106:「5ヶ月の夏・エンドレスサマー」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか

 

”エンドレスサマー”は聞こえはいいものの対応する専門店側に「こう

すれば大丈夫」という”鉄板MD”が整備されてないこともあり、売り

上げは上がらず利益も薄いやっかいな季節となっています。

 

1年の中で5ヶ月もあるので”どげんかせんといかん”季節になってます。

Contents

夏の拡大がもたらすアパレルの課題

 

まずは背景を振り返ってみましょう。近年、日本では梅雨明けが早まり

、残暑が長引く傾向が強まっています。気象庁のデータでも、2020年

代に入ってから真夏日(30℃以上)の日数が従来比で1.5倍近くに増え

ている地域もあります。

これにより、夏物商品の需要期が従来の6〜8月から、5月下旬から9月

下旬まで、実に5ヶ月以上に広がっています。

これは一見チャンスのように見えますが、アパレル業界にとっては二重

の刃。

なぜなら:

  • ・在庫回転の乱れ: 夏物が長く売れる一方で、秋冬物の立ち上が

    りが遅れ、在庫が積み上がるリスクが高まる。

    →どのタイミングで春夏在庫を捌いていくのか?

    →9末に秋冬が瞬間的に立ち上がれるのか?

     

    ・トレンドの陳腐化: 5ヶ月も同じ夏物が並ぶと、消費者の目が

    肥え、早期に飽きが生じる。インスタやTikTokでトレンドが高

    速回転する今、商品の鮮度が命取りになる。

    →メーカーさんの提案が季節進行に追いついていない

     

    ・コスト増大: 値引き幅の定着で”儲からない夏”になっている。

    →気温の影響を受けない雑貨での単価アップ策

     

私のクライアントさんたちからも、「夏物が売れ残るかと思いきや、意

外に長く売れるけど、利益率が落ちる」という声が聞こえてきます。

成熟期のビジネスでは、こうした外部環境の変化を無視すると、繁盛が

逃げていくんですよね(参考: 過去記事102「成熟期に儲けようとする

と繁盛は逃げていく」)。

まずセールの考え方は

・ずらす:6〜7月を8月にずらす

・縮小:セールを過大に訴えない

大手のUAは株主からの質問に対し、セールの後ろ倒し(6〜7から8へ)

を行なってると回答してます。

またセールの縮小策をとるローカルチェーンではセール期間でもプロパー

購買意欲のあるトップ顧客の勢いを阻害しないことを優先してるそうです。

私はこれらの考え方に全く同意する立場です。

 

対応策1: 商品ラインナップの「絞って広げてまた絞る」戦略

ここで、私の定番アドバイス「絞って広げてまた絞る」(過去記事101)を

応用しましょう。

🔹絞る(初期フェーズ: 5〜6月): 夏の入り口では、定番の軽量Tシャツやショーツに絞り込み、在庫を最小限に。テスト販売で反応を見る。私の経験では、40代以上の顧客層では「機能付き」のシンプルアイテムが安定して売れる。

🔹広げる(ピークフェーズ: 7〜8月): 需要が本格化したら、色バリエーションやコラボアイテムを追加。インスタライブを活用してリアルタイム販売(過去記事103「インスタライブ販売、成功からカオスへ」)で勢いを付ける。ただし、カオスにならないよう、事前のテストを忘れずに(過去記事97「その商品はテストされているか?」)。

🔹また絞る(残暑フェーズ: 9月): 秋の気配が出たら、夏物をクリアランスセールで絞り、秋冬移行アイテム(例: レイヤード可能な軽めアウター)にシフト。極大化からの反転を意識して(過去記事100「極大化からの反転」)、在庫回転を加速させる。

 

このサイクルを回すことで、5ヶ月という長い夏を「3つのミニシーズン」

に分け、柔軟に対応できます。

私の感覚値で申し訳ありませんが、3月と6月に気温変化まちの様なアイ

ドルタイム(間)が発生するように感じています。

従来の季節進行ではモチベーションが上がるのは3月・5月でしたが(

その時期に館イベント多い)気温が上がってから消費に移る春夏特有の

購買活動の影響も感じます。

それらを総じると夏のピーク(広げる)時期は7〜8月、特に7月に

移した方が良いと感じています。(主観であり仮説です)

対応策2: データ駆使と右腕の活用

 

会社の業績が低迷すると、同じ意見に安心しがちですが(過去記事95

「会社の業績が低迷するほど”同じような意見”が心地良くなる理由」)、

今こそデータとチームの力を借りましょう。

・データ分析: Google AnalyticsやPOSデータを活用して、気温変動と売上の相関を追跡。AIツールで予測モデルを作ってみるのもおすすめ(過去記事94「AI時代の幕開けに立つ気分は?」)。例えば、30℃超の日数が増える地域では、速乾素材の商品を優先的に仕入れる。

・右腕の役割: フリーランスの私のように、外部アドバイザーや社内の「右腕」を活用(過去記事5「右腕がいるとどれだけ安心か」)。ワンマン経営では視野が狭くなるので(過去記事99「ワンマン経営を考えてみる」)、複数人でアイデアを出し合いましょう。私のクライアントでは、右腕がSNSトレンドを監視するだけで、売上10%アップしたケースもあります。

 

AI分析は難しく考えずに、毎日見てる自店の資料から疑問やアイデアを

問えばいい。

まずは、頭の中にあることをアウトプットする。そして会話を繰り返す

ことで壁打ちになり考えが整理されてくる。

 

つまり、AIが「答え」を用意してくれるわけではなく、自分の中にある

仮説を引き出すのです。外部に相談できる人を持つのも同じです。

決定権と責任はあなたにあるわけですから、ただ決定に至るプロセスが

不安だったり引き出しが少な過ぎてアイデア不足になる点を外部から

補強(掘り出す)わけです。

 

それらの先に気象庁データーと売上明細の分析(アイテム・素材)の

比較をAIに頼めばいいという話です。シンプルに考え、それをステップ

アップさせましょうという事です。

 

対応策3: インフレ・デフレの影響を織り込んだ価格戦略

夏の拡大は、原材料コストの上昇(インフレ)と、長期販売による値下げ

圧力(デフレ)の狭間で揺らぎます(過去記事105「デフレとインフレの

切り替わりを理解して対応する」)。

対応として:

・プレミアムラインを導入: 高機能素材(例: 持続可能なオーガニックコットン)で差別化し、値崩れを防ぐ。

・バンドル販売: 夏物と秋物のセットを提案し、クロスセルで回転を上げる。

・外部ショックへの備え: トランプ再選の可能性など、地政学リスクで輸入コストが跳ね上がるかも(過去記事104「トランプショックの3重構造を理解する」)。事前の仕入れ分散を。

 

バンドル販売では雑貨に力を入れたいです。

利点は

・販売期間が長く取れる

・値崩れしにく

・季節進行に対して気温に難があっても先行して動きやすい

からです。

 

また現在のかっちりしたフォーマル方向への動き(略してプレッピー)

は雑貨の活躍の余地が大きい。例えば

 

・合皮を押し除けて久しぶりのレザーバッグ(韓国風味)

・スタッズベルト

・スカーフ&タイ

・ローファー&モカシン(過渡期はスニーカーソール)

など実売の手前の手応えであっても鮮度UPに活用できると思います。

 

まとめ: 40代ローパフォーマーにならないために

最後に、40代の私たち世代は「ローパフォーマー」と呼ばせないよう、

変化に適応しましょう(過去記事96「40代ローパフォマーと呼ばせるな!」)。

まあ皆さんが40代と決めつけてるわけではありませんが(w

脂の乗った世代と期待を込めて(笑)

1、悪いなら悪いなりに分析して(”強烈な反省”が全ての出発点)

2、仮説を立てて

3、テストし

4、修正してまたテストする

 

正解を知っているのはお客様のみ。自分で仮説を繰り返すのが柔軟性。

お客様を観察する”客観性”と行動の”柔軟性”があれば脱線・脱輪は改善

出来ます。

5ヶ月の夏は脅威ではなく、チャンス。テストを繰り返し、戦略を柔軟に

調整すれば、安定した収益が得られます。

皆さんのビジネスでこの対応策が役立つことを願っています。

何か質問があれば、コメントやお問い合わせください。

次回もお楽しみに!

 

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