78:「創業20年は飛躍のタイミング!」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

今年創業20年目の方おめでとうございます。2001年創業の会社は全国で約2万2

千社あるそうです。

 

会社の周年記念は10年・30年・50年の節目が大きく祝われる様です。子供の七五

三の様に「長生き出来て良かった」と意味があるのでしょうか?10年で取り敢え

ず会社として基礎が出来、30年となると経営の代替わり時期になります、50年で

代替わりも成功し老舗の仲間入りと言うところでしょうか。

 

しかし、商売という意味では大きくなるもつまずくのも20年目が大事ですよ、と

言う視点でその要因をまとめてみました。

 

Contents

20年目の成功理由「勢いが出てくる&迷いが取れる」

いろんな事を試す、試着と同じ

この例えはアパレル業界にはわかりやすいと思います。いろんな服を着て自分に似

合う物が分かってくるという事です。無我夢中の創業期から「変化」を繰り返して、

自分らしさにたどり着くわけです。

戦術と戦略のバランスが取れて来て、強みが分かって来て経営資源を集中する事で

利益も大きくする事ができます。悩んで悩んで変化させての努力が会社を変化させま

す。

 

20年での変化の代表例と言うと、ソフトバンクと言う社名で雑誌やPC周りのソフト

を扱っていたのが、ボーダフォンを買収して携帯会社として上場したのが変化の振り

幅の大きさと言う点で有名事例だと思います。

 

知っているとある地方のセレクトショップの方は、クレープ屋が発祥でそこからア

クセサリー、バッグ、カジュアル、セレクトと5変化をしてます。変化の度に脱皮す

るように規模は大きくなりました。

 

コツコツ進むハリネズミ経営

ビジョナリーカンパニーという本に、成功した企業には共通点があるという事が書

いてあるのですが、その中に「1つの原則を押し通す」というのがあります。

 

先ほどはソフトバンクの事例で、変化の先に成功があると紹介しましたが、小売業

の場合は変化よりもコツコツ型が多いのではないでしょうか。

 

変化型は呼吸の様に息を吐いてから次の息を吸います。つまり何かを捨てる事を決

めて新しい事をは始めたりします。一方、コツコツ型はハリネズミの様に生まれた

時からトゲ(特徴)が備わっている形です。

小売業のトゲ(特徴)はその志であったり扱う商材だったり、理念であったりしま

す。ですので、変化型の様に初期の原型を留めない様な変化ではなく、そのまま規

模が大きくなったりします。

 

扱いの商材も入れ替わるよりも、扱い幅が広がるイメージですね。

 

過剰からの引き算

ハリネズミ型でも変化らしいものがあるとすると、引き算型があります。創業当時

は定款にいろんな事業を(ホテルや飲食、ライフスタイル)を掲げて同時に始める

方もいらっしゃいます。

 

しかし、資金も人材も限られているのですから自ずと諦めざるを得なくなります。

弱者の戦略と言われるランチェスター戦略でも「狭く絞った領域で一番になる」事

を勧めてます。

もし、会社創業から10年経っても調子が出ない、いまいち業績が上がらない場合は

この引き算経営を試してみるのが良いのではないかと思います。

 

変化を得意とする経営もハリネズミ型経営もスタイルの違いはあるわけですが、最

終的にはコスパが良い物(商材・事業・戦略)だけが手元に残るというのは同じだ

と思います。

 

競争力が増して来る

これは習慣の力と言えると思いますが、会社創業10年目よりも20年目を迎えてより

会社の勢いが増しているという場合があります。

 

プロのアスリートの様に運度能力は年齢が若い方が高いのでしょうが、加齢が与え

てくれる経験値が重なる事で選手として完成されて来ます。

 

アパレル専門店の場合で言えば、従来の顧客に新規の顧客が加わっている。諦めず

に続ける新規開拓が実り始めたりする場合です。

 

店内が旧知の顧客ばかりでは安心した空気はあるものの、いつしか知らないうちに

人数が欠け始めます。何事にも新陳代謝はありますから閑散とする時間が多くなり

ます。

 

店として賑わいを感じる、ブランドとして活気を感じるのは新しいお客様が加わっ

て来る時です。新旧のお客様が混じる時に努力が実った事を感じ取れるでしょう。

 

新しい顧客が望めるのは、口コミ、新しい販売チャネル、SNSで遠方のお客様、メ

ーカーならば合同展などで新規の顧客を探したりします。ただ、基本は近所のお客

様に合わせた目線が大事になります。

 

また、競合を想定することも大事です。競争相手と意識するしないはともかく、競争

は社内社外問わずすべからく良い方に変化していくものです。

 

20年目の転落パターン

初心7年、横着15年

20年目のは乗り越えてるかもしれませんが、ぜひ紹介したいダメになる代表的なパター

ンと言われてるものです。

 

横着15年

・感謝の言葉が減り、態度にも現れる

・自分の力を過信する(成功は自分の力)

・スタッフへの扱いも雑になる(見下す・ダメだし)

・他責が増える(景気が悪い、天気、経済、政府、メーカー、デベ。。。)

 

こうなってしまうのは、直言してくれる人が周囲にいないのが最も大きな要因といえる

んじゃないでしょうか。番頭さん、NO2、奥さんとか長年そばにいる方もいらっしゃる

のに会話を正面からしない方もお見かけする事があります。

 

「社内と話すなら社外と話す、その方が金になる」という方もいらっしゃいますが、社外

方で苦言を言ってくださるのは”緊急かつ重要”な場面だけです、つまりダメになる寸前で

す。それはすでに手遅れという場面が多いのではないかと思います。

 

徐々にダメになる、日々の態度や習慣がよくない事を知り得てるのは身近な人であって、

飲み仲間の社外の人ではないと思います。

 

得意な役割に逃げる

個人で創業すると、一人で3役しなければいけません。最初はそれぞれの仕事は小さいの

で一人でできるのです、しかし会社が大きくなると3つの役割は大きくなって専門性もま

して来ます。

 

・起業家:変化を好む理想主義

・職人:手に職を持つ個人主義

・マネージャー:管理が得意な現実主義

 

そもそも会社を創業できたという事は、上記3つのうち一つはメチャメチャ得意な筈です。

ですので、その考え方(個人主義、現実主義、理想主義)どれかがベースとなっています。

 

でも3つの役割のうちどれかは人の助けを請わなければいけません。そういう距離感、お

願いしてる助けてもらってるという謙虚な気持ちがあれば他責の闇に落ちる事はないでしょ

う。

 

上記の様に役割によって思考のバックグラウンドが違いガチな事を理解し、場がまとまら

ない時に自分の得意に逃げ込まない事です。例えば、自分は得意でも他人がついてこれな

い「理想」の世界に社長が逃げ込んでしまうと周りは何も言えなくなってしまいます。

実際、社長の孤立はよく目にします、ご注意ください。

 

会社の寿命は30年とはよく言われるが。。

後継がいない、魅力的ではない

創業20周年はめでたいのですが、30周年まであと10年と考えた時には「寿命」と

いう言葉が気になります。

 

よく言われる30周年の壁はまとめてみると魅力的では無いのと後継者がいないの2つ

に大別される様です。

 

魅力的では無い

これは社会変化も含まれます。テレビや新聞の近未来がどうなるかは、我々読者、視聴

者が決める事にもなりますが、私個人は現在時間があればYouTubeを見たいww新聞は

数年前に止めました。

 

商売をしていればこの辺りは敏感でしょう。コンセプトで地域一番店を目指しているな

らば地域パトロールしていれば早めに気付けると思います。

 

もちろん他責にしてはいけません。自責で考えます、天気が曇ってる、ポストが赤いの

まで全て自責と思う習慣があれば会社の老化は進まないと思います。

 

シアーズ会長の言葉

「今日の孔雀の羽は、明日の箒(ホウキ)」

 

後継者がいない

商売の感性は遺伝しないので2代目で会社崩壊はよく聞く現実です。90年代に創業した

多くのセレクト各社が30年となり代替わりしましたが、伝聞ではありますが成功例は1社

ぐらいでは無いですか?何をもって失敗なんだと怒られそうですが。。

江戸時代の商人は娘が生まれた方が感性を持つ婿を養子で入れれば良いと考えたそうです

が、従業員にその様な能力がある場合に引き継ぐのが良いのでしょう。

 

ただ、専門店の多くの場合は先代のしきたりを引き継ぐよりも、自分の店を出したい

と考えると思います。

 

メーカー様の場合は、後継者と同時に組織の問題も含まれます。職人肌の先代が組織し

た会社はその仕様になっています。後継者が同じ資質を持たない場合は、会社という車

のセッティング(メカニックやドライビングシート周り)を変えた方が良いでしょう。

 

窮屈な姿勢の長時間ドライブは無理があるし危険です。

 

先代のノウハウを活かしつつ、後継につないでいくには社外取締役を活用することも

手として在ります。先代の経営ポイントを理解している第三者に見守ってもらう事、

相談出来る人がいるのは役に立つと思います。

 

習慣の力と自己肯定

何はともあれ、20年目を迎えられたという事は素晴らしい事です。経営者の評価は会社

の規模では無く年数だと言いますから、その意味でも胸をはれる年数です。

 

思うにその秘訣を知りたいものだと思いますが、私が数多くの社長様とお会いして感じる

のは習慣の力と自己肯定です。

 

長期間に何事かを成し遂げる方は、それを可能にする努力を日々の落とし込むという「

習慣の力」を感じます。朝早くから夜遅くまでそういう習慣を繰り返されてます。です

ので、いつお会いしてもそのスタンスは確固として変わる事がありません。

 

もう一つ感じるのは、「私には出来る」という自己肯定です。皆、創業するタイミング

は慎重に選んでいます。今から見れば、2020年代より1990年代はお客さんも多くて購

買意欲のありより有利に見えるかもしれません。

 

しかし、当時は当時で困難な事は多くあったのです。家賃や交通費も高く、仕入れの

ハードルも高かったと思います。ここまで20周年を成し遂げた方々はそれらの困難を

前にしても「自分は出来る、成し遂げられる」という自力を信じる力があったのだと

思います。

 

これらは私が知る範囲の成功された社長様と話をしていて感じた事です。読者の皆様に

ももっと違う気付きがあるかは思います。機会ある時に是非教えてください。

 

ではまた次回

 

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