、このサービスをZOZOが持っている以上、多くののブランドは離れないですね。

「wear」はサービス開始から過少評価されていると思います。先ほどのライブ配信による

バーチャル展示会もWEARそうですが、クラウドのような情報共有できるサーバーシステムを

どこで持つかで(アイデアを含めて)多様なデジタル改革が行えると思います

こ期待できる今後も続々とD2C

勉強不足なので、いちいち驚いてますが、D2C企業は他にも色々ありそうです。

(現時点で調査不足)

定義としては、直営店を持たないというビジネ

から出店へと出店へと、館の要請もあり切り替わるケースが多そうです。

 

そうなると、出世魚(ワカシ⇒イナダ⇒ワラサ⇒ブリ)のように、「あそこはイナダ(D2C)だ」なんて

呼ばれるかもしれませんね。ww

 

前のブログで「ニュースが少ない」と書きましたが、直営店という形でニュースが出てこな

いので、SNS見てないとD2Cブランドの情報を見逃してしまうんだ!と強く感じました。

OEM営業マンに「チェーン型に営業しても無駄だ」と言ってる私も見えてませんでした。

これから取材意欲が湧いております

5、まとめ

D2Cメーカーさんを見て勉強になった点は

  • 消費者の細切れの時間を使っている
  • 手を出しやすい価格帯
  • 参加者、ファンとしての喜び
  • シーズンでまとめて型を出さない、定期的
  • (多分)得意な素材を決める
  • プロパーで売る
  • 過度なクーポン、値引きに陥らない
  • デベロッパーの家賃プレッシャーがない
  • ブランドを上げるキャンペーン

そして何より

「ブランディングという工夫」と

「カスタマージャーニーで顧客を育てる努力」

の両立素晴らしい目標が出来ました、ぜひ知り合いのメーカさんと後を追いかけたいと

闘志を燃やしてます。

(コメントは私個人の妄想ですので、事情通の方から見ればお門違いかもしれませんが、

あしからず)

ではまた次回

 

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