59:「事例(2)一生懸命だが効果が出ない会議」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

さて御社で会議はされてますか?

会社で人が集まるのには目的があります。何かを伝える、報告する、新たなルールを共有する、確認する

、問題を提議する、課題を話し合う。。などなどいろんな場面が想定されます。どの会議(ミーティング)

も詰まるところは生産性を上げるためにあります。

 

 

人が集まるミーティングや会議は日常的によくある場面ですが、意外に何のための会議なのか定義されてる

事は少ないと思います。つまり何のためにする会議なのかが決められてないのです。レジュメは(議題)挙げ

られてますが、幕の内弁当のようにいろんな種類の議題が盛り込まれており、参加者の興味が湧く部分だけ

盛り上がり。。と言うふうになっていると思いませんか?

 

 

昔パーキンソンさんが書いた法則がいくつかあるのですが、その中に「議題の一項目の審議に要する時間は

、その項目についての支出の額に反比例する」と言うのがあります。

 

 

金額の高いシステム投資案件へ質問したり口を挟む参加者は少なく、それが支出の安い交通費精算や日当の

話になると途端に議論が紛糾するぐらい活発に意見が出されると言うものです。人は関心のある議題だけに

注目するので、そのうち何のために今日集まったのかわからなくなってしまいます。

 

 

安心してください、大抵そうなのです。w

 

 

本来なら経営陣が加わる会議運営は経営企画の仕事になりますが、そこそこの規模がないと経営企画の部署は

ないでしょう。中小企業では社長自ら議題の設定をしている会社も多いでしょう。

 

そこで、今日のテーマは、そんな場合でも困らないように簡単に会議の定義を決めてしまおうと言うものです。

 

Contents

何でも詰め込んで話そうとすると。。

 

5名を超えるととても阿吽の呼吸では行えない

会議の内容に合わせて時間を作ってもらうか、皆が手隙の時間に集まるかのか?と言う事で悩む場合があります。

優先順位が高い方はどちらでしょうか?それは会議です。チームで行なってチームで成果を出しているのですか

らチームの意思疎通を図ることは重要です。

 

運動会の競技のムカデ競走や二人三脚でも声を掛け合いますよね?団体競技は意思疎通の確認は重要です。

小さな会社でも大きな会社でも一つのマネージメントユニットの上限は5〜7名です。やはり5人以上は目

が届きにくくなります。ですから50人の会社では7〜10のユニットに分かれて行動しています。

 

それら10のユニットが業務が重なる事なく、尚且つ隙間が大きくならないように生産的に行動するには、そ

れぞれのポジションや進行状況の確認が必要になるので、それに合わせて会議が開催されると思います。

 

それぞれの忙しさの主張や、会議の必要性の疑義がで始める

大きな会社でユニット毎の評価で給与が決まっていると、だんだん自分たち優先の発想になって来ます。すべて

のユニット全体ではなく、自分のユニットミッション優先の考えが芽生えて来ます。

 

この考え方が暴走しない為にも会議自体を全体感を掴める場にする必要があります。またそれぞれの時間への要

求に答える為にも簡潔な内容で短時間で収める工夫が必要になって来ます。

 

気がついたことから話始める

ただ、実情は議題がすべて優先順位が決められているわけではありません。議題自体も”何となく”緊急事態と思

われる内容です。日常に突発的に起こる緊急事態が優先されがちです。会議を夫婦の会話に見立ててしまえば、

2人とも大事な話は落ち着いた時に、時間のある時にしようと思いつつ(なかなかそんな時間はなく)今日の予定

や頼み事を伝えあって終わるようなものです。

 

いつ終わるかわからない様な相談事は避けたい。。とかw

 

会社全体の根本的な問題などは、何年か毎に棚卸していないとピックアップ出来ません。それは中期計画立案の

タイミングですが、実情は難しいところです。(やろうとするほど大きく時間を使うので、その調整が難しく、

少人数で済ましたり外注に出す)家庭でも子供の教育進路や親の介護など、先送りされやすい話題はありますよ

ね。

 

つまり、大概の会議は目先の優先、緊急で議題が集められると言う事です。これが実情の一つ、もう一つよくあ

るのは社長が意識を集中してもらいたいと思うテーマとそこに社員の興味が重なるとは限らない事です。数字の

問題が代表例ですね。

 

 

社長が熱をこめるほど社員は引く関係?

経営者の方とお話をする時によく感じるのは、リーダーシップとフォロワーシップの隙間です。リーダーシップ

のイメージは背中で引っ張る画です。密林や荒れる海の彼方を見つめ、進路を決め断固とした決意で進んでいく

経営者の情熱を感じます。

 

一方でフォロワーシップの言葉から期待するのは、お餅つきの風景。餅を搗く人と返す人の関係性。あうんの呼

吸でリーダーに付いて来て欲しい。フォロワーシップにはリーダーへの尊敬と忠誠が含まれています。リーダーの

気持ちを察してフォロワーとしてすべき事をしてもらえればそこに両者の「隙間」は存在しないはずです。

 

 

リーダーは背中を見せて引っ張っている、期待するのは振り返ればそこにチームが付いて来てくれている事。なの

に振り返って誰もいない時に味わう絶望感ほど経営者を萎えさせる事も他にないでしょう。

 

この社長と社員の「隙間」を発生させない為には、No2の役割だと以前の記事で書きました。

 

この「隙間」は、見た目ほど悪いものでは無いのです。創業者の偉大さやオーラを従業員は感じていますので、恐れ

多くてと控えめに距離をとって付かず離れずなのかもしれません。しかし、これは経営者から見ると非常に寂しく、

悲しいものです。

 

ここは、(No2に頼りたいところですが、大抵の場合はいないので)従業員に目線を合わせて伝達のばを3種類に

分けてみましょう。伝達の工夫です。それが本日の提案になります。

 

伝える事に主眼を置くべきだ

3種類に議題を分ける

会議を3種類に分けて見ましょう。

会議をTV番組に例えると

1、5分で終わる朝のニュース、簡潔明瞭、事実だけ

2、30分のサザエさん、主人公も同じで、大体同じ展開

3、ゴールデンタイムの特番2時間たっぷり、特定のテーマ、専門的

下記の本に素敵なヒントがありました。
会議の種類を大別すると3つに分けることが可能で、その「定義(目的)」は日常で見ているテレビ番組に
例えると分かりやすいのです。
朝のニュース

大事だが見ればわかる(資料に書いてある)事に時間をかけない。発表者がニュースキャスターの立場で(

つまり偉い人がニュースキャスター役だと)会議の進行をすると、聞き手である従業員は静粛に聞かなけれ

ばいけない事になります。

 

ニュースキャスターは参加者の聞く姿勢や態度が気に入らないといちいち激怒します。しかし、数字あれば

過去形の話です。朝のニュースで事故や事件、政局の話をしているのと同じです。数字を聞いて「では今日は

どうすれば良いか」わかってれば良いのですよね?

 

見ればわかる資料を読み上げる人は、それが成果物だからもあるのでしょうが、会議の形にしないでメール等

で伝達すれば良いのです。朝のニュースを正座して見ている人は少ないでしょう、何かしら「○○しながら」聞

いています。

 

朝のニュースの教訓2つ

・本来は今日の仕事の準備をしながら大枠がわかれば良い、要点チェック(もし何をすれば良いのかわからない、

数字の意味がわからない、数字のための行動目標が無い、などは別の症状です。この時間に話す内容では無い。)

・チラ見するけど十分役に立つ様な、見やすい、理解しやすいダッシュボードや図など視覚的にする。

 

時間を取らない(5分以内)、忠誠心の踏み絵をさせる様な事をしない。確認ができれば良いのです。

 

サザエさんや連続ドラマ

いわゆるチーム内でルーテーンで起きる事。出張や仕入れ、イベントの段取りや店舗オペレーションにシフトの

話など、多少の話の展開はあっても定期的に起きる出来事。主に調整的な内容。これも30分以上は使わない。

繰り返しする業務だけど、ちょっとした工夫や改善ができる事。

 

1年を通じて起きる事柄を分類に分けておけば、議題は集約される。何かしらイレギュラーな臭いのする問題を

感じたら、草取りとして分別してゴールデンタイムの会議に回す。

 

ゴールデンタイムの特番

これこそ話し合うべき事。重要性、緊急性、根本的な事。従業員がやるべき事をわかっていて、実行していて、

それでも思う様な数字にならないのであれば、このゴールデンタイムで話し合われたことが不足していたか、決

定が誤っていたかになります。

 

状況に合わせて特番は組まれるので、まったく無い時もあれば、議題が多い時もある。議題がない時は、そう言

う時にこそ話すべき事もある。夫婦で先送りして来た課題?

 

「特番」は会議の意味合いが明確に違う

本ではハリウッド監督が制作する映画に例えて、名作には必ず主人公同士の対立があると言います。対立はどちら

を選ぶのか?どちらが正しいのか?すぐには決めかねるような内容です。

 

会議の目的も対立を乗り越えて決定するのが大事になるのです。名作と言われる映画には共通して映画の冒頭10分

でこの対立関係が表現されてます。「つかみ」が大事と言われるのと同じです。

 

この3種類の会議の3番目にあたる2時間特番は他の2つとは明らかに役割が違うのです。注意点は2つ。

 

・受け身は許されない。映画に出ている演者として参加者は振るまわなければならない。

・冒頭の対立を10分で表現しなければいけない。

この2つの原則が重要になります。
本にも事例が書かれてますが、「うちの経営陣は皆仲が良い」「アットホームな社風」の波風立てない会議
は何も生み出しません。今の環境が順風だからそんな事を言ってられるのです。普段から危機を背負ってない
会社は本当に危機が来た時に乗り越えられないと言っています。
対立がないから良い会社、チームワークの良い経営ではないのです。
対立とは会社にある対立は大別すると5つです。
5つの対立

・集中と分散

・短期と中長期(コストと品質の対立も短期的なコストと中期的な品質のどちらを優先するか?と言うこと)

・全体と個別

・結果とプロセス

・(変化する)市場とマネジメント(頑ななルール)

思い当たる節はありませんか?対立した議論の場合、お互い正しいと思っている場合の立脚点は大体この5つに
当てはまります。「品質を高めるにはプロセスが大事なんです」と言う人と「結果が出ない管理には意味がない」
と言ったり。。
ですので特番の会議では、最初の10分でこの対立を煽る必要があるのです。どちらも正しいと聞いてるだけの傍観
者は映画(会議に)出る必要はないのです。ポップコーンを食べながらの観客席で十分です。
ニュース番組やサザエさんのような会議と、特番の会議の違いは明確です。聞いていれば良い、頭の片隅に残れば
あとは聞き流せば良いような会議と、密度の濃い対立関係軸で手に汗握る2時間ドラマではまったく別物です。そ
してこの2時間ドラマが会社を大きく動かしていくのです。
3種類の会議

・朝のニュース番組 :今日の「確認」をする

・30分のドラマ :戦術、オペレーション確認、繰り返している事を工夫する、
改善のアイデアを出し合う

・2時間の特番  :戦略、右か左か、重要な選択をする
準備が必要な会議

これこそ経営者が望んでいることではないでしょうか?

 

朝礼・終礼・金曜・月末のポイント

朝礼

ネガティブをポジティブに言い換える。モチベーションを上げる。「雨の日と月曜は憂鬱」と言わせない。

 

 

終礼

今日1日の出来事、従業員の本音を聞くチャンス。お客様の問い合わせに答えられなかった、クレームが出た、

など商売の種の宝庫。課題を言いやすくしてあげる事で、人を責めずに仕組みを作る。発言を評価する。気付

きを褒められれば自ずと対応と準備に気持ちは向く。

 

金曜やイベント前

手が空くタイミングで行う。1週間で起きたことを集計しておく、褒める点は褒める。デイリー課題は分類してお

く。土日の準備が出来ているか確認する。売らなければいけない在庫を確認する。

月末

今月の達成を祝う。

課題の分類を見える化する。

ゴールデンタイムで話す事が見えてくる。

デイリーと週は個人目標、月次はチーム目標。

今月刈り取った額はわかっている、それよりも次月への草取りと種まきはできたのか?

 

議事録を取る

重みが変わる

メモ書きでも良いので、かならず記録は残します。手間を取らない方法で行います。音声メモでも良いです。

振り返りになります。今日の失敗を明日に活かせます。今月うまくいかなかったのは、半年前、3ヶ月前に

準備が出来てなかったからです。3ヶ月前に何をしていたか?どれくらいの危機感があったのか?は議事録

がないとわかりません。

 

何はともあれ習慣付になります。

 

No2の育成になる

No2候補の人に議事録管理をさせれば、やがて3つの会議の関連性と、物事のプロセスが見えて来る(はず)

です。w

 

問題の大きさに分けて話し合う事。議題と結果がわかりやすく紐づいている事。因果関係が掴める記録がある

事。創業者は頭に入っている事でしょうが、セカンドの方には何かしら欠ける部分があるので、それらを予め

可視化した上でアドバイスを送りましょう。

 

ヘンゼルとグレーテル

経営も常に選択ですが、迷ったポイントにパンクズを目印に落としておけば、もし結果が望ましくなかったら

その場所に戻れば良い。議事録があればパンクズの場所が分かります。

またこの方法を取り入れれば、ヘンゼルとグレーテルもそうだったように「決定」する事に怖くなくなります。

 

 

と言う事で、ごった煮や幕の内弁当のような詰め込みの会議は辞めましょうと言う話でした。弁当や鍋はいろん

なオカズが入っていると美味しいのですが、どうも会議だけは。。ソースやクリームが混ざり合うような。。

避けたい味になります。w

ではまた次回

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