48:「アフターコロナの社会変化10の予測」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

非常事態宣言1ヶ月延長濃厚の中書いています。

 

かつて会社の品質問題を調査した時の話ですが、何かしらの製品トラブルが起きている仕入れ先の数

は仕入れ先全体の17%ほどでしたが、品質事故の7割はその17%の先から起きていました。17%の

仕入れ先の事情は様々で、ルールはあるが注意散漫な作業だったり、事故の共有がなかったりでした

が悪気があるわけではありませんでした。自覚が薄く世間に比べればルーズなだけでした。

 

会社側から見るとトータルの事故数を減らすために全取引先へルールの徹底を計ります。しかし残り8

3%の優良仕入れ先にはその注意がくどくなるわけです。そういう先は誰から言われなくてもPDCAを

回し品質事故などの芽が出る前に理由を潰し込んでるからです。20年間事故なしという先も多いので

す。

 

このようにルールを守っているところはより工夫を重ねますが、ルールを軽く考えたり尊重していない

先は、どこまで言われても自社の事だとは気付きません。「いったい誰がルールを守ってないんだ?」

と他人事のように捉えてました。ですのでこの最後の2割の仕入れ先に理解して頂くには大変な努力

と時間がかかります、同時に優良の8割を過剰に疲弊させないようにしなければいけません。

 

同じようにパンデミックからの出口戦略には難しさが付き纏うでしょう。新聞には自覚なく歩き回る

感染者のニュースが出ますし、その類の行動を過剰に批判するSNS上の”自粛警察”のような動きもあ

ります。気持ちはわかるが行き過ぎはどうなんだ?です。

 

出口が難しく、一定の”悪気のない人たちの存在”がある以上、今後も人が集まる事で成り立っていた

経済活動は影響が長引くでしょう。アパレル業界も同じく影響を強く受けています。

 

身近な話でも、資金的に5末でギリギリと聞きます。6月自粛明けのセールからで何とか換金したいとこ

ろですが、その先の秋冬への不安が色濃くあるありますが、その時はその時考えれば良いとしておきまし

ょう。とりあえず、今シーズンを勤め上げましょう。

 

と言いつつ、今日は先の話をしますww。先の悪い要素を捉えた上で、我々商人の今後の取るべき方針

を模索してみる試みです。経営者は暗い中でも明るい未来を語らなければいけない場面があります。参考

になればと思います。(テーマ的に言い切ってますが、もちろん個人の主観ですからお許し下さい)

 

Contents

バックグラウンドの変化

市場の縮小とデフレ

Eテレの番組「パンデミックが買える社会」を見ていていくつか気づかされました。感染の混乱は戦争

と似ていると比喩に使われます(国家総動員とか異業種がマスクを作るとか)が、経済においては真

逆の効果をもたらすという事です。

 

戦争はお金を使う戦いなのに比べ、感染による隔離はお金を使わない戦いになります。よって戦争でイ

ンフレが起こるのに比べてパンデミックではデフレや縮小(我慢や収入枯渇)につながります。前回書

いた原油の急落が代表的な事例です。

 

 

デフレは商人にとっては強敵です。私の家でもそうですが、この自粛期間で家の整理を行い、娘達は不

用品を初体験のメルカリに持ち込み1日で換金したのは5千円で喜んでいます。家がスッキリする喜びも

ありますが、この先バイトができる保証がなければ今後は禁欲的に行動するのでしょう。これが世界規

模で起きるのが今回の特徴と言えます。世界規模というのがポイントです。

 

格差の広がり

感染の影響による経済的な損失は耐えられる層と生活を根こそぎ失う層の格差を広げます。企業も中小

は負担に喘ぎますが、世界的なインフラを持つ大企業はステイホームでも儲けを伸ばしてます。中小企

業は税金も払えず、そのような大企業はタックスヘイブンで課税を逃れたり赤字で払わないという姿勢

です。国家間でも企業間でも個人間でも格差は広がります。

 

税収減と公共の担い手

私達はパンデミックの最前線で戦う仕事に対して報いなければいけなく、報いがなければ成り手もいな

くなります。貧困層は手厚い生活保障を求めますが肝心の税収が少なくなります。世界を股にかける企

業が名乗りでない限り貧しい国では公共の担い手がいなくなります。嫌な役目を進んで担う人は現れる

のでしょうか?薄給で危険で感染リスクで嫌われる仕事です。

 

オンラインとオフライン

これは以前に記事を書いてまして「アフターデジタル」の世界です。デジタルが浸透した世界がどうなるの

か?そこではデジタルでない(オフ)とデジタル化(オン)の状況をどのように私たちは使いこなすのか?

です。記事ではオンラインが増えるのはもちろんですが、もっと両者が混ざった存在になる事を書いてます。

 

 

大小の社会変化予測「10」

「ソーシャル・ディスタンス」

まずテーマとしては「ソーシャルディスタンス」、心地良い距離と安心の距離と無駄な距離の削減

があります。自由を求める私達ですが、安全のための監視社会を認めればその窮屈さは距離で感じる

かもしれません。それが新たなソーシャル・ディスタンスになるのでしょう。

 

1、ポピュリズム:聞こえの良い話で人気取り

民主主義は多数決で決める以上、若者対老人では老人が勝つ(先進国では)。今後の価値観は自国

第一の考え方が主流になります。環境問題より自分の生活、感染食い止めより自分の生活。そういう

人が多ければ政治家はそれを無視出来ません。

2、国内生産、国内消費:地産地消

安い国で作るサプライチェーンのせいで、部品が揃わず何も完成品が出来ない事態になっています。

アパレルもそうですが、大量に安い国で作っても持ち込むまでの間に需要が変化する恐れがあります。

国内で安全に作ろうという発想に変わるでしょう。メードイン自国、メードイン御近所!

 

ブランド化も重なり、明石の鯛、関のさばのように、近所で作られることに愛着と信頼が加わるスト

ーリーが生まれてくると思います。国内で高いけどストーリーがあり納得出来るという物語です。

 

3、地球人:人類で協力しないとグローバル時代はこのような問題は食い止められない

自国優先主義、自分が良ければそれで良いという極端な行動は混乱をもたらします。新興国は市場で

高く売れる物に特化して農産物を支援していたりします(例えばコーヒーとか)。その為自分たちの

畑では食料ができず、海外のトウモロコシに頼ってたりします。そうなると生活そのものが海外情勢

にさらされることになります。

 

農産物の輸出国が自国優先と言い出した時にどうなるかです。

いわゆる自給率の問題が表面化するかもしれません。自己優先の度が過ぎるとこれが壊れる可能性が

出てきます。お互いに譲り合うのか、人のことは助けないのか?

 

また、出口戦略も貧しい国では低所得者が耐えられないので、自由に外出を始めていたりします。その

ような国での感染は止まらないので、「他県ナンバー」や「東京からの帰省者」は拒否のように移動を

制限したりすることは長く続くと思われます。

 

4、全体主義の台頭:個人は全体のためにある、全体に従う

緊急事態という事でハンガリーでは、現大統領が全ての権限を掌握したそうです。緊急事態宣言はなんと

「無期限」です。権力が無期限に認められ、悪用されたときはなす術がありません。日本でもパチンコ屋

を非難したり監視したりしていますが、強制的な執行力を現政権が無限に持つというのはいかがなものでし

ょうか?まさしく品質問題と同じような構図が政治形態に変化を与えているのです。

 

もし品質問題仕入れ先17%の先様に態度を変えてもらうには2通りあります。

①不良管理の仕組みをレクチャーする、サポートする、社内教育を手伝う。

②罰する、監視を強化しペナルティを上げる。

同じように①を選択する国と、②を選択する国が出てきます、これは怖いことです。

 

5、監視社会:自由より安全を選ぶ

自分の安全のために人を監視することを許容します。大阪ナンバーの車に嫌がらせする、東京からの

帰省者の自宅に「外に出るな」というビラが貼られる、こんな日常が続くとマヒする感覚はあります。

 

 

監視対象者は以前はテロ対策でしたが、これからは全ての市民の位置情報をデータ管理し、陽性判明

後に遡って行動範囲を追跡し、当時近くいた人も隔離対象にする仕組みです。自分のデーターを管理さ

れる不自由さの代わりに安全さが手に入ります。

 

しかし、これが政治体制と結びつくと、中国のような社会だから2ヶ月で感染を食い止めたと憧れを持っ

て語られるようになるとどうでしょう?中国のような社会体制はお望みでしょうか?となります。

 

6、社会的弱者への配慮:高齢者と病歴保持者 セーフティータイム&ゾーンの設置

分煙問題の延長として、おもてなしの一環としてサービスメニューに加えられていくと予想します。

「私達はソーシャル・ディスタンスを得る権利がある」となっていくでしょう。

 

オンラインでは送料をもちますというのがサービスですが、オフラインでは予約や貸し切りが特定の

顧客へのサービスになるのではないでしょうか?ブランドポリシーの中に「私たちはお客様の安全を最

優先しています」と高いレベルに掲げられるようになると思います。

 

7、ローカル思考・志向

何処に住みたいか?と問われて北海道の知事、大阪の知事のようなリーダーの地域にいたいと考える。

カリフォルニア州のような早期からの断固とした施策、ドイツ首相の判断力のように住みたい地域の条件

が変化するかもしれません。政府でなく地方自治体にリーダーシップを担う傾向が高まりました。

 

アメリカの中でも韓国や台湾のような感染への対応をする州と、イタリアやスペインのような対応をする州

と分かれていくので米国やEUなどのくくりでも考え方の違いが拡大していくとTVで述べられていました。

日本でもそういうローカル思考が芽生える中で、リモート的な環境で働き住処を変える人は出てくると思い

ます。

 

6、リモート:リモートで済むことの選別が進む、対面の貴重さ

デジタル(オンライン)の比重が高まり、その利便性を生産性と捉えデジタル化は加速すると思います。

一方で、その動きはリアル(オフライン)の価値を高めてくれるでしょう。重要な顧客は優先してリモー

トするように顧客の望む時間で接客するようになるでしょう。

 

リモートが主体になればなるほど、リアルな繋がりが大事になる、貴重になるでしょう。フラッグショップ

は大事です。

 

7、新世代ミニマリスト誕生:最低収入に合わせた美的な生活

今回の経済的変動にも影響をうけない(生活の我慢は生じない)顧客は今まで通りの購入をするでしょう

が、大多数の家庭は影響を受けます。専業主婦が3割しかいないとなると、残り7割の家庭は共稼ぎです。

夫婦どちらかの勤め先が悪化していれば、短期的にはその影響を受けるでしょう。

 

それでも、それなりに各家庭でバランスを取るようになり、収入に合わせた生活スタイルを見出していくの

だと思います。また世間はそういう生き方のモデルを必要とするのではないでしょうか。無駄のない生活で

美を取り入れるというテーマで我々はアプローチを絶ないようにしないといけません。

参考にしたい

 

 

8、世界経済GDP3%減速予測

IMFの予測では日本経済の年率−5%、4〜6月期は−20%です。これは相当なものです。現に日本のアパ

レルでも年商の20%のダメージがあります。これが世界規模で起こっていることは確かですが、その連鎖が

何処までおよぶかはまだわかりません。

 

ただ、国内もそうですが、平均で20%ということは「人が密集する」経済、航空・飲食・観光・交通・イベント関

連はもっと(多分60〜90%)のダメージがあるはずです。

 

世界中でモノが売れない、車が売れない世界というは厳しいです。

 

9、ポジティブがトレンド:パンクや反社会的はカッコよくない、ハッピーオーラに価値

最後の2つはポジティブを加えましょうww!

 

皆様も校則に反発して奇妙な学ランを着ていたと思いますがww、不良は王道や規則に対するアンチテ

ーゼですので社会が不安な時は反抗は成立しません。アフターコロナでは”真っ直ぐな利他心”ビューテ

ィフルマインドが社会トレンドになると思います。

日本ではトラッドやナチュラルなスタイル、伝統的な物、温故知新、大事に使う。そのような感じかな

と思います。

 

10、明るく考える訓練、マインドケアが広がる

トニー・ロビンズ曰く、脳は長い人類の歴史を支えてきたので、どうしても「不安」を感知するように

出来ているそうです。なので放っておくと”不安は増幅”するそうです。長期的には不安を煽るような10

大予測ですが、実際は「世界規模の協力や協調」が起きるきっかけになるかもしれません。

 

画像怖そうですがww

「自分が良ければそれでいい」という考えの対極を日本が担うかもしれません。ノーベル賞の大村博士

が薬の特許を取らなかったように「利他」の精神が日本にはあります。人によくして世界で感染を押さ

え、回り回って自分の為になる!というところが世界の目指すゴールであろうと、番組を見ていて思い

ました。

 

ではまた次回

 

 

 

 

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