83:「希望の秋!店頭をチェックして準備する」

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

 

 

気象庁の予報等を見ている範囲では、今年の秋冬は「普通の天気」の様

です。普通と言うのは暖冬でない、秋口に残暑が厳しくないと言う意味

です。

 

8月に35度を越える暑さのピークが来る年は、大概残暑に見舞われます。

(ここ20年ほどの気温データを見てる個人的見解ですが。。)

 

 

残暑が残ると、気温が10月以降にそれなりに下がっても消費者のマイン

ドは「冬はまだ遠い」と感じやすくなります。(新陳代謝のメカニズム)

1〜2月にいくら寒くなったとしてもその時はすでにセール中なので仕方

ありません。

 

 

アパレルの儲けは10月〜11月にいかにプロパー販売を伸ばせるかにかか

っています。(それに加えて端境期をいかに凹ませないか)

 

 

今年はその残暑きびしいパターンではなさそうです。秋の入り口を穏や

かに迎えるには7月に暑さのピークが来るのが望ましいです。今のところ

そうなっていると思います。

 

 

そうなると、このAWシーズンは順調な商売が望めるだろうと期待してい

ます。(コロナの鎮静化関連要素、ワクチンの普及、人々の行動は予想

が付きづらいので外して考えていますが、出来事はプラマイで相殺され

ると思います。)

 

つまりそんなに悪くなる要素はない。ですので前向きに秋に向かいまし

ょう!と言う話です。

 

 

また、一方でこの秋にかけての我が業界の変化を上げるとするならば、

「在庫縮小と積極的なトレンドテスト」だと思います。

 

 

各社コロナで大きな痛手を受けたので、しばらくは強気の在庫を抱えた

りはしないでしょう。その思考法の延長で、早めのテストをSNSなどで

積極的に行う様になりました。

 

各社インスタに”ものすごく”力を入れ始めましたので、秋冬商材も先行

してSNSでお披露目しています。その甲斐あって、シーズン前にそれぞ

れ「な〜〜んとなく」秋冬の手応えを掴んでいる様です。(少なくとも

手応えがないデザインは分かります)

 

 

テストデータを詳しく知ってるわけではありませんが、ライブを視聴し

たり消費者動向から推測すると、ガッツリ外出用のアウターというより

も、軽い羽織やルームウェアーに近いカットソーの様な気がします。

 

 

実際にはシーズンに入らないと、このテスト予測が正しいのかは判別で

来ません。しかし、コロナ前に比べてばこのテストデーターで在庫を手

当てしていく、つまり期中の調整に努力する体制への転換は天と地の変

化だと思います。(中小は当たり前ですが、大手では冒険的変化と思い

ます)

 

 

そもそも予測を当てるという発想自体が間違えてる。「自分が秋冬に何

を買って何を着ているかはその時にならないとわからる筈がない」とい

う指摘もあると思います。が、この話はまた別の機会にしまして、本日

はリベンジの秋、店頭のメイクアップの諸注意をまとめてみました。

 

 

天候が順調で、コロナが多少でも治れば期待できるシーズンになるだろ

う!と言うことで、立ち上がり前に店頭チェックで書き入れ時に備えま

しょう!と言うのが本日のテーマです。

 

 

基本的に小規模専門店様向けで書いています。中規模、チェーン展開の

方には当てはまらない部分がありますのでご注意下さい。

 

 

余談ですが、アフターコロナで興味深い内容を解説していた動画ありまし

たので紹介します。マインドの変化の話などは参考になると思います。

 

 

Contents

足元とこの先

火種に点火まち

国内統計を見ますと世帯貯蓄率が増えています。自分のところに貯蓄は

ないと言う方は残念ながら私と同類です。w

 

 

あくまで全世帯の統計ですので、子育て世帯は給付金は使ってるでしょ

うが、株を多く持ってるリタイア世帯の配当金は使う事なく貯まってい

ると思われます。

 

 

国が配ったお金と、コロナ自粛で使われなかったお金が約37兆円ほど貯

まってます。結構すごい金額です。コロナの押さえ込みに成功した一部の

国の状況を見ますと、それなりの自粛反動消費が見込まれると思います。

 

 

さあ、如何程の反動需要があるでしょうか?アパレルでは買い替え需要、

冠婚葬祭イベント用、旅行用の外出着が期待でしょうか?

 

一方で、注意が必要な厳しさが増すであろう予測もあります。

 

 

強烈なデフレカレント

もともと、2000年に入った頃からデフレ基調になっています。もうすでに

価格競争トレンドも20年経っているわけです。

 

 

90年代に成長したダイソー、ブックオフ、マクドナルド、ニトリ、ユニク

ロと形を変えつつも躍進しています。この勢いが途絶える想像は誰も出来

ないでしょう。

 

 

労働者は給与が上がらず、社会保険がじり上がりすれば手取りは減るので、

身の丈に合った消費に徹します。これが20年は続いているだけです、デフ

レはまだ80年続くと言う予測もありますが。。

 

 

それが基本と申しましても時々、このデフレが強く出る時があります。それ

がアフターコロナに重なると予想しています。買う側がそうである事は察し

易いのですが、それに応じた売り手が現れると価格競争は燃え上がります。

 

 

ここ最近、ECでは価格破壊業者が売り上げランキング上位に進出してきて

るそうです。工場価格でなおかつ日本のトレンドを踏まえ、その上着こな

し解説が付いたインスタグラムが上手と三拍子揃った新種の方達です。

 

とても強烈です。自店の半分以下の価格帯で魅力ある様に見えてしまうイン

スタは脅威ではありますが、比べて考えない様にしましょう。

 

 

この嵐が一段と強まると言うのが、ネガティブ予測です。政府系支援金返済

を急ぐあまり売りに走り価格競争に巻き込まれない様注意です。

 

 

(文中とは特に関係なく私が興味を持っているインスタを紹介します。

クラシカルエルフさんのインスタです。価格も驚来ますが、ポイントはイン

スタが上手い!)classicallf_official

 

 

 

店頭を見やすくする理由

店に顧客が帰って来る

コロナ鎮静化の前提が必要ですが、この秋はお客様の来店が見込めるでしょ

う。上の動画を参考にして頂くとやはりアフターコロナは体験重視の満足を

求めるのではないでしょうか?

 

 

夏祭りに行けなかった、オリンピックを観戦したかった!不満足なのはリ

アルの体験が欠乏してる事です。ですので対面でサービスを受けたいと言

う流れはリバウンドとして暫く続くでしょう。

 

これを上手に利用したいです。

 

 

 

在庫を減らして魅力を高めるのは難しい

コロナ下で在庫を減らした専門店様は多いと思います。在庫抑制は普段は

難しいですが非常時だと出来てしまう不思議さがあります。

 

 

非常時とは言え、固定費を回収するためにも売り上げは常時取っていく必

要がありますが、在庫を減らしつつ店頭の鮮度は保てたでしょうか?顧客

から見てすっきりと買いやすい売り場になってるでしょうか?

 

 

仮に平常時とした場合でも、在庫の3割は楽に減らせると思います。在庫

を減らすメリットは、死に筋が減るほど売れ筋が見やすくなり、消費者に

伝わるからです。在庫が多いとその”発見”を死に筋が邪魔するのです。

 

在庫3割は楽に減らせると言う理由は、死に筋と持ち越し商材、定番と言

いつつ動かない商材がそれぐらいはあるからです。ですので、専門店によ

っては在庫の半分が無くても良い(売り上げが変わらない)状態だったり

します。

 

では何故、死に筋がそんなに多く店頭にあるかと言うと、死に筋も社長の

お金だからです。だからどうしてもプロパーで換金したい、「誰か間違え

てでも手にとってくれないか」と言う形で店頭に並んでいたりします。

 

 

この話は小規模専門店を前提にお話ししてますが、小規模なのですから資

金を寝かせておく余裕は無いはずです。売れ筋を売って、それを再投資し

て。。と回転させなければ行けません。

 

 

少しでも楽になるには、24時間働きたくなければ最低でも総資本の3回転

(注)の売り上げを目標にしなければ行けません。ところが、死に筋をい

つまでも大事にしているとそうはならず、再投資する資金が次第に減って

いくだけです。

 

 

(注)ざっくり現金500万、在庫1000万なら売り上げはその3倍4500万を

目指すという事です)

 

 

私の経験上ですが、資本が小さい所は高い家賃は禁物ですし、人件費も

掛けられません。それは理解出来るのに、在庫の管理が甘いお店を今ま

でに多く見てきました。

 

 

ですので、まずは死に筋や動かない定番などはこの際後述するワゴンで

整理してしまいましょう。その分、売れ筋がより動く様になると思いま

す。店頭整理では、これが一番(心理的に)難しいと思います。

 

 

(参考対策:入荷時にタグに印をつけて2ヶ月経てば10〜15%見切りまし

ょう。そうすれば販売期間が短い事が理解出来るので、入荷前の案内やS

NSが大事な事がよく理解出来ると思います。入荷後に粘るのではなく入

荷前に”はげむ”です)

 

 

メンズの場合

メンズ専門店は一度に仕入れを行い売り減らし方式なので、在庫が寝て

しまいがちです。

 

こういう事ができるのは家賃が掛からない等経費が非常に軽い場合、または

スーツや古着など原価が安く調達(委託など)できるルートがある場合、ま

たはストリートのニッチな旬がわかっていて足が速い商材を入れているなど

、長年メンズを続けてる先には特徴や強みをお持ちです。

 

 

逆に言うと回転の遅さを補う策のない、特徴のないメンズ専門店は苦しいは

ずです。グループ内のウイメンズの収益で継続してると言うのは不健康です

ので、キャッシュフローのある戦略を検討しましょう。

 

 

 

セール品はネットでなく店で売り切ろう

特にメーカーさんがEC販売をして苦労するのは、残った在庫を販売する場合

価格を下げても手応えがない事です。

 

ネット販売で赤字になっているのは珍しくはありません。メーカーさんとし

ては何かの役に立っているだろうと信じつつ、何の役にも立ってないのでは

?という疑問が頭から離れない様です。

 

 

自分のブランドに忠実なファン層が2割いたとして、次の2割がファンであり

安い時に買う層。残りの6割は価格重視の層というのが一般的な見方です。

 

 

そうなると、大体セール開始後で上位4割の顧客は一周しており、残りは目玉

セール待ちになります。ECの特性上、比較検討させる様に出来ていますので

消費者は似た様なレコメンドされる物の中から目玉探しになるわけです。

 

 

ですのでこの仕組みの中で、在庫を抱え込むと(モールの巨大倉庫は仕組み

上、都度の返品には応じてもらえませんから売り切り前提になっています)

担当者にとってシーズン終盤はアリ地獄の様になってしまいます。

 

 

BASEなどで個別のサイトを持てばその恐れはありませんがそこに新規客を

呼び込むにはブランド力が必要です。急がば回れで、独自でECを立てるか、

短期決戦でECモールに入るか、こういうところでも明暗が分かれますね。

 

 

対策としては店頭で見切り品を販売する「ワゴン」を持ちましょう。多少、

カッコ悪くてもこれが一番消化が良いですし、ネット見切りの様に赤字を

出さずに済みます(体験上の意見です)。

 

(メーカーさんはワゴンを持たないので、投入在庫に気を配るぐらいしか

ありません)

 

セレクト業界でも90年代まではこのワゴンは用いており、よく売れるので

「黄金の台」と呼ばれていました。と聞きました。

(来店客が入店後真っ先にこのワゴンに向かう事を嫌がる地方専門店オー

ナーも多いですが、価格に重きを置く、または影響を受ける消費者が合わ

せて8割いるのですから覗くのは当然と思いましょう。まずは現金に変え

、次回の失敗を減らすと考えれえば良いのではないでしょうか)

 

 

こう言う状況になると、少し前に盛んにEC比率を上げれば何とかなると

言ってた元気の良い論調はしばらくは見かけないのではと思います。

 

ECがダメだから店頭と言ってるわけでも有りません。バランスと言う事

なのですが、EC上に死に筋を残さない(赤字になるから)、店頭でも死

に筋を残さない(鮮度が落ちるから)、現金を回転させましょうと言う

話です。

 

 

売り場づくりの基本

まずは基本

大手は各社独自のルールがあると思うので、あくまで小規模専門店の方に

参考として見ていただきたい。

1、導線の点検、死角の排除(これが基本中の基本)

2、シフトの点検・工夫(人の問題はクリアにしておきましょう)

3、POP、表示物の整備

4、DP、VPのテーマ性、ディレクション・モチベーションとの
整合性

5、陳列法(コーディネートしたら近くに置く)

6、レイアウト変更、軽いものから重いものへと重点を置換えて
行く

まずは什器を減らす事。
余計な什器があるから在庫も増えるし、死角も増える。挙句に姿見も見えに
くくしたりする。
また「お買い場」というお客様が購入を決心するゴールデンスポットがどの
店にもありますが(大抵、大きな鏡の前で明るい場所)、これを邪魔する什
器があったりします。
「何故その場所に邪魔な什器がいつまでもあるのか?」と質問すると答えが
「社長が気に入っているから」とか「裏の倉庫に入らない」と言う理由だっ
たりすると笑えませんがよく聞く話でもあります。
ついでにVMDの狙いとは
VMDの狙い

●消化回転のために、在庫運用した陳列や装飾を指す

●購買誘導のための陳列や装飾

●ブランディングのための環境演出

導線が大事という事がわかっていれば、導線を邪魔するディスプレイはしない

でしょう。人間は視覚で5〜6メートル先まで判断しますので、暗い、何もな

いと思った先には足を進めません。

 

当然、お客様が回遊しない場所にある在庫はそのまま寝てしまいます。テーブ

ルの端にある料理も手にとってもらえる様盛り付けに工夫しましょう。

9月に備えてやるべき事

1、季節感があっているか(季節進行が遅いシーズンは雑貨が必要)

2、ゴールデンゾーンでの打ち出しは適当か

3、打ち出しの隣のアドレスの陳列と関連しているか

4、主導線、接客スペース、お見分けスペースは大丈夫か?
(十分な空間があり、明るさも足りているか?)

5、VPスペースの構成の形状とスペース
(人は視覚の動物なので、興味をひくVPがない導線は回遊しない)

しごく当たり前の事ですが、複数人で運営してるのですから定期的な点検は
必要です。それぞれの意見がばらつかない様に摺り合わせしましょう。
売れ筋を確保するにはバックナンバーでも書いてますが、基本はこまめな
発注(小規模ウイメンズ専門店が前提です)。鮮度を重視する。回るメー
カーにヒット商品を聞き、そのメーカーのトップ20%に入っているものな
ら間違いはない。
面白おかしい物や独自性も必要だが、まずは儲けた上でその再投資として、
一部の資金を当てる事をお勧めします。まずは、資本を3回転させなけれ
ば大きくなれない、楽になれない、余裕は出ない。

 

店とECのハーモニー

ECのメッキが剥がれた。。とまではいかないものの

ECが価格競争が激しくなってきたという話をしましたが、そうなるとよう

やく店頭の良さが再評価されたりします。地方でSNSが大きくあたった所

もやがてお客様はネット通販だけでは不満が溜まる。

 

店頭ならばレジが混んでれば少し待ってくれたり、そこに活気を感じてく

れたりしますが、ネット通販では届くのが遅いとクレームになってしまい

ます。

 

不満を溜めないには、出来れば通販のお客様にも店頭に来て頂き店の空気

を吸ってもらう。ディスプレイや装飾を眺めアンティークの什器の落ち着き

を感じてもらう。

 

販売員の笑顔や元気の良い挨拶を聞いて頂く、それが一番だと思います。

 

店頭のブランド力はショッパーの中の空気そのもの

旅先で買い物して、ホテルのベットの上に戦利品を並べてみる。誰しもや

った事があると思います。それぞれのショッパーを開ける時が一番楽しい。

 

袋の手触り、留めてあるテープを剥がす感触、中身を出す時に店の空気を

嗅いだ様に接客時を思い出す、「ああ、あそこで買ってよかったな」と。

店の袋にはそんな素敵な力があったりします。

ECで購入するか店頭に来ていただけるかはお客様が選ぶ事ですが、どちら

を選択されたとしてもご期待には添える様にしたいものです。

 

まだまだ、何があるかわかりませんが皆様におかれましては基本をまず

徹底されれば間違いはないかと存じます。

 

皆様のお店独自の空気感がそこにはありますから、それを感じに顧客様

ははるばる出掛けて来られると思います。良い秋になります様念じており

ます。

 

ではまた次回

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