こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?

今週は、有休を使い昔の取引先を静岡県に訪ねました。女性オーナーで一人で切り盛り

されていて、いつも元気でチャーミング!私も取引時から大ファンです。

今回は取材させていただき有難うございました。

Contents

早速、インタビュー!

知りたかったのは「インタグラムの達人」と言われる域にどのような努力で達したのか?

それには「近道は無く、見よう見まね」というシンプルな答え。

やはりSNSには時間が必要のようです、それと習慣化させる努力。

 

近道はないとの言葉どうり、現在のインスタのUP数が5000オーバーです。

1日3つコンスタントに撮影したとして月間約60、年間で約700、となるとここまで7年!

しかし毎日3スタイリング撮影できますか?雨の日も風の日も、編集して。。!!

スタートの時期は「ほぼインスタが始まってすぐ参加した」とのことですので、スタート

は約8年前。当初は家族写真も上げていたそうです、ゆるくスタートして徐々に周囲との交流

が増えてきたそうです。

(何と言ってもアングルが良い、モデルはオーナー、撮影スタッフ、編集オーナー)

 

当初からセンスもあったと思いますが、「上手な人のを見て研究した」そうです。

インスタ勉強会やセミナー等には参加してないとのこと。

つまり我々にもチャンスはある。

(置き写真も撮りこなす)

(シェード(影)も使いこなす)

 

インスタを使いこなしている人の特徴

写真ということもあり、インスタグラムは女性との相性が良い。

現在の市況は、都心でも大人女性向けブランドはどこも好調のようですが、(上手くいってない

というところは自滅してるのでは?例えばサイドブレーキを入れたままとかww。。。)

女性のボリューム層が40代後半に入ってきている事もあるし、SNSで雑誌に代わる顧客とのコミ

ュニケーション手段をえている事が大きいと思います。会話が出来ている、ブランドの声が届い

ている。。

 

会話が出来ているということは、相手の気持ちや抱えている課題がわかる訳です。

例えば最近の表紙はメッセージ性が強いですね

 

インスタを初期から使い始めた方のルーツを辿ると、ブログをされている、時代的には

ミクシイ。そのもっと手前には「thank you letter」が出てきます、そういう努力をもともと

惜しまない方が多い。

 

つまり「日常的に顧客との会話を習慣化されている事」が上手な方の共通点だと思います。

 

メンズ専門店でもthank you letterをされているとしても、グリーティングカード類で

そもそも頻度が低い。このような習慣の下地がないと、人がやっているからとマネで

使い始めても長続きしないし、そこに”ハート”も入ってこないのではないでしょうか?

 

話が逸れましたが

風向きが変わったのはフォロワー数が1000人を超えた頃から手応えが俄然出てきたそうで、

今ではインスタから通販希望のDMが来て、返答してお買い上げの比率がぐっと増した。

今では重要な販売の柱だそうです。

 

 

EC比率(通販)の考え方

ここで私見を述べますが。

クリック&モルタルと呼ばれ始めたのが2000年、アマゾンが設立されたのが1995年ですから初期

の通販事業を指した言葉です。

歴史と実績を持つ大企業を「ブリックアンドモルタル」(レンガとしっくい)とよび、

それに引っ掛けた表現。

 

そして現在がオムニチャネルという言葉ですが、ビジネスモデルとして2005年に登場、百貨店の

メイシーズが代表でで2011年前年比40%増、2012年前年比40%増と有名になり知れ渡りました。

RFIDタグで在庫がどこにあるかわかるので取り寄せる事ができるのと、どこで返品しても良いと

いう顧客体験の提供でした。

オムニとは全とか総のように「あらゆる、あまねく」という意味です。
顧客が購買できるあらゆるチャネル(販路、接点、時間)で購買ができるよう流通経路を整えることです。

ですので、現在も国内の大手は「オムニチャネル」を目指しているという発言はよく目にしている

と思います。

ただ、メイシーズは2016年に100店鋪物大量閉鎖を行いました。ECは伸びたけれども店舗に人が

戻らなかったという訳です。この現象はあちこちで起きています、EC比率が20%になった30%に

なったと言っても、実店舗の(しかも弱い店)にしわ寄せが来るのです。

 

 

弱い店にはもともと売れ筋が回りにくい、ECでは瞬時に売れ筋は消化していきますので、供給

態勢が無ければ、実店舗の販売は苦労することになります。弱い店への来店客数が激減すれば

あっという間に赤字です(もともとギリギリですから)閉めざるをえないことになります。

 

それが元から望んだ形であれば良いのですが、経営側からすればポーカーフェイスで内心

動揺していると(国内は知りませんが)、海外事例では書いてある記事を見ます。

消費者が服への興味が薄れていることは国内外同じだと思いますが、こと人口に関しては

アメリカは増えてますから、国内と同じに見ない事が肝要です。

 

悪影響の実際はわからない

私が思うには、スタンダードモデル的なEC比率はないと思います。「D2C」で書いたように、

商売の基盤がECでもよく、成立するなら店は余程のことがないと出さないでしょう。一方で長い

時間をかけてブランディングに取り組む企業は店を大事にするでしょう。

 

つまりそれぞれのスタイルがある。

ただし、中途半端なスケールメリットで出店を繰り返した企業は”その意味”を厳しい対価を払い

つつ再考を迫られることになるのかもしれないということだと思います。

 

今回訪問した店でも同じ趣旨の質問(SNSでECを伸ばしてよかったか?)も、させてもらいまし

たがトータルで130%ぐらいの伸び、つまりこれ(SNS)なしでのこの5年は無かった。

「無ければ店舗来店客数の減少を止められなかった」というお話でした。

 

リアル店舗(モルタル)への来店客数の減少は歯止めが効かないという事実

クリック(SNSに連動させた通販)は思ってる以上の広がりと手応えがあるという事実

これが今回のインタビューで見えてきたことです。

 

ここには大切なポイントが2つあるのです

1、もっと伸ばすことの出来る”反響”はあるが、在庫との連動が難しい

2、顧客行動の変化(近所の顧客もECで購入する)

 

せっかくのECも需要と連動しない

前回の記事で、2000年以降の人口オーナス期でもセブンイレブンが躍進を続け(前鈴木会長時代)

た理由に売れ筋を切らさない(全体の20%の品番で80%の利益がもたらされる法則)ことが

あると”個人的な見識”を述べさせていただきました。

専門店の店頭でもそうですし、メーカーの展示会でも同じことが言えます。

展示会の大半のサンプルはボツになるか、最低ロットですよね?

受注が良かった品番は全体の20%を超えますか?20%以内ですよね?

 

前回の記事ではまた在庫の持ち方、生産方式も書きました、いくつかの方法があると。。。

これだけお客さんが減るなかで、メーカーと専門店が協力し合わないのは不思議だと感じています。

メーカーは大概高圧的なので(東高西低:個人の感想)、リスク負担が不公平と感じる

専門店は取引メーカー数を増やすことで対応しようとしますが、結局は20%のヒット品が

不足してしまいます。

 

間に入る「営業マン」は何をすれば良いかがわかってないので、単なる雰囲気隊長の域を出ません。

その証拠に”営業専門マン”は真っ先に業界から消えつつあります。

メーカーは新たな専門店がふらりと展示会に現れるのを待つか、ダメ元でZOZOに口座を開くか

ぐらいの策を考えていると思いますが、もう一つの手段としては現在の取引先が20%取引をのばして

くれたら。。とは考えないのでしょうか?

 

お互いがWINWINになれるそういう取引、互いが協力して取引の中での20%を見つけて、そこを

伸ばす(追加もしくは類似品)ことはできないものでしょうか?

専門店はメーカーの商品を仕入れて、店頭の反応を見て初めて20%を掴んでいく、理解する。

メーカーは各地に発送後、客注が来るまで動きは分からない。ただし企画の段階で”仮説”は持って

いる。お互い持ってないものを相手は持っているんです(仮説とデーター)が共有はしないのです。

関西のメーカーにはそういう動きがあります、彼らは原料にリスクを張るので前回紹介した「半

完成品」を持つ形になるんですね、これは大手アパレルも出来てないことなのです。

 

関西OEMメーカーのそういう発想こそ魅力的です。M&Aにいかが?ww

 

なぜ近所の顧客に配送するのか?

その前に、もう一つ驚く(お店の方からするとフツー)事があるのですが

1週間で一番暇な曜日はいつなのか?わかりますか?

日曜日だそうです。今は日曜を定休にしても良いぐらい閑散とするそうです。

(写真にメッセージ性がある)

 

これはなぜかと考えると、顧客の行動を考えると良いですね

そういう時は、ペルソナとかスタマージャーニー

 

こちらのお店のペルソナは30代から40代の主婦層

その主婦層のかスタマージャーニーを考えると、キーワードは

「忙しい」「自分の時間がない」となります

日曜来店されないのは、日曜にフリータイムはまるでないのでしょう。

(写真に動きがある)

 

では顧客が自由になる時間はどこかというと、多分夜の9時から12時でしょう

インスタで通販の案内していれば、ダイレクトメール機能(DM)が来るのがその時間帯

であることで分かります。

 

となると、9時から12時までは刈り取りタイム(接客タイム)になるわけです。

問い合わせにタイムリーに答えていかないと成約率が下がります。

この時間帯で売り上げの30%を稼いでるとすればその一手間の重要性が分かりますよね。

 

その顧客の行動を促す、種まきが朝、昼、夕方のインスタを見ていただくSNS発信です。

(画面構成力が高い)

 

「これらの作業を、従来の仕入れ販売の役割の上に乗ってくるのは大変ですね?」と聞いた

ところ「従来の接客時間(昼の来店)が減っているので、その時間を使う」との事でした。

店の近場の撮影ポイントで、計画したスタイリングで撮影するそうです。

(親しみが湧く:お店の前の歩道)

 

自分の顧客に尽くす事で、自然と囲い込むことになる

前の段落にでEC比率に触れた理由は、これからの販売店がなすべき方向性は

「顧客に尽くすこと」になります。

「店は客のためにある」という言葉は倉本先生の言葉ですが、デジタルが入ることで

「より顧客に利便性を与えること」が現代の競争テーマになっています。

その心は「顧客の時間に合わせる」です。

 

何しろ忙しいのです顧客は。

日本の洋服市場の8割の購入は女性客で、その中心客層である主婦層の7割は共稼ぎです。

上記のドマーニのグラビアもそういうペルソナ設定に見えます。

時間がないから、スタイリングを考えなくて済む提案が求められているのですね。

そして、ゆっくり吟味できる時間が寝る前しかない。。。

こういう需要がつかめていない店は、他の利便性がある店に顧客が奪われていると想像します。

自分の顧客に利便性を与えている店は、自然と他の地域の客が流れてくる、というのが

現在の競争の本質だと思います。

 

メイシーズが100店舗閉鎖したのは、EC比率を高めすぎたから。。のように書きましたが

顧客は単に時間がないから来店していないだけだと思います。

ノードストロームは住宅街の近くに、試着用にサテライト施設を増やしているというのも、店

までくる時間がない人が多く、その要望を満たす施策だと思います。

(ノードストローム:試着用に取り寄せられた商品)

 

以前から、商いのトレンドは地方から始まると私は見ていますが、まさしく地方の専門店が

先にオムニ(24時間顧客の利便性)戦略を先行していると思います。

今回お店を訪問して顧客行動の変化に柔軟に対応されていることに驚きました。

 

「顧客が忙しいことは、夜の時間の問い合わせに近場の顧客が含まれていることでわかる」

「だから、近くの方にも無料で配送してあげる」そうです。

こういう顧客の要望は通行客数に頼る、繁華街立地の店は気付かないものです。

 

今後は、店の開店は午後から。夕方、一旦店を閉め、夕食後に店に戻り、インスタライブを

始めたりラインやDMでの問い合わせに答えるというのが営業パターンになるのでは?

夜のバイトが必要になると思いますが、それも主婦が適任なのでしょう。

 

 

もう一つの課題、需要と在庫量についてはメーカーが在庫リスクを持った商材を、センスの

ある専門店と提携してインスタライブをしていく事を予想します。消費者行動の変化を理解する

メーカーもそろそろ出てきても良さそうです。お互いがお互いを指名し合うような関係を想像し

ます。

 

結論としては

「市場の縮小は止めることはできないが

顧客が店を離反する事を止めることは出来る。

自分の店が生き延びるためには

他店の顧客を奪うことのみによって約束される

そのためには

まず自店の顧客を満足させることから始まる」

 

今回はここまで

ではまた次回!

 

 

 

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