こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?
今日はとあるニュースを見て頭の中に広がったストーリーをお話しします。
損保ジャパンの人員整理のニュースを見て、この会社自分も取引してると思い、契約書を探したら
実家の火災保険に入ってました。
まあ、我が家の保険書類なんぞは簡単な手続きなので、機械でも出来ちゃうレベルだとは思います。
少し前に銀行が人を整理し始めるというニュースは、「銀行はドライだからな」と他人事に受け止め
ていましたが、個人的に今回のニュースはショックが大きいです。
その理由は、
・人員整理がどんどん広がっている事
・人員整理の規模が大きく、影響を受ける社員が多い事
です。
で、そのように大きな影響を与えるITシステムを少し調べてみました。
きっと皆様の身近にも登場する、あるいは投資を検討する可能性があると思うからです。
Contents
ロボティクス・プロセス・オートメイション
現在進行形ののデジタル革命は第4次産業革命と言われてます
1次・農業、2次・工業、3次・情報ときて、4次というのは3次の情報は”機械を人間が操作”したのに対して、
4次では”AIが機械を操作する”という意味で、発祥はドイツの「インダストリー4.0」の日本語訳だそうです。
登場する技術は主に4つ
・AI 「人間の振る舞いの一部をソフトウエアで人工的に再現したもの」
・Iot「モノのインターネット化」
・フィンテック「金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)の組み合わせの造語」
・RPA 「ロボティクス・プロセス・オートメイション」
で現在、ホワイトカラーの人員整理で猛威を振るっている(実力を示している)のがRPA
RPAはホワイトカラーと言われる人たちがパソコンで行なっていた作業や操作を、事前にプログラムする事で
代わりにやってしまう事です。
こちらのユーチューブデモ動画(1分41秒)で理解できると思います。
自分の仕事や社内を見渡してみると、「定型業務」というのは割と多いと思います。そういう作業に
限って人が足りない、時間が足りないと言われていて皆が駆り出されていたりします。忙しいから新
しいことをじっくり考える暇がないという話もよく聞くところです。
RPAが広がっている理由をまとめますと
1、工場が自動化された過程と同じ(ブルーカラーの職場に組み立てロボットが導入された、これからはホワイトカラー)
2、比較的簡単にできる、ハードルが低い(下記のIBMの動画に、作業の設定がでています)
3、劇的な生産性向上が狙える(そりゃ早いに決まっている)
特に2と3ですね、すぐ取り入れられて即効性がある、爆発的に普及する理由です
RPAはデジタルレーバー(電子労働者)
RPAは人のスキルを専用ソフトで記録させ、それを自動で再現させます。
ですので、本質はITではなくHR(ヒューマンリソース)として認識すべきだそうです。
「ヒューマンリソース」という事は、情報システム部の管轄ではなく、人事部の管轄で考えるべき
だとという事です。RPAを導入して、今までの人たちを活用するところまではセットになるので、
それは人事部の仕事になるからです。
小さな会社ほど、人の採用とか、特定の人しかできないPC作業とか人材の悩みは尽きない
でしょうから、このようなソフトで悩み解消の上、圧倒的な作業効率となれば、皆様の会社
でも導入に興味がわくはずです。
人を切れば良いという発想ではないので、機械ができる事は機械に任せ、新たな分野に人を割り振
る、という考え方が基本です。ですから損保ジャパンでは単に削減するのではなく保険に関係する、
介護やセキュリティ部門に人を異動させ事業を開発していく一石二鳥のアイデアとも言われています。
(異動する人の気持ちはわかりませんが、それが組織人の宿命ですよね)
5段階のデジタルレイバーがある
ステージ1 | RPA | 一般的に普及 | PC上の一部定型業務効率化 |
ステージ2 | RPA+認識技術 | 先進企業での実用化 | PC上の定期的業務からの解放 |
ステージ3 | RPA+弱いAI | 技術的に実現可能 | 意思決定の精度向上・合理化 |
ステージ4 | RPA+強いAI | 長期的展望 | 人間しかできない業務への集中 |
ステージ5 | RPA+物理的身体 | 長期的展望 | 人間しかできない業務への集中 |
(引用:「スマート工場の仕組み」日本実業出版社)
ニュースでよく取り上げられるRPAですが、ITと混同されたり、上記のようにAIとの組み合わせで
レベル感が違う事はあまり認識されていないので、話してるうちにごっちゃになりがちですね。
RPAだけ用いるレベルでは、主に管理業務(勤怠・計画・発注・在庫)や分析です。
AIが加わる段階で、”予測”が入ります、需要予測、在庫予測、品質など多角的な要素を加えたデータ
が出るので、意思決定にプラスの要因が出てきます(判断の精度が上がる”かも”しれない、最後は人
間の仕事)。
ステージ5はたぶんサイボーグの世界だと思いますww
下の動画(1分少々)、ぶっ飛びますよ!
金融の世界の例なので、ぴんと来ないかもしれませんが、アメリカの経済が順調で失業者が減っているのに
平均賃金が上がらない理由に、金融業界の高給取りがRPAでリストラされてるから平均値があがらない、
という話を聞いたのですが、この動画で納得しました。これを銀行も使っているというニュース。
(残念ながら動画が削除されてます。動画内容は為替の動向を予測して、顧客に本日の予測値をメールするという内容でした。代わりにゆる〜い動画をお楽しみください)
我々の服飾業界でのAI予測は、ニュースなどで知る限り、見切りの判断や、追加の判断、プロパーで
通用するのかなど足元商品の価格と商品価値の見極め(いわゆる鮮度)に関することが中心だと思い
ます。
現実的な予測なら、上記のデモの様に100店舗以上の売り上げデーターでも迅速に分析し、来週の
売り予測ぐらいは出しくれそうです。おまけでマークダウンの指示も。
作り手やバイヤーの主観的な思いこみや、妙な自信に惑わされず、実際的な価値(価格)を判断して
くれます。(それじゃ、割引クーポンばかりになるだろう!主観がなくてどこがセレクトなんだと!
いうご意見もごもっともな事だと思いますが、出てきたデーターを使うのは人間なので、そこはし
っかりしてもらいたいww)
ここまでご紹介したデジタル革命から、妄想は広がりまして、どこまでこういう”革命”は拡大するの
だろう?と妄想が広がりまして「人間拡張」という言葉に出会いました。
昨年(2018/12/26)のニュースピックスの記事を参考にまとめてみました。
人間拡張って何だ?
人間拡張という言葉は、英国の自然科学者ロバート・フック(顕微鏡で植物の細胞構造を観察)
の著書から生まれてる様です(十分な説明は見つけられませんでした)。
写真引用:Wikipedia
この人が原点と言われていて、17世紀の人なんですが
本の中で、人には3つの欠損があるといっています
1、感覚の欠損
2、記憶力の欠損
3、論理的構成能力の欠損
「自分は光学機器を使って研究を進めて顕微鏡が生まれた
顕微鏡や望遠鏡をつかうことで今まで見えなかった事が見えるようになる」
人間拡張とは、人に寄り添い人の能力を高めるシステムのことです。
これだけびしっと定義されていると、現代の発明も理解し易いと思います。
18世紀になり、産業革命で手足の変わりに機械や蒸気機関の発明、
2010年代で身体の超人化(アイアンマン)や脳機能の人間拡張
実際に真面目に”アイアンマンスーツ”を開発しているアメリカTVショー司会者
(全体で10分、4分30秒くらいから飛びます飛びますww)
(脳の拡張というと世代的にこれを思い出します「ジョー90」)
実業家イーロン・マスクは脳に電極を埋め込み、「思考するだけでスマホが作動する」実験を
来年から始めるそうです。脳細胞が反応する脳信号を読み取って機械につなぐ研究は進んでいます。
テレキネシスやテレパシーは漫画の世界ではなくなってます。
(主人公が宇宙人の遺産を引き継ぎ、超能力で活躍する横山光輝先生の名作、1971年)
2020年になり、超高齢化時代で労働人口を増やす事が世界的な急務となり続々と開発されています
人間拡張の全体としてどういうものがあるかのまとめ
運動・感覚機能の拡張
- パワースーツ
(映画エイリアン2に登場したパワーローダーのプラモデル)
- 義肢
(2015年グッドデザイン大賞 イクシー社ハックベリー)
- 拡張現実実(AR)ポケモンGO(現実世界に視覚情報を重複投影)
(工場で作業社がゴーグルを付けると、視界の中に作業手順が出てくる、ソース
複雑な作業もこなせるし、従業員訓練にもなる)
時空間・存在の拡張
・仮想現実(VR)「映画:レディープレーヤー1」(クローズドな非現実世界をあたかも現実の様に見せる)
・テレイグジスタンス「離れた場所にあるものを、近くにある余感覚で操作すること」
・体外離脱視点「VRで体外離脱して、自分自身を第三者の視点で見る事が可能」
日産の「アラウンドビューモニター」
他には。。
身体像・主観的身体位置の拡張
・エクストラパーツ
・スパイダー・ビジョン「装着する事で腕や指を増やし、作業量「8つの目を持ち、死角が見えるようになる」
いい具体例見つけ切れませんでした。。
しかし、ここまで人間拡張してくると、それは人間自体を超えた存在になるのじゃないのか?
と誰しも思いますよね。
オーバーマン
人間を超えた存在を描いた「ニューロマンサー」映画ブレードランナーの原作ですが、ウイリアム・
ギブソンが1984年に書いた本です。
サイボーグ009は石ノ森章太郎先生の1964年の作品。60年代に発想がすごい
(サイボーグ009DVD:アマゾン出品より32000円)
ジャックイン
Iotの次にIoAという概念があるそうです。
東京大学大学院 暦本純一教授の興味深いレポートをぜひお読みください。
つまり、インターネットでものと繋がるのがIoT、能力と繋がるのがIoAだそうです。
能力と能力を結びつける。。すごい
例に出ているのは、人とドローンと結びつける(ジャックイン)、そうするとドローンの視点で
見ることができる。その様にジャックインの対象を変えることができる、人と人とをジャックイン
すると、相手の視界で見える様になるとか、感じる様になるとか。。
私は孫に「おじいちゃんとジャックインするかい?」と孫の体験するアクティビティを側で一緒に
楽しむことができるかもしれませんww長生きしたいものです
変化は想像よりも早い
チェス盤の法則というものがあります、半導体の集積密度が18ヶ月ごとに倍増するという
有名なムーアの法則は倍が倍になる指数関数的な性質を表してますが、チェス盤の法則は、変化は
最初は緩やかでも後半はすごいことになる!というイメージをよく伝えています。
チェス盤の最後の方のマスに置くべきコメの粒は、体積で富士山を超えることになるので、王様は
ペテンだと怒ってしまったという話です。
ただこの法則は現在進行形で、現在はチェス盤の真ん中あたりになるそうです。
ということは。。。
そうですね、ここからの進化はそれはすごい事になるとしか言えないですね
自分で考えるしかない
RPAの話から、ここまで妄想が広がったという話にお付き合い頂きありがとうございます。
我々に商売の世界でも、2005年ぐらいのブログ、ファイスブックから、2007年のアイフォン発売で
雑誌よりもインスタグラムやSNSに変化しました。
いろんな技術がコミュニケーションに与える影響は大きいです。
しかも、それらの技術も5年ほどの水面下での改良ののちに、一気に広まっていきます。
思うに、すこし疑って見えるこれらの技術の浸透は5年もかからないのだろうと思います。
これらの人間拡張がどの様になっていくのかを楽しみにしていますし、自分の業界にもどの様な
影響を与えるのかも気になります。次回は、一番可能性が高いと思っているVR(仮想現実)をレ
ポートしたいと思います。
ではまた次回