こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
このブログは現在6年目です、途中で引っ越しましたのでワードプ
レスを使始めて5年です。今年の6月で7年目に入ります。
今年の後半には独立する予定ですので、フリーになります。
九州、福岡を拠点に活動をするつもりです。
距離的に近い方は是非お目にかかりたいです。
昨年は後半から九州中心にメルマガとチラシを作成して活動しま
した。その分このHPが少し疎かになってしまいました。
メルマガの目的は名刺交換等で顔がわかってる方との意見交換で、
2ヶ月に1回発行しています。
そしてチラシの配布は福岡の合同展「ゴールドラッシュ」の場を(
主催者のユニック商事様のご厚意により)お借りして23年夏より
行ってます。チラシは内容を専門店様向けに絞りまして過去記事を
整理し読みやすく工夫しました。
これは専門店様との意見交換を期待して始めたものです。ブログを
通じて読者になって下さった方とも、ご挨拶できる環境を作りまし
た。九州に近い方はぜひご来展いただければと思います。
その際、ぜひ名刺交換させていただきメルマガも読んでいただけれ
ばと期待しています。
このブログでは、対象者様が中小アパレルメーカー様と地方専門店
様向けと称していますが、テーマによっては偏りが出て、そもそも
誰に向かって話しているのか?わかりにくい点も多々あります。
それはメルマガやチラシを作る様になって気づいた事です。今後は
らを改善し一層精進してまいります所存ですので今後ともよろしく
お付き合いください。
Contents
23年から24年にかけて気になる変化
手軽さと愛される存在
消費の二極化は常々言われてる古いテーマです。私も2000年前後
から社内向けに何度かまとめています。
2000年当時は、いわゆる自称中流と認識してる数が減っていると
言うようなまとめをしていました。世帯所得で600万がその断裂の
境目だと。
それから約25年ほど過ぎて、左右の格差は大きくなりました。例
えば左手を世帯所得が低い層とすると、その層は女性を中心とした
購買層で貧困化に近いところまで落ちていってます。(IT化で正社
員の枠が減った事が直撃している層とも言えます)
逆に右手の層には、2000年当時の「金持ち父さん」本に触発され
た人たちが”投資”へ目覚め25年の年月の成果で無事億万長者入りを
果たした人達が含まれています。
投資家が消費大好きでは無かったりしますので、隣の地味な身なり
の方がそう言う成功者だったりします。
これら格差の社会的な問題点を語ると脱線して行きますので、そう
いう存在があって差が開いてますよね?をコンセンサスとして、こ
こでは彼らの消費行動に関してまとめてみます。
感覚的な表現になりますが、この二極化を我々の商売で捉えると
「手軽さと愛され感」という特徴になるのではないかと感じます。
・時間がない生活の中で無駄なく、無理なく消費をしたい。
・時間のお手軽さではECが便利である。
・郊外モールもお手軽ではあるが、自分の消費より家族の行動を優先する。
・無理なく新鮮なスタイルを取り入れたい。指南役として同じ目標を持つ
インフルエンサーのフォロワーになる。
・インフルエンサーに商品を提供し歩合で依頼する業者が増えた。
・それらの業者がZOZOや楽天の中に店を持てる。
・それらの業者は多数のOEM業者サンプルの中から、インフルエンサーの
反応を加味して売れ筋を絞り込んでいく。
・結果として多数の目利きによるテストが内在することで大型ヒットが生まれる。
・ZOZOの様なプラットホームの中にプラットフォームがある構造。安心感と
利便性。
・その様なテストされた商品を選んでいる限り、購入後に失敗したと感じることは
少ない。
・消費者からすれば少ない時間と少ない投資で満足が得られ、全てのつながりがDX
化でより「お手軽」になっている。
供給業者からすると真っ赤なレッドオーシャン!
・世帯年収と投資の裏付けがある層は、自分が満足できるストーリーを消費にも
求めている。(自分大好き、自分は大事な存在、そんな自分にふさわしいブラ
ンドを選別する
・以前はラグジュアリーがその対象であったが、ブランドネームに執着する消費は
馬鹿っぽく見える。
・サイレントラグジュアリーと呼ばれる、わかる人にはわかる高級感がピッタリくる。
・ラグジュアリーのニットが20万ならば、新たに求められるゾーンはその少し下に
生まれてくる。20万→14万→9万8千円→6万8千円→4万9千円
・5万以下は従来の既存ショップにあるため、10万、7万あたりのゾーンが百貨店に
新設の動きがある。
・不特定多数に向けてのブランド設定ではないため、特定のペルソナ層に対して深い
繋がりを必要とする。
・「誰が私のために作ってくれている」と言う作り手の顔が見える距離感は従来の
ラグジュアリーには無いもの。(いわゆるディレクターとして作り手の登場)
・レストランの店名よりもシェフの顔と名前が有名な存在であるような関係性。
・何ゆえ”愛されるか”といえばディレクターの生き方となる。大事な自分と重ね
合わせる。
(The Row オルセン姉妹:控えめ、静かなカリスマ、完璧を追求)
。。。と、主観でまとめましたが
問題なのは商売するものとしてどちらを目指しますか?の2択が
含まれてる事です。
顧客様にとってお手軽な立ち位置(気軽で損しない)か愛される
存在(心の絆)となるか。。
この先々、人口減をを考えるとOEMメーカーさんはプラットフォ
ーム入りを目指し、専門店様は地域で「愛される存在」を目指す
事になるのではないでしょうか?どちらにせよ大変ではあります。
四季と二季
温暖化がニュースになる頃から4年に一度はスペシャル暖冬を味わう
のが定番化しています。
いくら予報があっても”そう”なってみないとわからないものです。
23年は酷暑でありました。消費のトレンドがノーカラーシャツやブ
ラウスだった事もあり、ジレやベストの重ね着で年間過ごせること
に消費者の方々も気付いてしまい、防寒具への興味を賢く回避して
ます。(しかも流れがロング丈からショート丈ですし)
暖冬とはいえ、平均して仕入れの7割の防寒物は消化できるのです
から、この先はあまり感情的(冬への恐怖心)にならずに自店の基
本データを基にアイテム調達されると良いのではと思います。
今は、庶民派インフルエンサーが毎年の環境や気分に微調整した着
こなしアイデアを提供してくれてます。そう言う情報を顧客が先に
見ていただいてれば商売としてもお勧めしやすくなると考えれば良
いと思います。水先案内人はうまく活用したいです。
重ね着で役に立つアイテムは?今年の重ね着で鮮度を出すには?な
どアイデアの手数が大事だと感じます。(古いお店ほど待ちの姿勢
が強いと感じます)
二季だと特定の季節(夏)が長いので、特に手数を増やして(鮮度
商材の回転とニュース提供)メリハリをつけて行くことが大事だと
思います。
中・低単価を回すのですから積極性が必要です。
また消費者は長い季節中でスタイリングの柱となる商材(ボトム・
オールインワン)を探すでしょうから、そこは縦売りしたい所です。
(耐久性・利便性・価格の3拍子商材を探しましょう)
季節区切りの変化で多少やり方は違えど、顧客観察すれば明瞭です
。心構えで四期も二季もあまり変わらないと思います。
OEMの向かう先
この業界、約1万7千社ありますが、ほとんど零細のメーカー様で
構成されています。
世に名前が覚えられてる事業やブランド支えているのはこれらのメ
ーカー様の商材です。どのブランドも知る限り完全オリジナルの規
模ではありません。
OEMメーカー様の立場はそれらのブランドを支える存在でありなが
らフェアな取引を保証されてるものではありません。
過度なサンプル修正や無理な納期の一方的な要求をした上に、約
束不履行だという難癖に重ねてペナルティの要求など、好調と聞
く振興ブランドについて回る黒い噂は多々あります。
その様な、お立場のOEM会社には個人的な知り合いも多く、それ
ゆえこの先の戦略を考えたりします。
私の思いつく限りでは2つ(2つのステップ)です
・工場とメーカー間の手数料をなくす、なくした分が競争原資になる。一つのチームになる、 利益をシェアする。
・工場が回るだけのオーダーを集める→いわゆるヒットを作る→回すには枚数がいるので
低価格になる→ヒットを作るには各種テスト販売をする仕掛けが必要(営業はマルチチャン ネル⇔卸・OEM・プラットフォームEC)
・工場を回すための現金がいる→スポンサーを別に確保する必要がある
・一体化することでサンプル作成〜提案の時短化が望める。ヒットすれば横展開が早い。
・工場を回すために量が必要→OEM集積プラットフォーム型の中に入る→
サンプルからヒットをインフルエンサーに見出してもらう。
・上記のヒット商品の企画の横展開、または素材の横展開を自社ブランドで展開する。
一つのヒットをOEM商売とブランド商売で極大化させる
・単独で通販サイト、卸を行う→ヒットの材料探しを目的にする→メーカー部門の売り
上げ(部分最適)でなく、工場ベースの回転に全体最適を求める。
・OEM商売とブランド商売で存在感を高めていく→市場分析能力の評価→正当な取引条件を求 める。
・ソースを活用して目利きからの情報で大量縦売りを狙う。ヒットが出ない時期に備えた定番 でライン回しと低コスト(超少人数)は条件。
実際に近い活動をされている方をヒントにまとめてみたので、まる
っきり絵空事でもありません。ご参考まで。
トレンドの変化
キャンプ用品の苦戦が昨年より伝えられ、23年の後半には関係各社
の業績にはっきり出てきました。キャンプ用品の需要に対して供給
が上回ってのが原因です。
アウトドアウェアの売り上げはまだ最高潮の域です。あくまで個人
的な見立てとお断りしておきますが、この先は需要一巡でフェード
アウトに向かうと考えています。
ベーストレンド軸はカジュアルとコンサバ間を約15〜18年周期で
動くという業界話(地動説w)に私は賛同しています。
よって近々、コンサバ(トラッド)が新鮮に見えてくるものと予測
しております。24年SSのトレンド予測にポロシャツやラガーシャ
ツが出ています。果たしてクルーネック全盛から襟付きに変わって
いくでしょうか?シーズンが楽しみです。
(AIに考えてもらったプレッピーな画像、なかなか全てのリクエス
トは聞いてもらえない、3秒で描いてくれるから文句言えない)
また地動説的大きなテーマの移行期には、テイスト違いのMIX感が
出てくると感じています。現に進行形です。
カジュアルにモード感(バランスなど)、コンサバにエッジ(素材)
などスパイスというよりスタイリングのコントラストが強くなって
いると思います。
ZARAがメゾンスペシャルと提携したのが良い事例かと思います。
(自社でできないものは他者に任すです。専門店様は仕入れのバラ
ンス9対1、8対2ぐらいの割合でスパイス品の差し込みが良いで
しょう)
地本専門店様が持つカジュアルやコンサバテイストにエッジやモー
ドバランスを加えることで爆発的に売り上げが上がるかというと、
限られた効果かもしれませんが鮮度は確実に上がると思います。
スタイリングの幅が広がり組み合わせの妙が生まれるので、顧客
の満足度は上がるのではないかと思います。
(90年代にスタイリストブームになりベーシックにスポーツ・古着
・ラグジュアリーとMIXスタイリングが華やかになりましたが、そ
の令和版と個人的には理解してます)
とりあえずお好きな、ある材料を生かして、自店・自社なりの切り
口で商売を進められるのがよろしいかと存じます。
ビジネスの細分化
セレクトの大型事業といいますと200億〜300億ぐらいのスケール
ですが、見るところ退店と出店が同じぐらいで今後も右肩上がりと
は思えません。
一方で元気が良いと言われるブランドは当てて40億ぐらいの規模
の様です。
前者の大型事業は8割ぐらいが実店舗での販売されてるのに比べて、
最近の好調ブランドは旗艦店・インショップ・ECサイト・自社EC
・卸と他チャンネルで売り構成もほぼ同率という5本足打法になっ
ているようです。
多分にリアル店舗で販売員を抱えるコストであったり、プラット
ホームと自社ECで手数料コストなどバランス化を図っている様に
も見えます。
旗艦店と自社ECを持てる、そこを消費者が支持してるということ
は「世界観」を出す力があるという事です。
ECとリアル店舗の併用は、顧客への利便性の対応と現物での感動
体験の提供もバランスであり、両方のチャネルで抱える在庫リスク
の分配ともいえます。
このように環境変化(お客様側の事情、提供側が使えるサービス)
を鑑みると何も大きな会社に所属しなくともやっていけるのでは
ないか?となるのではないかと思います。
大型事業を抱える会社は、販売システムとバランス調整の時期を
逃し、この先は古い販売戦略とインフレの中で小さく小さく丸ま
っていく気がします。
その一方で、小さな熱狂的な顧客と伴走する振興ブランドが多く
出てくるのだろうと思います。
江戸時代の人口縮小下で天災も多く、政治も乱れた元禄期に多く
の文化が生まれましたが、また再現なるかと中期視点で感じて
おります。
百貨店の顧客管理
伊勢丹の過去最高益の事実で、百貨店が実行する顧客管理を無視
出来なくなりました。大事なのは向き合うと言うことですね。
結局、商いは原点に帰るのか。。
コマーシャルのように大量に販促することが意味がないと長らく
いわれてましたが、逆に顧客を絞ることでの成功例がありません
でしたから23年のこのニュースは新鮮でもありました。
百貨店だけでなく金融その他のサービスでも同じ様な成功例が増
えるのでしょう。(我々の商売が最後尾かも知れません)
・「絞る」という勇気
・顧客単価が高い商材の提案提供
・満足させるサービスの工夫改善
・継続できるチームワーク
上記の「手軽さと愛され感」で述べたことと重なります。
そして人不足
不人気な職種には理由がある。
↓
妥協して採用基準を下げる
↓
問題の発生
というのがニュース記事を見ているとよく分かります。代表的なの
が教員の不祥事多発だと思います。
事業が成熟化すると、一般的に成長率は止まります。現状維持が精
一杯でしょう。店頭への来客はフリー客は少なくほとんが”顧客”
です。
ブランドには約束事があり、その約束を期待基準として顧客はご
来店されます。期待するサービスが得られないと”裏切られた”感
情が出てきます。揉め事は大きくなります、期待が高いからです。
そうなると事業運営者は増加する基準コストと売り上げの天井感
に挟まれます。ジリジリと利益率が下がっていく。上から叱責さ
れる。
この状況で、販売員が減少したとしてもさらなる採用・昇給コス
トは認め難い。
一方販売員は人が減り業務が増えて給与据え置きに激しいクレーム
が重なりさらなる不満が溜まるでしょう。悪魔のサイクルです。
本来は経営が成熟期の手前から
・小型店は大型店舗に移設して生産性を上げる
・DXで付帯業務を劇的に削減する
・サプライチェーン改革でチェーン上のコストを潰しておく
などの対策が横串で部門連携して取り組まれるべきです。
経験談ですが大きな組織は、それは採用の問題だから人事部の
案件だという具合に部分最適に陥りやすい構造なので(役員の
担当領域で分断される風潮)。
事が最悪化するまで「全体」の問題解決のリストに上がってこ
ないのです。
もし、令和6年に事業を立ち上げるとすれば”人不足”は織り込ん
で事業設計するでしょう。新しい事業は環境を読み込めますが、
古い事業ほど運営DXは困難です。
事業歴が30年以上あり、店舗数の多いチェーン店は本格的に人
の採用に悩むのではないかと思います。
ブランド告知の宣伝費より人材募集の広告が上回ってくるでしょ
う。23年が人不足元年とすれば今年からは加速の年になるでしょ
う。
採用が困難と同時に人材派遣業の会社の経営(中小)が難しくな
っているそうです。理由は、賃金単価が合わない事態が多く発生
してるからでマッチング率が下がってるからだそうです。
逆に魅力がある職場はチャンスになるので、どういう戦略で生産
性をあげて従業員も成長できるか説明できれば良い人材が取れる
でしょう。
”この指標”に全力を出して貰えばインセンティブがこれだけもら
えると分かれば人は頑張れるわけです。人事の評価制度と商売の
戦略が噛み合っていれば成立するわけです。
採用がこれだけ難しいなら辞めない環境を社長が作るしかないで
す。
人材難で苦しむ隣の失敗を活かしていけば良いという事です。
個々に私の私見を述べましたが、ツッコミどころ多々あると思う
ので是非皆様と意見交換させてください。
来年もよろしくお願いします。
ではまた次回