65:「景気が悪くなったときに会社の抱える問題が表面化する」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

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足元のニュースは

オリエンタルランドの冬季ボーナス7割カットのニュースが出ました。これがアフターコロナの

序章だと思います。コロナ旋風が巻き起こした災害の後片付けがこれから始まる感じです。

 

12月に向けて続々と出てくるであろうボーナスに関するニュースは「都心部」の需要をより手控えさ

せる事になると予想しています。今は共稼ぎですから世帯の2人がダメージ受けますので。ここはガー

スー新総理の携帯料金引き下げや”スガノミクス発動”で消費者心理相殺を期待したいところです。

 

業界的には明るいニュースが欲しいところです。都心が苦しいと、フリー客やビジネス客に左右されな

いD2C事業の好調ぶりがより際立って「良く」見える事でしょう。D2Cはここからさらに注目される

と思います。

 

D2Cもその他の事業も、好調を継続するであろうブランドは氷山の様に見た目の売り上げは水面下に

大量の「ファン」が存在することで成立しています。その繋がりはネット・SNSで構築されており、

そうやって浮力を得てる事がSNSでコミュニケーションしない人にはわからないと考えます。

 

 

ですので評価には人によって違うのではないかと思います。

 

大手を中心にそういうD2C企業を抱き込もうと無料で自社インフラを使わせたり、提携したり画策が

進む事でしょう。D2C側もブレイク後の事業を継続して行くには財務の裏付けや規模の拡大から来る

悩みが出てきますから、緩やかなお見合いは進むかと思います。

 

集団から個の動き

社会的な潮流としても、テレビからYouTubeへ活動の場を変える有名人も多く「自分の色」を出せる

自由と責任に上手に取り組める人、あくまでテレビ番組の様なパッケージが組まれないと演技しよう

がない人に分かれて来ている気がします。

 

スポーツ選手も取材の受け答えに収まる事なく前に出る人は出ますし、大阪なおみさんに代表される

様に社会的な発言も増えてきています。国内芸能人の政治的発言はまだ干されますが、大衆から「個」

への変化は進むと思います。

 

今はユーチューバーからテレビに出る人が増えていますが、今後はTwitterやインスタグラムの有名人

がメジャーな立場になり「自分の考え」を主張する機会は増えるのではないでしょうか?私が好きな

ちきりんさんは(ブロガー出身ですが)13冊も本を出してますし、続々市井の人から(その発言が)

有名な人が生まれています。(WWDにもそういう紹介の連載が始まりましたね)

 

ちょっと前には想像もできない個人の影響力の広まりです。ムリして続けると辛い面もあるSNSです

が、社会全体に浸透したことでこれからはさらに「自分の考え」を「自分がどんな人間かを」知らし

める機会の提供になるでしょう。

 

ですのでEC販売の為と割り切ってSNSをしてる所と、個性を見てもらいたい聞いてもらいたいコミュ

ニケーションとして店の発言、販売員としての発言を発信してるところとでは先々大きく差が生まれ

てくる様な気がします。

 

それらは、決して表面的な宣伝文句の拡散ではなくて、「なぜお店を開いたのか?」「なぜこの服を

お勧めするのか?」を分かり合える場の構築になると思います。今までは店で展開している「ブラン

ド」の差が売り上げの差でしたが、これからは同じ様な仕入れ先なのに(構築したコミュニケーショ

ンの密度で)売り上げの差が開く時代になってきたと思います。

 

ですので、今からでも遅くはなくSNSでの発言は間違っているかどうかを気にせず、どんどん発信し

て「自分を知ってください、お店お知ってください」という行動をお勧めします。日々の行動が、次第

に自店の「氷山」を具現化していくと思います。

 

さて今日のテーマですが、アフターコロナの様な景況感が悪くなると、経営者が気になる問題点が露出

してくる事態について書きました。よろしくお願いします。

 

虫歯としそーのーろー

虫歯ならまだいい

たくさん食べて育ち盛りであれば、それは虫歯くらいは出来ます。歯磨きは大事ですが、会社の成長期

にコンプライアンスばかり強くしても仕方ないところはあります。

 

ですが、「ルーズ」な考え方は習慣化します。レジ管理や仕入れの管理を甘くしてると、必ず後々で問

題が出たりします(事故後、信じてたのに。。と言いますけど)。

 

磨き残しは歯石を作り、回り回って歯槽膿漏になります。ああ恐ろしい。。噛めなくなると人間死ぬの

は早いと言いますから、口腔内衛生は大事です。会社でも物やお金が出入りする部門は口腔内に似た清

潔に保つ管理が必要です。

 

会社がダメになるのも、これに近いところがあります。大企業病というのは組織が硬くなること(全体

の利益より自分の身の回りの安全や利便に重きを置くようになったりする)と虫歯や歯石を放置するよ

うにルーズさが組織を蝕む大きく2種類だと思います。

 

この2つに共通するのは、誰しも老いとともに経験するようになることです。地方の専門店様も都心の

企業も病名は違えど、じわじわと進行する、歳をとれば逃げられないところは同じです。

 

経験上、後に困る事になる「原因」は成長期から抱え込んでいる事が多いです。若い時は、成長してる

時は後々それが大きくなるとは考えが及ばないものです。

 

患部は突然できるわけではない

歯槽膿漏になってしまえば、患部は「歯」だとなってしまい、じゃあ「歯」を抜いてしまえばいいと、

成長期を支えた(例えば営業)部門を無くしてしまったり荒療治をしたりします。習慣の問題が部門の

せいにされたりします。

 

 

問題点は野性味(会社の成長力)と表裏一体なので指摘しづらい

巨大な穴になったのは、四六時中、何かしらの食物を口に入れており、食物も砂糖の多い(質の良くな

い取引)で、それなのに歯を磨かない事、さらにその意識が習慣化されてないことこそが問題の本質な

のです。

 

しかし、習慣化されてない(ルールがない状態)の時間軸が長く(先代の社長から)、会社のメイン事

業で(会社の大黒柱)行われてきたとなると、この事実には目を伏せたくなるのが人情です。「仕方な

いだろう」と皆思うわけです。「ここまで成長できたのはある程度無茶やってきたからなんだぜ」。。

 

かくして、巨大な虫歯は(以前から気付いているにもかかわらず)ある日突然発見された体になり、しか

もそのタイミングは自分たちで会社の問題点を探し出したからではなく、社会の景気悪化の時期に「我が

社も流石に自己点検する必要がある」と尻を突かれて突然机上に現れるのです。

 

ここで一転して功労者が犯罪者になる?上場前にはあるあるです。

 

需要減少が患部を露呈させる

「いざ」という日は必ず来る

今年の梅雨で三峡ダムが決壊するのではないか?と心配されました。批判されてましたが、その役目が果た

されました。何でも”いざ”という時にその能力が試されます。

 

お店で起きる「いざ」という時は例えば

・売上急増(後になりサービス低下のクレームが多く出てくる)

・売上急減(その予兆を見逃している)

 

店舗のオペレーションが質を保っていれば、避けられる事態です。売り上げ急増でその後のオペレーション

が崩れた例ですと、100円バーガーを始めたマクドナルドが有名です。消費者が殺到し、大混乱が続いた挙

句疲れ果てた従業員の投げやりな態度が荒れた店内とともに指摘されました。

 

洋服屋の事例では同じく90年代ですが、渋谷公園通りにセレクトが進出した頃、映画監督の娘さんのブラン

ドを仕入れて爆発的に売れた店がありました。開店から閉店までセールのような混雑が続き、接客から「お

客を捌く」風になってしまったのです。

 

クレームも出たそうですが、ブームがさった後もその記憶が抜けない販売員の態度が回り回って会社の危機

へと繋がりました。その後「サービスとは」を全社で取り組み蘇った事例があります。

 

「いざ」という日はいつか来る物です。それに気づくのは”需要の急減”がきっかけになります。商売ですから

最後は売り上げに現れるものです。

 

色白は七癖隠す

問題となる部分は日頃の運営に含まれています。それは魅力の裏返しとも言えます。先程の例では表が「魅力

的な商品がある」裏面が「サービスが雑、挨拶もない」です。表の要素が小さくなった時に裏の要素が表面化

します。それらは大概「店の魅力」に内包されているのです。

 

どこまでが許容なのか?という問題もあります。品質が低いから粗利が大きい、検査をしてないから検査代が

含まれてない。という商品もあります。中国・韓国・LA・パリには市場があり完成品をそのまま仕入れられ

ますし、原価も安いです。これらも、安心・品質と魅力・粗利が裏と表になります。

 

外注に出してるからコントロールできないこともあるでしょう。ここまでの話で、おわかりだと思い

ますが、メンテナンスをすれば良いのです。必ず歯磨きをする、身体は加齢とともに硬くなるとわか

ってるのですから手入れをすれば良いのです。

 

しかし、そうは現実はいかないというのは、

「習慣は大きくなってからは身に付かない」高校生になってから歯磨きが大事と言われてはたしてする

でしょうか?そりゃしないでしょうねww

 

「おじいちゃん運動しないと歩けなくなるよ」と一生懸命注意して歩くようになるでしょうか?歳をと

ると何でもおっくうになりますね。皆、同じように同じことで困るようになるんです。会社や店が10年

を越えるとそういう問題が蓄積されていくと思います。

 

トヨタに名言がある

川底の石をどかすには水量を下げる

世界のトヨタ、トヨタウェイとして各種問題解決の方法論は社内に持っています。トヨタの方法論は

学ぶ人は多いのですが、なかなか自分の会社に応用が効かない、ノウハウを持ち帰っても植え付けら

れないのも有名です。

 

シンプルですが難易度が高いのです。経営のトップが本当に信じていないと使えないからです。

 

例えば、Bの製造ラインだけ生産性が悪いとすると、そのラインだけ生産台数を半減させます。理屈

は「川の水量が減れば、川底が見えて同時に川底の石が露出する。そうすれば、川底の石(問題点)

をどかしやすくなる」というものです。理屈はシンプルです。

では同じように、生産台数(売り上げ)を半分に出来ますか?そんな判断はどのレベルまで遡れば同

意を得れるでしょうか。トップにたどり着くまで課長・部長・本部長の同意を取り付けることはでき

るでしょうか?たいていがここで挫折します。

 

中長期の安定化を優先させる

考え方の背景には、中期的な視点が入っていることです。体に不調があるなら、しっかり直した方が

中期的には良いのは明白ですが、我々サラリーマンは「短期が全てなんです!!」というのがトヨタ

思考を真似できないところです。

 

体の不調を隠して、虫歯を隠して日々出社するわけです。(この対応策は、人事の評価基準に中期

的視点を持ち込むことですが、どちらにせよ経営トップに意思表示が大きく関わるところです)

 

副官、副社長、現実と理想の調整役

またこういう課題の調整というのは日々の運営をしながらの仕事になることです。人間、走りながら

何かをするのは難しいです。マラソンの給水だって難しいですから、ましてマラソン中に着替えする

みたいな難度のことは難しいです。

 

短期目標を追う日々に、中期目標を混ぜ込むのは難しい。本来この役目は副官役、社長は表向きは

「数字を落としても良い」とは言えませんが、副社長が「俺が責任を取る、社長には言っておく」と

宣言して貰えば従業員は安心することが出来ます。

 

家庭に父親と母親、会社のリーダーと副リーダーでできることは多いです。

 

健康診断と社外アドバイザー

対応策は2つ

お勧めする対応策は2つです。健康診断で早め早めの発見に努めること。ただその会社の「良さ」と

「課題」は同居してますので、そのことを問題とは言い難い、長所を殺してしまうなどのジレンマが

発生するものです。

 

ですの会社の棚卸、「社内を可視化する」というスキルを用いたほうが良いと思います。それでしか

発見できないと思います。

 

もう一つは、注意してくれる人をアドバイザーとして用いることです。

 

健康診断に勝る危機回避はない

健康診断の良いところは、運命は変えられないが時間は稼げることです。突然活動が止まるわけでは

ない。時間的な猶予を見出すことが出来ます。大企業では内部監査をします。外部監査人は財務だけ

見ますから、それ以外の危機の芽は内部監査で調べます。

 

またコストの視点ではトラブルは川上になればなるほど安く済み、顧客に近い(顧客が第一発見者と

なる)トラブルが最もコスト的に高く付きます。お客様ところまで取り替え品を持っていくこともあ

りえますから、最終段階でのコストはものすごく高くつきます。

 

コンプライアンスと野性味

規則に縛られると何も出来ないという話は良く聞きます。小さい頃はお母さん、大きくなったら注意

してくれる人はいなくなる、うるさいぐらいがちょうど良い。

 

自分が欲しいものを仕入れると売れる、社販で売れるものはヒットになると言いますが、自分がされ

て嫌なサービスも同じことが言えます。それがルールになっているだけで、コンプライアンスと聞くと

中学時代の校則のように「大人の都合」に聞こえがちですが、自分達の言葉に言い直して理解しまし

ょう。「されて嫌なことはしない」です。

 

野性的な行動や風土が魅力的な会社もあるのは確かです。ソフトバンクの初期から見てると野性的な

行動ですよね。ベンチャーというのはそういうところがあります。しかし、信用は薄い。野性味がある

程度管理されてると信用が増します。

 

経団連に入れてもらえたり、上場させてもらえたり。ホリエモンは狼が麻酔薬打たれて捕獲された様な

感じでしたが。野性味と信用は表裏一体です。動物園のぐったりしてる狼も期待外れに見えますが、や

みくもに飛びかかられても困ります。

 

社外取締役、親戚のおじさん、母校の恩師

注視してくれる人を組織内に持つのは有効です。それこそ任命しても機能するかはその人次第になります

が、個人的な趣味でいえば「お節介な人」ですね。よその家のことにずけずけものを言うのはお節介な人

です。

何かと口を挟んで来る親戚は不愉快でもありますが、家庭内が会話もなく固まった時はそんな第三者でな

いと上手くいかない事もあります。ですから日々のことには口を出さず、本当のまずい方向に向かってい

る時にははっきり言ってくれる人が社外取締役に望ましいです。

 

母校の恩師もそうですが、専門性は不足していても人間的に尊敬している人、会社の理念に沿っているかを

判断できる人にお願いするのが良いのではないでしょうか?

 

と言うことでまとめてみました。

ではまた次回

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