こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?
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生き残りと変化
オンワードの店舗削減急ピッチです、前期700店舗削減、今期も同程度の予定という事で元の店
舗数から半減です。数より質への転換へと舵を切り直すそうですがスピードと規模に驚かされまし
た。コロナショックを受けて各社とも大なり小なり構造改革へと着手する様ですね。
撤退するのか継続するのか
「時間を無駄にしない」というのは各社共通です。勝っているところは綻びが無いかを点検する、
時代の変わり目に居場所から転落しそうなところは抜本的な改革と、程度の差があれど”急いで行
う”のは同じです。その点、オンワードの現経営陣、決断の速さは(こうなるまでの展開は別にし
て)ZOZOアリガトウからの撤退といい目に付きます。
胸突き八丁、先が見えない中で息が止まる様な窮地ではありますが、ここはアフターコロナに備
えて、オンワードを良い手本にスピード感のある判断をしていきたいものです。今回小売店様でも
政府系金融機関から借り入れをした方もいらっしゃると思うので、その場合の今後の「倍返し!」
戦略を考えたいと思います。
借りを返すには
まず目標を出す
では、借り入れをした場合で来期の目標売り上げを出しましょう。
・借金返済額
・設備投資額(もしあれば)
・貯蓄したい額
を出して合計します→Aとする
A✖️2倍が必達利益目標(Bとする)です(2倍にする理由は税金が約半分あるからです)
・人件費
・固定費(人件費と同額くらいかかる)
Bにを加える。
B+(上記経費)=必達粗利目標(Cとする)となります。
仕入れや売り上げに連動する経費を加えます。
ざっとやるには
C(必達粗利目標)を粗利率で割り戻します。
粗利率は(100ー調達掛け率)ですが、全てプロパーで売れるわけはないので、セールを入れる
と実態はどの程度なのかは把握しておきましょう。
Cを実際の粗利率(セール込み)で割ると必達売り上げ目標(Dとする)になります。
当面の目標はこれになります。どうすれば達成できるかを考えていきましょう。
少し分析してみましょう。そこでD(必達売り上げ目標)を月々に落とし込んでみましょう。
100%を12ヶ月で割ると、ひと月平均8,3%になります。均等には売れませんので自店の月指
数を出してみます(月の売り上げ➗年間の売り上げ)。
理想的な品揃え方月指数は(店により個性の違いはありますが、強い店の特徴はセールに頼ら
ず端境期が強い事です。コンスタントに来客がある事を示しています。つまり8.3%で変動幅が
少ないのは良い事です)
4月8、1%
5月7、6%
6月7、0%
7月8、2%
8月5、3%
9月8、8%
10月9、3%
11月9、8(セールの前の月指数が落ちないのは強い店の証拠です。売り切れる前に買おう!)
12月9、3(現在は10月11月の凹みが12月のセール売に乗るので都心では12%ぐらいはある)
1月10、7%
2月5、9%
3月10、0%
セール月の売り上げが高くなければプロパー期の指数が高い事で粗利は高く、資金繰りも楽に
なりますが、セール月が高いと量をさばくストレスが高いはずです。(先払いになる)
1年の必達売り上げ目標をどの月で取るべきか、それには強みを伸ばすか、弱点を補強するのか
を考えることが戦略になります。
大事なのは、誰しも弱点はありますし、伸ばしたい月はあります。そこを眺めて終わらせずに強
化する月に向けて、半年前から策を練ることです。そして行動することです。どうやって伸ばすか
は戦術となります。(テレアポする、キャンペーンする、チラシを撒く、DMを出す)
と4つのステップを紹介しましたが、①の利益目標をしっかりと把握してください。利益が出ないと
借り入れの返済は出来ません。もし、経費とかは頑張って押さえているし、掛け率も交渉しているの
に赤字だと言うのであれば、月指数で自店の販売の構図を見れば赤字になるべき理由も見えてくるの
ではないでしょうか?
赤字になる理由
・月ごとの売り上げ絶対的ボリュームが足りない(商品力がないか認知度が足りないか、または両方)
・プロパー弱くセール比率高い、春弱く冬に偏ってるなどのバランス(行き当たりばったりの販売)
第一義には「目標の把握」です。そこから弱み強みを見ていきます。幾ら目標に足りないのかを見て
いなければ、今後良くなるのに何が必要なのかを学ぶ術がありません。
レバレッジを掛ける
足し算を選ぶか、掛け算を選ぶか
有能なマネージャーは足し算を選ぶと以前の記事に書きました。足し算は確実性が高いからです。
月末には田中様が来店されるので売り上げがオンされると考えるのは足し算です。田中様の来店
のために先週DMを出し、好みの商品の入荷があったと伝えたのは有能なマネージャーの仕事です。
もし、田中様が来店した時にサプライズで友達を5人同伴されたらどうでしょう?途端に売り上げ
は掛け算の効果が出てきます。何かと何かが組み合わさって効果が相乗的に起きる事を「レバレッ
ジ効果」と言います。(レバレッジを掛ける:FXをしているので保証金の5倍の金額を使うことが
できる。自動車を買うときに頭金を入れて後はローンにした。このように保証金や頭金をテコにし
て(自分の資金の)何倍かの金額を動かす事を言います)
上記で建てた必達売り上げ目標が高すぎる!こんな目標は無理だ。また月指数のバランスが悪すぎ
ると感じた方、悪い状況から一足飛びに改善する方法があります。悪いほど改善度合いは高くなる
可能性があります。それがレバレッジ戦略です。なぜ田中様が5人もの友人を連れてきたのか?
そうしたくなった気持ちの裏には何があるのか?そこを考えていきましょう。
レバレッジと聞くと、(金融系のイメージがあるので)きな臭い手法と想像しがちですが、うまく
はまると絶大な効果を発揮します。平常時には興味のない人も、現在のような非常時にはこういう
発想をするのも良い機会ではと思いお勧めする次第です。
メーカーバージョン
3ステップで行います。
①改善項目を出す。
②組み合わせる
③効果を測る。
また1、2、3と繰り返して焦点を絞っていく。
適時✖️適価または適場または適品または適量の組み合わせを選ぶ
意味合いは言い換えて見る
適時(慢性的に納期の問題を抱えている)
適品(ターゲットが絞れていない、消化が悪い)
適場(販売チャネルが少ない、ブランドの世界観が見せられない)
適価(ターゲットに合っていない、現在の店の場所に合ってない、価格がばらついている)
もしブランドの弱点で「適場と適時」が出てきたら、価格や適品のMDやコンセプトは良い商品が、
納期と販売チャネルの問題で自滅していることになります。その足りてないチャネルがECだとして、
そこでの納期と現在の販売先(OEMだとすると)での納期課題はどの様にになるでしょう。
両者の問題が掛け合わされる視点で解決策を仮説立てしていきます。課題の解決が社外にあるとすれ
ば外部の協力先との関係性になるでしょう。関係先が少ないのか関係が悪いのか、信頼関係にないの
か?また社内に課題があれば今の人数で生産やパターンをどうするかの問題など糸口を探っていきま
す。
日常的に納期問題は出ているでしょうがそれは単発で対策が考えられているとは思います。単発で
考えるのも良いですが、2つを組み合わせて条件設定をすることで思わぬ発見や、出したい効果が
見えてきたりします。一方で、デメリットは意見が交錯して混乱するので、こういう時間があると
きにじっくりやるのがお勧めです。
地方専門店の場合
上記の5適を言い変えて使うのも良いでしょう。場所(チャネル)の問題や量(EC売り切れると
店頭が寂しくなる)もあるでしょうし、ターゲットが絞れていないと価格、商品の問題が出て来ま
す。他にも「サービス」などもあります。また専門店の場合、検討すべき項目は「認知度」です。
自店が3年以上運営していて売り上げに満足できないならば「認知度」の問題は大きそうです。こ
れに加えて適品や適価が出てくる様だと、ターゲットが絞れてないから認知も上がらない状況なの
かも知れません。
認知度は大事なことなのでまた別記事を書く予定です。
当事者が一番わかる事ですので、じっくりと組み合わせを考えることをお勧めします。上記の例は
「弱点✖️弱点」でしたが、「弱点✖️強み」でも良いですし、「強み✖️強み」でより突き抜けるアイ
デアを出すのも一考です。2番手が追いつけないところに行くには。。というのも良いですね。
それらの相乗効果がもし田中様の不満を解消することになるか、もっと喜んでいただけるかすれば
ご友人を案内してくださるかも知れません。
巴投げ、うっちゃり、オセロ、江夏の21球
とりあえず生き残ろう
もとZOZOの前澤さんも「借りるだけ借りて、先は先で考えろ」と言ってます。ピンチをチャンスに
とも言いますが、具体的にどうすれば良いのかわからないところがあります。
ボロボロの車を再生して売り出したり、イケてない人をアドバイザーが丸ごとプロデュースしてくれ
たりするリアリティーショーはあります。見ていてスッキリします。登場人物は悩みがあっても言い
出せなかったり自分を客観的に見れなかったりします。
「自問自答のススメ」でも書きましたが、一番楽なのはその様な外部のアドバイスをもらったり自分
で問題点が見つけ出すまで付き合ってもらうことです。今回はその外部の助言があったとして再生プ
ランの焦点をどこに当てていくかという事で参考事例を書いてみました。よければ試してみてくださ
い。
世の中、一発逆転はありそうもない様な感じですが、商売に関しては自分で自滅する例が多く、サイ
ドブレーキを引いたままアクセルを踏み込んでいることも良くあります。本人は焦っているから起き
ることですリスクを取ってやっている事ですから恥じることはありません。でもそんな空回りももう
大丈夫!目標があればあとは行動するだけです。江夏投手も切り抜けました!
56分のNHKスペシャルです。野村克也さんの解説です。
ではまた次回