86:「アパレル専門店とメーカー様の選択肢」

今日は、いかがお過ごしでしょうか?

注:<今回ほぼ2回分の量になってます。分割で時間を見つけてお

読みください。>

 

トンガ沖に日向灘沖とたて続きに災害が起きてます。新年早々騒

がしいです。

 

コロナも次から次への変異です。多少の天災やコロナに立ち向か

って行く気持ちの強さと慎重さが必要です。

 

そんな気掛かりな中で、ムーアの法則を証明するように多方面で

技術革新が進んでいます。

 

 

例えば昨年予約開始の乗れるドローン。運輸省の型式証明(安全

基準)を取るのが難しいそうですが、国外では空飛ぶ自動車も認

証されてます。メタバースもあります。

 

自動運転は難易度高く苦戦してますが、イーロンマスクの火星挑

戦も来年に迫ってます。

 

災害も革新的進化も生活への影響は大きく無視できない規模です

。合わせてSDGsへの共感も高まってきています。じわりじわり

と私たちの生き方や思考に影響を与えてます。

 

 

このスピードが今年はより早く加速して感じるのではないかと思

っています。

 

 

天災と革新、今の時代に生きる以上、わたし達はどちらか片方だ

けとはいかず、これらをセットで受け入れなければいけない宿命

の様に感じています。

 

Contents

前編振り返り

毎年年の初めには今年度の予測めいた記事を書いています。全号

の前編では大企業アパレルの内情を触ってみましたが、ちょっと

保守的な企業に偏った内容でした。

 

もちろん、穴を掘って悪天候や天災をやり過ごす様な他力本願な

企業ばかりでなく、もっと早くから構造改革に取り組んでいる会

社もあります。

 

丸井さんやパルコさんの様に、アパレル比重を落としていく事

をずっと手前で判断した会社はコロナ下でも利益を(程度の差は

ありますが)確保しています。

 

 

また、ニッチな市場、ゴルフなどのスポーツ、300円均一などの

雑貨事業も手堅く成長し、ライフスタイルを手掛けている会社も

アパレル100%の会社の赤字決算と比べて大きな違いを見せつ

けました。

 

 

他力と自力、この覚悟の差が今年は数字ではっきり分かれてくる

のではないでしょうか?

 

 

とにかく経営は先見性だ!と言う好事例を生で目撃できて感動し

ています。

 

 

「小売とは変化対応業」というワールド寺井氏の有名な言葉があ

ります。

対応が必要な項目はざっと見ても

 

・メインの都心販路が元に戻らない都心への過剰なインフラの

撤退調整)

・ニーズの変化(ビジネススタイルの変化、アフターコロナ心理)

・新たな販路、市場をこれから見つけないと成長ができない

・プロパー消化率低下の歯止め、適量在庫への挑戦

・売り上げに見合う組織のサイズダウン、いわゆる生産性

・従業員の人事的不満の膨張、消費者、主要顧客がサービス低
下に痺れを切らし離反する

・換金サイクルの長期化による資金繰りの悪化

 

現在の経営体制でこれら全ての対処しなければいけません。

 

 

積極的に時代を乗り越えていこうとする会社には、自社の特性をブ

ランドから一角高めてプラットフォーム化しようと言う会社もあり

ます。

 

エンジニアを雇い入れ自らの自社ECの門戸を開きをトランスフォ

ームするのです。韓国勢の新規プラットフォーム参入に対抗する

意味もあるでしょう。

 

顧客満足のために店舗が必須で、そうしないと信用が積み重ねら

れずブランドにはなり得ないと各社店頭で努力をしてきました。

 

しかし、そうでなくても良いと考える人達も出てきているのです

。小さな組織で固定費を極力下げ、勝てる時だけ勝てる玉で参加

させてくれるプラットフォーム勝負するのです。

 

信用の積み重ねでブランドになる事は、プラットフォーマーに任

せ、自分は自信作で短期で大きく儲ける。中国の独身の日の様な

イベントで瞬間的に大きく稼ぐ発想です。

 

引き取り手のない残反と高速検索コピーのAIロボットでそれを成

し遂げようという今日この頃です。

 

そういうプラットフォームがあればOEM主体であった業者さんや

小規模な人達も稼ぎやすくなりますね。共存共栄かそれとも搾取

されて肥やしになるか。。は分かりませんが。

 

そういう危ない橋を渡らずに、コロナによって芽生えた「安全と

安心」という欲求に対応すべく事業のテーマを変えるところもあ

ります。

 

各種の検査キットや安全用品をアパレル的アイデアで持ち運びや

着用が出来るというアプローチです。医療とファッションの隙間

です。

 

今なら営業という出入りできるコネクションが残ってるのですか

ら、何もアパレルだけ売り込むこともないですよね。サザエさん

に出てくる三河屋さんのように御用聞きの距離は維持したいです。

 

 

何が商売のチャンスになるかわかりません。雑談から商機は生ま

れます。ここから先は明るい展開を考えましょう。ww

 

地方専門店とメーカー

メーカーが弱っている

弱っていると感じるのは、主力の卸先が守りに入り出店数も伸びず

、新規先は増えず、暗い話題しか上がってこないからでしょうか?

 

専門店が仕入れに頼るメーカーは、サプライチェーンの中間に位

置しています。

 

メーカーは直接消費者に接していないので市場の動き、事に消費

者心理の変化には昔から疎いところがあります。展示会で卸先か

ら聞く話も専門店が咀嚼した少し古い情報です。

 

ですので、現在進行形のライフスタイルの大変化の様な時期には

かねてからの情報不足が露呈しやすいと思います。何か市場のた

だならぬ気配にに気付いていても生の声を聞いてない分確信が持

てないのではないでしょうか?

 

 

職人肌の経営者も多く、自分にできることは「良いものを作るし

かない」とより一層奮闘されています。

 

職人視点の苦しいところは作り手目線ですので、市場が従来のま

までいてくれる事を前提としています。その為、その前提が崩れ

る規模の変化に対応しようとするとかなり難しいでしょう。

 

 

俗にいうプロダクトアウトのデメリットです。(メンズは自己主

張がブランディングに繋がるケースも多く、それはそれで良いの

ですがレディースでは致命的だと思います)

 

 

また、気になるところは卸先の高齢化です。オーナー自身の高齢化。

それと共に顧客が高齢化しており、より一層仕入れが保守化してい

る現場を見て、このままでは先がないのでは無いか?という怖さが

あるのではないでしょうか?

 

 

(聞くところによると専門店様自体もその自覚はあるそうです。こ

のまま上顧客と共に年齢を重ねるか、40歳以下のママ層に取り組む

かの迷いです。しかし売り上げを考えると上顧客は無視できない。)

 

 

卸先が変化しないと、自社のテイストも一新出来ない。この保守化

の中で何かしないと。。という焦りが高まる中で、展示会商材を変

えていっても良いだろうか?

 

 

変化が見えるまで耐えるか、自ら考える新しい立ち位置に移動する

か?鶏と卵の様な悩みです。

 

 

何かを捨てて何かを加える

こういうジレンマが起きるのは、新規顧客がほぼ増えなくなり、既

存顧客のみの取引になって来ると出てくる現象です。

 

この自閉症状を打破するには、自社の何かを捨てて、何かを取り入

れる、取り替えるのが王道の対処法です。

 

現在の困り事は

・作り手目線で柔軟性が乏しい、新テイストチャレンジの迷い

・新規取引先はほぼ無い、ジリジリと口座数減少

・大手専門店も出店数の調整、期待できなくなった

・インフレによる影響、小ロット生産が厳しい
・コロナによる運転資金の借り入れ、返済が始まる

上記の様な点が中小メーカー様がじわじわと弱っていく悩みどころ

ではないかと推察します。

 

 

こうやって見ますと、大企業の悩みと中小企業の悩みはそう違わな

い様にお見受けします。

 

同じ業界だからと。。とも言えますが、少子高齢化の日本という同

じ市場で商売しているからだと思います。

 

 

成長曲線という物があるのですが、これを皆様のご商売に当てはめ

てみます。

 

 

 

創業期は社長一人で起業して、成長期で顧客が増えていき、定期的

に展示会が出来るまでの規模になり、黄金の90年〜00年代を過ぎて

現在位置は良くて成熟期、悪くすると衰退期だと思います。

 

 

成熟期の特徴は新規顧客が増えない事です。ほぼ従来顧客のみの商

売です。顧客の注文には答えなければいけませんが、その保守化に

は危機感を感じている様な状態です。

 

 

その先に現れる衰退期は、顧客が減っていきますし、同業者も淘汰

されて行きます。残された競合も価格勝負に陥り始めます。この下

方スパイラルの行き着く先は。。誰も儲からなくなります。。

 

 

価格競争で全員が沈んでいくのは衰退期の特徴です。セール長期化

からクーポン乱発、オフプライスストア乱立はその傾向だと感じま

す。

 

ですので、皆様にお伝えしたい事は、衰退期に入る前、巻き込まれ

る前に成熟期の段階で新たな戦略を打ち出して行かなければいけな

いと言う事です。

 

 

そのキーワードは上記した「何かを捨てて、何かを加える」です。

逆の意味では、何かを残すのですから、残すものは自社の1番の

強みです。

 

つまり再戦略化の手始めには「強みは何だ?」と自問自答する事に

なります。

 

 

再戦略化のプランニングにあたり、用心すべき事があります。

 

それは「新規顧客が増えない状況の中では、従来の顧客の声はより

大きくなる」という事です。

 

 

つまり、新規戦略や新しいチャレンジは(保守化を優先する)従来

顧客の大反対に遭いやすいという事です。

 

 

長年の顧客からすれば、自分との関係は長い信頼に裏付けされた事

で何よりも尊重されるべきだし、敬意を払われて当然だと考えます。

 

 

行きつけの店で、名前で呼んでもらえたり、「いつもの」と言う曖

昧なオーダーでも通るのはそう言う事ですよね?

 

現在の商売を支えてくれてるのは、もちろんそう言う常連のお客様

です。しかし、新たな戦略を選択すると彼らと利害が対立する場合

があります。

 

何かを捨て、何かを加える選択において重要なのは、既存主要顧客

との利害対立の解決法になります。

 

解決法は中和、緩和、迂回などの対策を打ちます。大事なのは「妥

協」ではない事です。妥協の意味は関わる全員が満足できない状態

を示します。

 

皆様がどこかの常連だとして自分に対しそんな解決は無いですよね?

 

 

プロで生き残るためにピッチャーが投げるフォームを変える!と決

断するのが難しい様に、変えたばかりに成績が下がる恐れ、ヘタを

すると肩を壊す可能性。。何かを変えるというのは大変な事です。

 

 

しかし、それくらいの変化でなければじわじわと衰退期へと向かい

借り入れだけが残る事になるのでしょう。

 

運動と商売は違いますが、それぐらい「変える」ことには勇気が

必要です。

 

そんな大きな変化が必要なのか?小さな変化で大丈夫なのか?

ポーカー勝負で手札何枚変えますか?今まで築き上げた会社の命

運がかかってます。

 

でも自分の事は分かりにくくても、他者から見ると、特に消費者か

ら見るとわかりやすい場合があります。

 

より多くの業界に明るい友人知人に聞く事は有益だと思います。

 

生地屋さん縫製工場、メーカーさんと消費者情報がダイレクトでな

い立ち位置の方は情報を集め難いです。

 

 

これ以上のアドバイスはケースバイケースになるので語れませんが、

ここはしっかり「何を捨てるか」「何を加えるか」確かめていただ

きたいと思います。

今の時代に新たにチャレンジする人もいる

中堅や古参のメーカー様のお立場を勝手に代弁しました。どちらも

スタートは一人に近い規模だったと思います。

 

スタート時には意識、無意識問わずご自身でタイミングを見切って

いるはずです。「これなら勝てる」という算段はどこかにあったと

思うのです。

 

いつの時代も、先行してる方からは「商売は苦しい、困っている」

という話題には事欠かないはずです。

 

それでも、そのタイミングで会社を立ち上げたのですから、何かし

らの独自の工夫や強みがあったのではないでしょうか?

 

ですので、昨今スタートしているD2Cブランドやインフルエンサー

ブランドを見てみると今の時代の切り抜け方がわかります。

 

直販ルートを持っている

現在スタートしている新興メーカーで店を出すところはあまり聞き

ません。その代わり、SNSに長けています。その延長で直販ルート

も持っています。

 

大事な点を繰り返しておくと、SNSに強くてその先に直販がありま

す。逆ではありません。

 

90年代にスタートした企業は、人口ピークの時期に雑誌ブームや

セレクト人気時代の恩恵を受けました。その戦略と消費マインド

が成熟から衰退へと向かっているのです。

 

今から起業するメーカーにととってはSNSもSDGsも追い風になり

ます。少子高齢化で市場が小さい分、小規模経営で柔軟性のある

(例えば外注が多い)組織にするでしょう。越境でも販売するでし

ょう。

 

 

90年代からの市場参加者、10〜20年代に創業された方、見

比べてみれば市場で戦う装備品の違いが一目瞭然です。

 

 

何を捨てて何を加えるかのヒントにはなると思います。ただ一つ

老婆心ながら注意を申し上げますと、捨てて加える手順を間違え

ると肩を壊します。

 

物事には副作用という望まないおまけが付いてくる事を計算に入

れてください。副作用は注意深く観察し中和させる対応策が必要

です。

 

 

専門店が困る

ECセールの影響が大きい

先にメーカー様の状況を語った理由は、メーカー様は変わらなけれ

ば生き残れないという状況を整理しておきたかったからです。

 

 

その苦境からメーカーが取る施作の影響は玉突きで専門店様の身の

上に起こります。それはECセールの影響です。

 

 

ほとんどのブランドがどこかのプラットフォームに参加してますの

で、そこで乱発されるクーポン等の値引き、早くからスタートする

セールなど、それを顧客の口から告げられると商売への情熱も冷め

てしまうでしょう。

 

 

それぞれの社歴の違うメーカー、それぞれで大なり小なりそういう

変化が起きていると思います。

 

 

当事者のプラットホーム参加ブランドにしても、値引きの目玉にさ

れる事は本意ではない思います。

 

(ただ、現在ではセールを短くする意識変化と同時に、立ち上がり

に勢いを付けようとする作戦に変わってきました。早期予約に10

〜15%のクーポンやポイントを付与し始めてます。)

 

 

しかし、EC販売は顧客の反応が店頭と違い掴めません。オークショ

ンの様な入札に近いので値下げをして反応を見ていくしか無いので

す。

 

 

最近も、某有名セレクトショップでEC率が50%近くあるところが、

リ・ブランディングを行う記事を見ました。

 

 

そこから透けて見えてくるのはECはブランド価値の向上よりも毀

損の圧力が高い事です。

 

わかりやすい作品、承諾しやすい価格と検索の中からピックして

もらうには、妥協につぐ妥協の重なりになりがちです。

 

薄めれば強いお酒も飲み易くなりますが、薄まりすぎは味も香も

無くなります。程度問題とも言えますが、その調整が難しいのは、

大手でもり・ブランディングまでする必要があるという点に事の

大きさを感じます。

 

 

まさしくメーカーから見れば、値引きしやすいブランドと消費者か

ら見定められた上に、既存卸先まで荒らしてしまう副作用そのもの

です。

 

しかし、影響を受ける専門店の立場からすると、果たしてその副作

用をメーカー側は認識してるのか疑問に思ってるのでは無いでしょ

うか?

 

卸先がメインではないが無視はしていない

とは言え、この流れは変わる事はないでしょう。90年代創業メー

カーの中には卸一筋を守り続けるところもあるでしょうが、特に新

しいブランドは直販ありきのビジネスモデルが標準だと思います。

 

メーカーも生き残るには、販売の3本柱を考えます。

卸・EC・ポップアップが代表例です。

ブランドが大きくなり、知名度が上がることは望ましい。。はず

ですが、その副作用を和らげる配慮がメーカー側に無い。

 

ECがない時代は卸先の地域の棲み分けで揉めるトラブルが多く

ありました。現在ではそれが形を変えて卸という関係性を揺る

がしています。

 

最後で述べますが、お互いの利害を調整する必要があります。

 

通販が好調で、調子が上がってるメーカーさんは、聞く耳がな

いかもしれませんが、ECだけで在庫を持つと困る場面にいつか

は遭遇します。

 

バランスの良い経営の為には、3方向ぐらいの販売チャネルを

維持する大事さにいつかは気づくと思います。。。

 

ターゲット顧客に集中する

次に、専門店様が出来る事を考えてみましょう。

ブランドの方針はメーカーが決める以上、口出しは出来ません。

 

自店にできる事に集中すると考えれば、できる事は顧客にどの様に

対応するか?になります。

 

自店の力を「仕入れ額」と考えれば、これを顧客が望む、潜在心理

でも望んでいたスイートスポットにピタッとぶつければ威力は倍増

します。

 

スイートスポットに当てると言うことは目標を絞ると言う事です。

 

絞る戦略といえば、弱者の戦略である「ランチェスター戦略」はど

んなお店でも有効です。

 

先に述べた例の様に、顧客層が50代以上とアラフォーの2グループ

ある場合。両方対応するのか?どちらかに絞るのか?

 

コントロール出来るのは自店を輝かせる事です。誰にとって輝いて

見えれば良いのでしょうか?40代も50代も両方でしょうか?それが

出来るほどの規模と仕入れ予算があるのでしょうか?

 

特定の層に対して魅力的でなければ、誰に対しても魅力的とは言え

ません。

 

有名な飲食店やお菓子屋さんも、行けばいろんなメニューがありま

すが、「まずはこれを食べなさい」という看板商品を持っています。

 

まずは、地域の顧客に「何かで一番という認識」を持っていただき

、そのストーリーを膨らませて行き、横展開するのです。

 

横展開が先だと、テーマがぼやけます。絞った上での横展開です。

あれもこれもあるお店は便利なようで、全くお客様の記憶には残っ

てないのです。

 

ご自身も消費者ですから分かりますよね?飲食、ホテル、交通な

ど記憶に残ってる所しか使わないでしょう?

 

とあるセミナーで静岡の有名店のオーナーの話を聞いた事があり

ますが、周囲の競合を調査した上で強みを絞ったそうです。

 

結果的に地元の有名私立小学校に通わせてる奥様に対象を絞った

と聞きました。その対象像が望むものを想定していったそうです。

 

そのゾーンで地域一番店になったのが成功要因という話でした。

 

 

店長はキュレーターであり、インフルエンサーでもある

美術館の館長の様な立場をキュレーターと言います。芸術品は古

くからあるものですが、それを展覧会として企画するときに館長は

キュレーターとして「視点」を加える事ができます。

 

例えば、同じ時代を生きた画家の絵を集める。その中でも好対照な

二人の画家を対比させて展示する。とある画家の生き方を追って展

示する。。などクラシックな事を視点を変える事で新鮮に見せる事

ができます。

 

雑誌で言うと、ブルータスやモノマガジンの様な特集の仕方です。

 

雨をテーマにしても良いし、白いスニーカーを特集する。花柄のボ

トムを集めてみる。22ssだとボーダーとか面白いですね。

 

店長なり仕入れ担当者が考える「雨」「白いスニーカー」の様な

普遍的なテーマを、私ならこれを着てみたいと言う解釈で品揃え

を編集するのです。

 

ブランドに頼っているから、ブランドの仕入れルートの安全性に

固執することになります。ブランドに頼らない編集というのも個

店の強みだと思います。

 

また、お店にいる方はインフルエンサーにもなれるはずです。

 

悪いニュースに聞こえるかもしれませんが、アマゾンのようなプラ

ットフォーマーが趣味性のある商品紹介の為にインフルエンサーを

雇うそうです。

 

ユーチューブやインスタグラムでも熱のある人が語る話には引き寄

せられます。

 

プラットフォームがそういう人をわざわざ雇ったりタイアップする

と言うのは語り手の重要性を裏付けていると感じました。

 

これを皆様に当てはめれば、「勧め上手」なのですから逆にブラン

ドの紹介を任せてもらうなど、インフルエンサーとして企業に関わる

事も出来るはずです。

 

アンバサダーっていうやつですね。

 

メーカーさんが苦渋の中で、ECやポップアップに進路を変えてるの

ですからそのニーズはあると思います。

 

飲食店ではお店の店名よりも料理人の名前が通っている場合があり

ます。その人の味を求めて多くの顧客がリピートします。

 

静岡の有名店の場合も、対象像を絞る戦略があった上で、奥様が

インフルエンサーであるという戦術が効果を倍増させてる様です。

 

二人三脚

情報が切れているから関係が育たない

専門店とメーカーという関係を見た場合に上手くいかない要因

として根底にあるのは「情報の分断」です。

 

メーカー特有の出手目線である事、展示会企画が先読みである

事から先へ先へと企画を進めるので、振り返るタイミングを失い

がちです。

卸した後、店頭で売れたのか残ったかの状況もわかりません。

自社の商材の店頭消化率はどれくらいなのか?消化が悪いのは

卸先が販売に失敗しただけと思ってないか?

 

自社が売れたのに取り扱いが増えないのは他社製品が残ってい

るせいなのか?。。それらはわかりません。答えは店頭にあり

ます。

 

情報を開示する事のメリットが店とメーカーで理解されていま

せん。

 

店が開示してもメーカーの感謝は薄く、ヘタをすると尊大にな

るばかり。ミニマム付けたり、付近に卸先を増やしたり。

 

店側も発注を増やすなら掛け率を下げてくれと要望します。

 

一歩下がってみれば、市場は成熟期であり下手をしたら衰退期

に落ち込んでしまう局面です。まだ駆け引きしますか?笑です。

 

ともに協力し合う時期かなと個人的には思います。

 

その情報が何の役に立てるのか、企画しようとして前情報、消費

者の反応、それらが双方の立場で生かされる事を知り得る立場の

人間は営業です。

情報を集めるべく営業は45:55ぐらいのスタンスで両者の関

係構築に努めるべきだと個人的に思ってます。(専門店に対して

45%の視点、55%雇用主のメーカー視点)

 

そういう感度の高い人は、デザイナー本人だったりするので、デ

ザイナーが営業をするブランドでは話が進みやすいです。

 

インスタグラムでの提携や協力、事前プレゼン、消化率フィードバ

ックなど有意義な関係が築けている様です。

 

短い賞味期限内で的確にターゲットに販売していき、それを細かく

繰り返さなければいけないサプライチェーン上の同胞だとすれば

その協力関係が無駄だとは思えません。

 

本当にECから利益が出ているのか?

多くのメーカーさん、直販を始めたメーカー様に聞きたいです。

本当に利益出てますか?

 

ECの販売額が卸を超えた場合。もしもの時にその先行発注在庫は

大丈夫ですか?

 

それらのリスク回避にセールを使ってませんか?

そのセールに備えてより品質を損なっても原価を切り下げていま

せんか?

 

プラットフォームで売れれば売れるほど、サイトで買ってくれた

顧客のもとには、似よりのしかも低価格の競合品がお勧めされて

ます。その競合品とシェア争いしてませんか?

 

セールとクーポンの違いは何ですか?値引きしか販売促進はない

のですか?

 

はっきり言ってEC販売はブランドを毀損してませんか?

 

これらの質問に答えられないままECの拡大に走っているところ

は今は放っておくしかないと思います。しかし、やがて気づくと

思います。手元に現金が残らないからです。

 

拡大するということは多くの在庫を投入する事であり、売れ筋は

多くても4割であろう事を考えれば、突っ込んだ残りは引き下げる

手間の代償として見切るしかないのが通常です。

 

逆回りの物流システムはどこも持たないのが普通です。ただ送り

込むだけです。

 

やがて、ECへの過度な期待が薄れれば、投入在庫の精度を高めよ

うと言うことになり外部の目利きの重要性が理解されるかもしれ

ません。

 

また、ブランドを毀損するEC特性の副作用を和らげる為に、前向き

なブランディングとしてSNSで外部インフルエンサーとの協力関係

がもっと重視される様になるでしょう。

 

そういう時は専門店様の出番と思います。

インフルエンサーとしてお店の名前が上がらないと仕方ないですが。

 

私としてはそんな日が来る事を期待する日々であります。

 

 

 

ディズニーランドとディズニーシー

どちらから入園しても良い、行ったり来たりも歓迎。

 

もちろん卸先とブランドの関係です。

ルールを守ったセールや処分時期の設定。

 

目的はディズニーという施設に多くのかたが訪問してくれる事。

卸チャネルからの入園でも良いし、ブランドサイトから地域の

紹介でも良い。

 

こう言うと、卸先へわざわざ来るお客さんは少ない!と反論が

出るでしょう。

 

そう言う点は、ブランド側は理解する必要があります。

 

ディレクターやデザイナー、MDの人が卸先を訪問してトークシ

ョーを開く。トランクショーを開く。展示会場で共同ライブをす

る。共存のために考えれば色々あると思います。

 

お互い貴重な時間を割くことが「親愛の印」である、と言う関係

を持ちたいものです。

 

対照顧客(ペルソナ)を具体化し、仕入れの焦点をそこに当て、

ストーリーを膨らませる。特定の肩入れしてるメーカーとは情報

開示で需要なパートナーシップを育てていく。

 

と言うのは今年の専門店様の目標としてどうでしょうか?

そう言う理解のない他人を色々言うよりも、数少なくても理想の

パートナーを見つけ合うことが生き残りになっていく気がしてい

ます。

 

長文しつれしました。分けて書くとまたブランクが空いてしまう

ので。。一気に書きました、お許しください

ではまた次回

 

 

 

 

 

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